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西平のカヤ
巨木の写真








































巨木の詳細
巨木の名前 | 西平のカヤ(現地石碑の名称は「カヤ」) |
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樹種 | カヤ(榧) | |||
幹周 | 6.6m [1], 7.0m [2] | |||
樹高 | 16m [1][2] | |||
推定樹齢 | 1000年 [1] | |||
特徴 | 古木らしい姿、太い幹と長い下枝 | |||
保護指定 | 埼玉県指定天然記念物 | |||
所在地 | 埼玉県比企郡ときがわ町西平 | |||
所有者 | 西平施業林組合 | |||
撮影日・状態 | 2020.03.15 : 前回と大きな変化なし.春先だからか少し明るく元気になった印象. 2017.01.15 : 前回と大きな変化なし.地面に僅かな実の痕跡.雌木のようである. 2014.12.14 : 前回と大きな変化なし.葉の量が全体的に少なめ.日照条件が良くない? 2012.12.22 : 幹に根本付近から中腹まで達する空洞があるようだ.下枝に枯枝が多い. | |||
アクセス | ||||
車 | 関越自動車道・東松山ICから約17km | |||
電車 | 八高線・明覚駅から約6.8km、ときがわ町の町営バスを利用可能 | |||
バス | 明覚駅から町内路線「と01」か徒歩約1.5kmで「せせらぎバスセンター」へ 路線「と03、と04、と07」のどれかに乗り継いで「慈光寺入口」へ | |||
参考情報 | ■現地資料 [1]石碑・カヤ :伝承や幹周・樹高・樹齢など記録(2020年3月の写真13を参照) ■公式サイト [2]巨樹巨木林データベース:2000年度の調査記録 [3]ときがわ町ホームページ:町の詳細や観光情報について [4]慈光寺ホームページ :七木の伝説に大カヤの事が明示されている ■少遠景の記録 [5]児持スギ :ときがわ町、最寄りの巨木、萩日吉神社の御神木で県内最のスギ [6]姥樫 :ときがわ町、県内最大となるアカガシかも [7]関堀の大イチョウ :ときがわ町、県道沿いに立つのでアクセスが容易 [8]上谷の大クス :越生町、関東最大のクスノキ (ときがわ町の隣町) |
巨木の雑記.印象の変化(2020年3月)
西平のカヤは、私が最も繰り返し訪れている巨木。 2020年3月の再訪では、この大カヤの印象が少し変わりました。 私の感じ方が変わったというか。 大カヤの表情が何だか優し気で、今までよりも明るく元気になった印象に。 当日は3月中旬にしては、少し汗ばむような暖かな日。 大カヤも迎春を喜んでいたのかな。 もしかして、私の顔を覚えて貰えた?、と思うのは傲慢か。 しばらくして陽気につられて眠くなり、樹下で少し寝転んでみました。 地面から見上げる大カヤの威容もじつに素晴らしい。感嘆の声が杉林に響きました。

巨木の雑記.巨木の里・ときがわ町
西平のカヤがあるのは、埼玉県の中央部に位置するときがわ(都幾川)町。 町域の約7割を森林が覆う緑豊かなところ。 東部は都幾川の河岸段丘に開けた中心街。 西部の広い山地は、秩父市街地のある秩父盆地を隔てる外秩父山地に属します。[3] ときがわ町は巨木の里。 西平のカヤを含め、数多くの見応えある巨木(6本以上)が現存する素晴らしい地域。 隣接する越生町には、関東最大の巨木である上谷の大クス [8] もあります。 埼玉県でも特に巨木巡りに最適な地域といえるでしょう。

巨木の雑記.西平のカヤの感想
大カヤの立姿について。 樹冠は山林の壁が近い南側は薄く、主に北西の斜面下へ向って広がっている。 北側に15メートル近くも伸びた大きな下枝が特徴的。 幹は単幹のカヤとしては感嘆たる太さ。 樹高は幹の太さの割りには高くなく、中腹から先細りして全体的にずんぐりとしたもの。 深い縦皴、多くの下枝の欠損跡、相当な古木らしく見え、主幹内部は空洞化している様子。 小動物(鳥やムササビなど)が巣にしている?。 葉の量は全体的に少なく見え、植林の壁で日照は不足しているか。 実の生る雌木でも、現在の実りは少ないようです。 大カヤの感想について。 杉林に囲まれた薄暗い山中の空間。出会いは濃密です。 樹勢が衰退気味の少し荒れた姿でも、気炎万丈、更に威厳は増しているか。 強く在りたいと叫んでいる、その漲る気力が凄味のある姿として現れているように見えました。 山中の独立木でもあり、孤高や不屈という言葉がしっくりと来る大カヤに、傷ついた古強者の姿を重ねる。 近づいて樹下で過ごせば、穏やな表情や包み込むような懐の深さも感じられます。 立去るときは、長い下枝が名残惜しそうに揺れているような寂しさも。 天下の縄文杉を小さくしたらきっと、この大カヤのような姿と風格になるだろう。 そう考えさせるほど、この大カヤには惚れています。
巨木の雑記.巨木巡りのはじまりの一本
この大カヤは最初の巨木巡りで訪れた際、 関東最大級の上谷の大クス [8] よりも深く心に訴えてきた巨木。 木に対して恐怖という感情を抱いたことが新鮮でもありました。 巨木の魅力は大きさだけではなく、個性や訪れる者との相性も重要なのでしょう。 巨大でなくとも、一見して不恰好でも、樹勢が衰えていても、心を揺さぶる一本があります。 老いてなお、今が一番美しい、そう思わせる荘厳なカヤの古木。 私が巨木巡りを始めるきっかけとなった特別な巨木。 大カヤに訪れることは、尊敬する父祖へ会いに行く気分です。

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