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椎尾山薬王院スダジイ樹叢
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 椎尾山薬王院スダジイ樹叢 [1][4] |
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幹周 | スダジイA木:5.60m [5] スダジイB木:5.02m [5] | |||
樹高 | スダジイA木:17.0m [5] スダジイB木:17.0m [5] | |||
推定樹齢 | 300~500年 [1][4] | |||
保護指定 | 茨城県指定天然記念物 | |||
所在地 | 茨城県桜川市真壁町椎尾 | |||
所在施設 | 椎尾山薬王院 | |||
撮影日・状態 | 2023.10.02 : 一部に大枝の枯損跡などがあるが樹冠は大きく樹勢は良さそう | |||
アクセス | ||||
車 | 常磐道 :谷和原ICから約40km、土浦北ICから約23km 圏央道 :常総ICから約27km 北関東道:桜川西ICから約20km | |||
電車 | JR水戸線・岩瀬駅から約18km、つくばエキスプレス・つくば駅から約23km | |||
バス | 旧酒寄駅跡、岩瀬駅からヤマザクラGOに乗車 つくば駅 (つくばセンター) からは北部シャトルに乗車、筑波山口でヤマザクラGOに乗り換え | |||
参考情報 | ■現地解説板 [1] 薬王院のスダジイ樹叢 :内容は下記雑記の最初の写真 (番号なし) を参照 [2] 薬王院の文化財 :内容は下記雑記の境内の写真06を参照 [3] 霞ヶ浦用水事業とつくし湖:内容は下記雑記のつくし湖の写真09を参照 ■外部ウェブサイト [4] 桜川市ホームページ :薬王院の情報あり [5] 巨樹巨木林データベース :当巨木の登録あり (2000年度の調査記録) ■少遠景の記録 [6] 筑波山神社の社叢 :御神木の他にもスギやスダジイなどの巨木が多い [7] 筑波山大御堂のスダジイ :筑波山の神宮寺として歴史を持つ古刹、山域で最大のスダジイかも [8] 筑波山の巨木たち :山中の巨木群、スギの他にブナ、シラカシ、モミなど [9] 雨引観音の宿椎 :桜川市、筑波連山の北にある雨引山に鎮座する古社、個性ある樹容 |
巨木と雑記.椎尾山薬王院
筑波山の西山麓にある標高256mの峰が椎尾山 [1][2][4] 。ここに座す薬王院は、奈良時代の延暦元年 (782) に開山された天台宗の古刹です。 境内は深山の霊場らしい荘厳な景観。 仁王門・本堂・三重塔をはじめとする立派な堂塔を、スダジイの巨木たちが包み込む。 境内を含む山域が天然記念物であり、巨樹巨木林DB [5] には17本も登録。 ここは県内でも特にスダジイの巨木が密集しているところ。 巨木と豊かな植生、寺社建築と芸術、霊場としての信仰と歴史、じつに素晴らしい文化財の宝庫です。
薬王院のスダジイ樹叢の中で筆頭となるのは、 仁王門の向かって右手前に根差す A木と、 三重塔の南側に根差す B木の2本でしょう。 A木は境内で最大。根本もかなりの太さがあり、門番のように威風堂々たる立姿。 背後の仁王門と重なる姿がじつに決まっています。 B木は古木ながらも整った樹容で格調高い。 背後に建つ社と相まって、境内でも特に御神木らしく映ります。 以下境内の様子。 他にも素晴らしいスダジイの巨木がたくさんあります。 (補足:スダジイのA~Eからなる番号付けは非公式なもの)
巨木と雑記.つくし湖 (南椎尾調整池)
椎尾山の西山麓にあるダム湖のようなもの。 それが通称「つくし湖」こと南椎尾調整池です。 薬王院の参拝後に立ち寄ってみました。 ダムのように谷間に造られ、下流側を堤体で塞いで貯水をなしている。 堤体の構造は土砂や石などを盛り立てたフィルダムであるようです。 堤頂部には一般も歩ける道があり、その左端 (西) からの眺めが良い。 湖面を前景として、奥に椎尾山と筑波山が重なって映る。 そして好天時には、湖面にそれらが映り込むことでしょう。 中々に良いところです。 帰り際、記念碑の隣に建つ解説板 [3] を見て、驚くことがありました (後述)。
つくし湖のことは当初、筑波山の谷筋から集めた水を貯めて、 農業用水に使っているものと見なしていました。 それが違った。 水道水と工業用水にも使われ、その水源が霞ヶ浦にあったのです。 霞ヶ浦の揚水機場 (地図リンク) から直線距離で30kmほども離れている。 そして筑波山をトンネルで抜けて、ここまで達しているというから驚きです。 何故、つくし湖こと南椎尾調整池は造られたのか。 それは筑波山周辺の各市町の、これまでの用水不足を解決する霞ヶ浦用水事業のため。 つくし湖から先はまず、つくば市と桜川市など。 やがて小貝川や鬼怒川を越えて、西の各市町へ向かいます (西端は古河市)。 つくし湖があるのは、霞ヶ浦用水路のほぼ中間地。 霞ヶ浦からの送水の遅延や、下流で水利用量が多くなった場合に、 つくし湖から放流することによって解消しているそうです。 総貯水量は56万m3あるらしい。 茨城県の南西部で暮らす人々を支える重要施設でした。 ちなみに、つくし湖から先の霞ヶ浦用水路が、 小貝川 (地図リンク) と鬼怒川 (地図リンク) を越える地点の水管橋は以下 (Googleストリートビュー)。 小貝川のものは、2連パイプのアーチ状といった面白い形をしています。 鬼怒川のものは長大で壮観。右岸の袂からは筑波山と重なります。
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