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大中寺のスギとモミジ
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 大中寺のスギ、モミジ (仮) |
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幹周 | スギ (A):5.01m [2], 1.60m (実測直径) スギ (B):4.50m [2], 4.90m (実測) スギ (C):6.54m [2], 6.05m (実測) モミジ :3.82m [2], 4.01m (実測) | |||
樹高 | スギ (A):35.0m [2] スギ (B):30.0m [2] スギ (C):30.0m [2] モミジ :12.0m [2] | |||
推定樹齢 | 不明 | |||
保護指定 | 栃木市指定天然記念物 (スギA & モミジ) | |||
所在地 | 栃木県栃木市平井町 | |||
所在施設 | 大中寺 | |||
撮影日・状態 | 2022.12.19 : 目立つ損傷なく樹勢は良い様子、西側樹皮の木目がやけに細かい | |||
アクセス | ||||
車 | 東北道・栃木ICから約9km、佐野藤岡ICから約12km | |||
電車 | JR両毛線・大平下駅から約3km、東武日光線・新大平下駅から約4km | |||
参考情報 | ■外部ウェブサイト [1] 栃木市観光協会 :大中寺の由緒を参考 [2] 巨樹巨木林データベース:当巨木群の登録あり (2000年度の調査記録) ■少遠景の記録 [3] 阿伽井の杉 :栃木市、太平山神社の御神木、根本に湧く清水が名前の由来 [4] 富田雷電神社のスダジイ:栃木市、県内最大とみられるスダジイ [5] 金剛寺のケヤキと皆川城:栃木市、金剛寺は皆川城主の菩提寺 [6] 太平山の初日の出 :登山記録、太平山で迎えたの2022年初日の出 |
巨木と雑記.大中寺と七不思議
太平山の南麓に位置する大中寺 [1] 。境内には、ぐみの木峠と謙信平へ向かうハイキングコースの入口もあります。 今日、大勢の登山者も訪れる大中寺は、 平安末期の久寿年間 (1154) に創建された禅宗の古刹。 戦国時代の延徳年間 (1489) に快庵妙慶禅師により再興。 永祿11年 (1568)、関東の覇権を争う上杉謙信と北条氏康は、 当寺にて和議を結んだという歴史ある寺院です。 なお、太平山にある展望地の謙信平は、 上杉謙信が太平山に登って、その眺望に感嘆したという故事に由来するそうです。 江戸時代には関東を代表する曹洞宗の寺院のひとつとされ、 徳川家からの信任も厚かった大中寺。 今もその威信は、長い参道と杉並木、風雅な庭園、立派な本堂から感じ取れます。 そんな大中寺には七不思議と呼ばれる、参拝者の興味を引く伝承があります。 ここでは七不思議のうち、御神木の大スギに関わるふたつをご紹介。 【 馬首の井戸 】 天正18年 (1590)、豊臣秀吉による小田原征伐のとき。 下野皆川城 [5] の城主、皆川広照は北条方に組し、家臣団と小田原城に籠城していた。 このとき手薄となった皆川城は、豊臣軍勢に責められ落城の危機に瀕す。 そこで広照は家臣の佐竹小太郎 (晃石太郎) に命じ、皆川城に残る妻子を逃れさせ、 旧家臣の白石正義の屋敷 (太平山南麓) に匿わせた。 その後、小太郎は敵兵に見つかり大中寺へ逃れるも、 後難を恐れた住職により助命を拒まれる。 進退窮まり小太郎は自刃し、愛馬も斬首しその首を井戸へ沈めた。 その後、この井戸からは馬のいななきが聞こえるという。 【 不開の雲隠 】 佐竹小太郎の後を追って大中寺へ逃れた奥方。 夫の死を知ると厠へ籠って自害した。 それ以来、この厠の戸が開けられたことはないという。 他の大中寺七不思議は、油坂・不断のかまど・東山一口拍子木・枕返しの間・根なしの藤。 いずれも不幸や怪異にまつわる怖い話。 興味のある人は公式サイトなどを調べてみてください。
巨木と雑記.大中寺の巨木たち
まずは御神木、根本に「馬首の井戸」がある大スギ (A木)。 樹容は荒れた感じのない整った樹容をしています。 箒状の樹冠をしているのが特徴か。 しかし根本の井戸が異彩を放っている。 七不思議の伝承を知らなくとも、ちょっと怖い感じ。 そして気づきました。 井戸がある幹の西側は、背後となる東側と表情が異なる。 縦皴が細かく複雑な線で赤みが強い。 揺らめく炎、オーラが立ち昇っているようだ。 陽当たりの影響だと思いますが、それだけなのかな…。印象的な大スギです。 参道の杉並木。 最大は左前方の2本株立ち (C木)。双方の幹周は3mくらいあります。 単幹で最も太いのは、山門の右手前にあるもの (B木) で、幹周は約4.9mほど。 山門と重なる根本がよい感じでした。
本堂の左前方に根差すモミジ。 幹周は約4m、県内最大級のモミジです。 個性的な樹容も見事で、何本かの幹が絡み合っているかのよう。 そして大枝の間には神秘的な窓があります。 窓の先に不可思議なものは見えるか。大中寺の八不思議目にならないかな。 ちなみに約30年ほど前、モミジの窓はもっと広かった。 そのとき幼少の私は、両親に体を支えられ、窓に頭を突っ込んで遊んだ記録があります。 罰当たりな一家…。 あれからモミジも成長し、窓は大人の腕が通るくらいの幅に狭まった。 私にとって思い出深い窓、いずれ埋まってしまうのかもしれません。
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