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長久寺のまるみがや
巨木の写真
巨木の詳細
巨木の名前 | 長久寺のまるみがや[1] |
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樹種 | カヤ(榧) | |||
幹周 | 5.87m[1] 7.0m[2] | |||
樹高 | 16m[1・2] | |||
推定樹齢 | 650年[1] | |||
特徴 | 広大で整った笠のような樹冠 | |||
保護指定 | 宮城県指定天然記念物 | |||
所在地 | 宮城県大崎市古川宮沢裏馬田町 | |||
所在施設 | 長久寺 | |||
撮影日・状態 | 2017.06.10 : 樹勢は良好な様子.400平方m近い樹冠を誇り、長大な下枝が多い. | |||
アクセス | ||||
車 | ■古川IC(東北自動車道) 距離:約5.3km 経由:国道47-市道-県道59(途中で桜ノ目橋)-市道 | |||
電車 | ■古川駅(陸羽東線、東北・秋田・北海道新幹線) 距離:約8km 経由:タクシーか市営バス・宮沢真山線を利用 | |||
バス | ■城内(宮沢真山線) 距離:城内バス停から約230m 経由:古川駅前から宮沢真山線に乗車、約20分で城内 (本数は1日で古川駅からの上下各4本) | |||
参考情報 | ■現地資料 [1]現地解説板・カヤ :カヤについて幹周・樹高・枝張り・樹齢・由緒など掲示 ■Web [2]巨樹巨木林データベース:2000年の調査記録(教育委員会社会教育課) [3]大崎市(公式) :大崎市の公営サイト、観光情報あり [4]宮沢遺跡(地図) :宮沢遺跡の南西に位置する愛宕山地区、東北道に東西を分断されている [5]宮城県(公式) :宮城県の公営サイト、文化財の一覧に宮沢遺跡の詳細な解説あり | |||
近辺の巨木 | 樹林寺のカヤ :長久寺からの移動は約13km、株立ちの巨木に似た姿 祇劫寺のコウヤマキ&マルミガヤ:長久寺からの移動は約18km、高野槇の他に2本の榧がある |
巨木と雑記1.長久寺と周辺地域
宮城で最初の巨木巡りは、県北の地域である栗原市と大崎市から開始。 栗原市の栗駒山には日本一のクロベ 「小桧沢の千年クロベ」 があり、大崎市には「長久寺のまるみガヤ」をはじめ、見事なカヤの巨木が豊富にあります( 矢木のカヤ / 樹林寺のカヤ / 祇劫寺のマルミガヤ)。 長久寺があるのは、大崎市の市街中心部である古川駅の周辺から、約5kmほど北に離れた場所。 古川宮沢の中心にある集落です。 長久寺は室町時代、日幡上人により開山。カヤは上人のお手植えとの伝承。 その年代は、奥州探題である大崎氏三代・詮持の頃とされます(14世紀後半)。 境内には鬼子母神が祀られている事から、カヤは「鬼子母神のまるみがや」とも呼ばれるそうです。[1] 長久寺の境内から北東に見える、大きな古墳のように見えるもの。 これは宮沢遺跡の一部です。 8世紀~10世紀頃の城柵跡で、東西約1400m、南北850mの大規模なもの。 長久寺から見えるのは遺跡の一部、南西隅にある愛宕山地区。 その中央は、発掘調査後に造成された東北道に分断。 遺跡には、複数の建造物跡や、築地や土塁の跡が発見されたそうです。[5] 宮沢遺跡には長久寺のある西側からも立入れます(バス停・庚壇の小道から先)。 雨が降り出さなければ、私はこの見晴らしの良い遺跡に立ち寄っていたところでした…。
巨木と雑記2.長久寺の大カヤ
長久寺の大カヤ(まるみがや)は、宮城の巨木の中でも特に訪れたてみたかった1本。 その姿は予想以上に素晴らしいものでした。 はじめに驚かされるのが広大な樹冠。 枝張りの範囲は、東西約17.4m、南北約23.6m[1]。 総面積は約400平方mにも及び、全体の輪郭は直径の大きな円錐形に整っています。 その大きく美しい緑の笠は、遠くからでもよく目立っていました。 大きな笠を形成しているのは多数の長大な下枝。 幹の四方、地上2~3m付近から放射状に発生し、地面と水平方向へ伸び広がっています。 これら下枝の大きさと密な繁茂のため、幹の上層の姿は隠れています。 下枝が特に繁茂しているのは北東と南西の側。 少し下枝の少ない北側からは、太い幹と長大な枝の広がりの様子を眺めることができます。 大きく端整な樹冠を作る見事な枝張り、太く貫禄ある単幹の主幹、良好な樹勢。 この実に優れた立姿は、古くから丹精込めて手入れされてきた賜物でもあるのでしょう。 大切にされていることは、現在の管理体制からも伝わってきます。 巨木のとしての迫力も十分ですが、日本庭園の中に立つ主役のように、格調高い雰囲気も感じさせる大カヤでした。
巨木と雑記3.万正寺の大カヤとの比較
長久寺を訪れた約3ヶ月後、福島県の桑折町に訪れました。目当ては 「万正寺の大カヤ」 です。7m以上の幹周と、約400平方mに及ぶ枝張り。 全体の大きさは長久寺と同等ですが、同じ榧の樹種とは思えないくらいに「個性」が異なる大カヤでした。 詳しくは見比べてみてください。 宮城と福島のカヤの両雄らしき、長久寺と万正寺の良さを私の偏見で比較。 整った姿の良さ、貫禄、単幹である主幹の量感、などは長久寺が勝っているでしょう。ついでにアクセスも。 でも万正寺も魅力的です。 見飽きない姿の面白さ、複雑かつ自由奔放な樹形、明るく不気味な雰囲気、などが癖になります。 人里の巨木は、接してきた人々の「念」によっても、姿は変わるものなのでしょう。
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