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矢木のカヤ
巨木の写真
巨木の詳細
巨木の名前 | 矢木のカヤ[1] |
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樹種 | カヤ(榧) | |||
幹周 | 7.5m[1] 6.8[2] | |||
樹高 | 18m[1] 10m[2] | |||
推定樹齢 | 830年[1] | |||
特徴 | 田畑の中に立つ広い樹冠の独立木 | |||
保護指定 | 大崎市指定天然記念物 | |||
所在地 | 宮城県大崎市岩出山池月上宮西風 | |||
所在施設 | 個人の耕作地の中 | |||
撮影日・状態 | 2017.06.10 : 大枝の枝先に葉の量が若干少ない.南側の幹の中腹から大きな霞桜が生える. | |||
アクセス | ||||
車 | ■吉川IC(東北自動車道) 距離:約18km 経由:国道47号線-市道・農道(陸羽東線の路線沿) | |||
電車 | ■池月駅(JR陸羽東線) 距離:約1.5km.駅員の居ない無人の小さな駅舎.陸羽東線の車両は気動車. | |||
備考 | ■カヤの立つ場所 個人の耕作地の中.舗装道から畦道が続く.田畑の中へ勝手に立入らないこと. | |||
引用元 | [1]現地解説板 :カヤの東側に立つ解説板、大崎市教育委員会が設置 [2]巨樹巨木林データベース:2000年の環境庁の調査情報 [3]岩出山城跡(地図) :旧・岩出山町の中心地域(Google-Map) [4]大崎市・観光情報 :観光情報の歴史・史跡より参照 [5]宮城県・北部地方振興部:おおさき古道ガイド・出羽街道中山越えより参照 [6]宮城県神社庁: 荒雄川神社の情報を参照 | |||
近辺の巨木 | 樹林寺カヤの木:矢木のカヤから約5.5km.多数の株立ちの樹形.このカヤにも霞桜が着生している. |
巨木と雑記
岩出山(旧・玉造郡岩出山町)は大崎市のほぼ中央部に位置する地域。 伊達政宗が天正19年から慶長6年(1591~1601)まで居城とした岩出山城があり、 後に四男の宗泰を初代とする岩出山伊達氏が治めていました。 城跡の北部に残る史跡・有備館は、伊達家の学問所であり仙台藩の藩校となった建物で、 美しい庭園とともに国の史跡名勝となっています。[3・4] 岩出山は出羽仙台街道の宿場でもあった地域。 この街道は仙台から奥州街道を経た先、吉岡(大和町)から始まり出羽の舟形(山形県最上郡舟形町)に至る道。 岩出山からは先は、鳴子にある尿前の関を経て、出羽山脈を越えて堺田(最上郡最上町)へ。 現在は国道47号線の沿線となっています。 この古道沿いには多くの史跡が残されており、そのひとつが矢木のカヤ。 約800年前、阿弥陀入来自国寺の開山の際に植えられたと云われる古木。[5] 矢木のカヤは、丘陵を背して農地の中に立つ独立木。 その姿は陸羽東線や国道47号線の車窓からよく見えるでしょう。 幹周約7mというカヤでは相当に太い幹と、遠くからでも目立つ大きな樹冠。堂々たる立姿の大カヤです。 下枝の少ない北側から眺める姿は、太い幹や広がる大枝の形がよく見えるので、 特に古木らしい迫力と威厳を感じられました。 ちなみに、大カヤの周囲に古寺らしき建物は見当たりません。廃寺となって長い年月が経過しているのでしょう。 このカヤの大きな特徴はカスミザクラ(霞桜)の着生。 幹の南側の地上約4m付近が生え際。背が高く、樹冠の中央部で大きく枝を広げていました。 大カヤの円形の樹冠と一体感があるため、離れて見れば異物感がありません。 春になると、大きな白い花笠で着飾るカヤの古木。どれほど神秘的で美しい姿なのでしょう。 機会があれば、春(5月上旬頃?)に再訪したいものです。 最後に地名から気付いたこと。矢木のカヤが立つ所在地の名前は「池月上宮西風」。 西の方に地域の鎮守でもありそうな名前に感じました。 後になって調べたら、すぐ近くに鎮座しているのが荒雄川神社。 養老4年(720)の創祀と伝えられる古社で式内社。 主祭神は大物忌神。 大崎氏や岩出山伊達氏の崇敬厚く、領内の総鎮守とされたそうです。 興味のある方は参拝してみてください。[6]
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