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  • 巨木TOP / 群馬 / 篠尾神社のケヤキ

    篠尾神社のケヤキ

    巨木の写真

    撮影日:2024.04.27 【01】祭壇の奥に根を張る御神体といった観の大ケヤキ 篠尾神社のケヤキ-01
    【02】 篠尾神社のケヤキ-02
    【03】 篠尾神社のケヤキ-03
    【04】 篠尾神社のケヤキ-04
    【05】 篠尾神社のケヤキ-05
    【06】 篠尾神社のケヤキ-06
    【07】 篠尾神社のケヤキ-07
    【08】 篠尾神社のケヤキ-08
    【09】 篠尾神社のケヤキ-09

    巨木の基本情報

    巨木の名前 篠尾神社のケヤキ [1]
    樹種 ケヤキ (欅)
    幹周 6.29m [1], 6.65m [2]
    樹高 30.95m [1], 28.0m [2]
    推定樹齢 300年以上 [2]
    特徴 中腹で双幹、大きなコブ
    保護指定 沼田の名木百選 [1]
    所在地 群馬県沼田市屋形原町字篠尾
    所在施設 篠尾神社
    撮影日・状態 2024.04.27 : 中腹から双幹となる一方を欠損、全体的にみて小枝が多いので樹勢は良さそう
    アクセス
    関越道・沼田ICから約7km
    電車 JR上越線・沼田駅から約4km
    参考情報 ■現地解説板
     [1] 篠尾神社のケヤキ   :写真なし (沼田の名木百選 / 1996年7月 沼田市教育委員会)
    ■外部ウェブサイト
     [2] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
     [3] 沼田市ホームページ  :篠尾神社、生方鼎斎、沼田かるた、などを参考
     [4] ウィキペディア    :生方鼎斎について参考
     [5] 植木ペディア     :ウラシマソウについて参考 (樹木だけでなく草花も紹介している)
    ■少遠景の記録
     [6] 沼田城址の御殿桜   :市街地中心部、沼田城址の西櫓跡に残るエドヒガン、沼田かるたに読まれる
     [7] 沼田須賀神社の大ケヤキ:市街地中心部、沼田の祇園祭をつかさどる鎮守、沼田かるたに読まれる
     [8] 川田神社の大ケヤキ  :近辺、往時は巨木の宝庫である沼田市内で最大の巨木であった
     [9] 薄根の大クワ     :市街地から北、日本一の山桑、沼田かるたに読まれる
     [10] 発知のヒガンザクラ  :下発知町の地区、県内最大級のエドヒガン、沼田かるたに読まれる

    巨木と雑記.篠尾神社とケヤキ

     旧川田村の中心地にある、川田城址や川田神社 [8] から南東に約2km。 ここにも大ケヤキを有する鎮守、篠尾神社が座しています。 詳しい由緒は不明ながら、室町時代の中期以前に創建されていたような古社 (後述)。 歴史を感じさせる境内は、舞殿を兼ねる神門、無数の摂社群である石祠が印象的。 御神木の大ケヤキは、本殿背後にそびえ立っています。 正面から見仰ぐ姿はじつに神秘的。 根本に古い石祠が並び、結界の注連縄が張られ、太古の祭壇のように厳かです。 そして背後の姿は個性的。 大きなコブが隆起していて、それが鼻となった巨大な顔のように映る。 強い霊気を感じさせる大ケヤキです。

    cm-篠尾神社-01 【01】境内入口。右奥に幹周4mほどのイチョウの樹冠が見える。その木も沼田名木百選の一本。
    【02】 cm-篠尾神社-02
    【03】 cm-篠尾神社-03
    【04】 cm-篠尾神社-04
    【05】 cm-篠尾神社-05



     篠尾神社の由緒について。 伝承 [3] によると、日本武尊が東征の途中で当地を開拓し、 その館跡に建立したと伝わるそうです。 神社の隣にある御宅は、江戸後期の書家である生方鼎斎 [3][4] の生家らしい。 代々の生方家当主が篠尾神社の別当を務め、鼎斎の兄偆広が19代目という。 生方家は400年近い歴史がありそうで、鼎斎は寛政11年 (1799) の生まれ。 よって篠尾神社は、室町時代の中期頃には開創されていたとみえます。

     生方鼎斎 [4] について。 江戸へ出てからは幕末の三筆と称された一人、巻菱湖に師事して大成。 菱湖四天王の一人と称され、幕命により貨銭の天保通宝の文字を記し、名を高めた。 沼田市には市内の偉人・歴史・文化財を題材にした、沼田かるた [3] があります。 それに鼎斎は読まれている。「鼎斎は 川田の生まれ 書の大家」。 なお、沼田かるたには、巨木について読むものが5つあるので、以下ご参考。

    【沼田かるた (巨木組)】
     ・沼田城址の御殿桜 [6]   :「年輪に 歴史を刻む 御殿桜」
     ・沼田須賀神社の大ケヤキ [7]:「須賀神社 茅の輪まつりに 大欅」
     ・薄根の大クワ [9]     :「養蚕の 歩みを語る 薄根の大桑」
     ・発知のヒガンザクラ [10]  :「空霞む 発知の丘に 彼岸桜」
     ・書院の五葉マツ (未訪)   :「村宿の 高平書院と 五葉マツ」

    巨木と雑記.境内に咲く妖しき花

     御神木の大ケヤキ、その背後には面白い植物が群生していました。 ウツボカズラに似たような、何かの爬虫類が大口を開いているような、そんな妖しき姿の花。 初見なので驚きました。 後日、植木ペディア [5] で調べてみると、 ウラシマソウ (浦島草) であることが分かりました。 サトイモ科テンナンショウ (天南星) 属の一種。 じつは国内の広範囲に自生する多年草とのこと。 壺状の花に見える部分が苞葉で、これが仏炎苞と呼ばれる。 中から伸びている弦状のものが、花序の先端が伸びきっているもの。 その仏炎苞の中にある基部に花があるそうです。 名前の由来は、長く伸びた花序が釣り糸のように見えるからという (漁師の浦島太郎を連想?)。 また、鎌首をもたげて舌を出す、蛇のようにも見えるから、 ヘビクサとも呼ばれているそうです。

    cm-篠尾神社のウラシマソウ-01 【01】篠尾神社にはウラシマソウ (浦島草) の群生地があった。 面白い光景。 葉茎の基部に仏炎苞と呼ばれる苞が開き、中に花がある。 釣り糸のように伸びているのは、花序の先端。
    cm-篠尾神社のウラシマソウ-02 【02】真上から。大きな葉を中央から傘状に広げている。
    cm-篠尾神社のウラシマソウ-03 【03】右は出たばかりの芽、左は成長して葉茎の基部に開く仏炎苞。