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冠稲荷のボケとクスノキ
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 冠稲荷のボケ [3][4], クスノキ |
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樹種 | ボケ (木瓜), クスノキ (楠) | |||
幹周 | ボケ:3.00m [3][4] クス:4.04m [5], 5.90m (実測) | |||
樹高 | ボケ:3.50m [3][4] クス:15.0m [5] | |||
推定樹齢 | 300~400年 [3][4] | |||
特徴 | ボケ:数百本の叢生、クス:中腹から双幹 | |||
保護指定 | 群馬県指定天然記念物 (ボケのみ) | |||
所在地 | 群馬県太田市細谷町 | |||
所在施設 | 冠稲荷神社 | |||
撮影日・状態 | 2022.08.20 : 両木ともに樹勢良好、木瓜は剪定せずに放っておいたら増殖していくのだろうか? | |||
アクセス | ||||
車 | 北関東道・太田桐生ICから約9㎞、東北道・館林ICから約23㎞ | |||
電車 | 太田駅 (JR両毛・東武伊勢崎・東武日光・東武桐生・東武小泉) から約5㎞ | |||
参考情報 | ■現地資料 [1] 神社由緒 :内容は下記雑記の写真03を参照 [2] 境内案内図 :内容は下記雑記の写真02を参照 [3] 冠稲荷のボケ :内容は上記巨木の写真06を参照 ■外部ウェブサイト [4] 冠稲荷神社ホームページ:神社由緒と木瓜について参照 [5] 巨樹巨木林データベース:クスノキの登録あり (2000年度の調査記録) ■少遠景の記録 [6] 生品神社のクスノキ :太田市、冠稲荷に縁のある新田義貞が倒幕に挙兵した地 [7] 東光寺のムクノキ :太田市、境内にムクノキが複数、最大のものは幹周5m以上が2本 [8] 浄蔵寺の大イチョウ :太田市、県内最大のイチョウ、幹周10m以上 [9] 野の大クスノキ :桐生市、単幹では県内最大のクスノキ |
巨木と雑記
群馬県の代表的な稲荷の大社が、太田市の冠稲荷神社 [4] 。創建は平安時代の後期とされる古社です。 当社を信仰した源義経と新田義貞、この両武将との縁から「冠」の社号を称しています (内容は後述)。 縁結び・子宝・子育てに霊験あらたかとされ、当日もたくさんの参拝者で賑わっていました。 参拝者には、若いカップル、子連れの夫婦も目立つ。 広い境内には幼稚園と結婚式場も併設。 厳かな境内には幸せそうな空気も満ちている。 良縁を育む神様と人々の生活が、今も強く繋がっている神社です。 冠稲荷の縁結びを象徴するのが、御神木の木瓜 (ボケ) です。 霊験の伝説については後述。 木瓜は巨木にはならない細い低木の樹種。 それが500本以上の幹を爆発的に繁茂させ、大きな一株を成している。 樹下から覗き見る根本は凄みがあり、 たくさんの実を生らせていて、強い生命力を感じさせます。 なお、この木瓜は緋色の花が咲く種類で、花期は3月中旬から4月上旬ごろ。 花期に再訪してみたい。 木瓜以外にも御神木があります。拝殿の左手前にそびえ立つ立派なクスノキ。 凛々しい整った樹容で、更なる成長を予感させる活力があります。 この大クスの存在は事前に知らなかったので驚きました。 県内にある単幹の大クスでは、野の大クスノキ [9] に次ぐものになるかもしれません。
おわりに神社由緒と木瓜の伝説について [3][4] 。神社創建は天治2年 (1125)。 下野の足利荘を拠点とした源義国が、館の鬼門の鎮護として氏神を祀ったと伝わる。 もとは八幡神を祀る神社だったのかも。 ちなみに義国は、後に新田義貞や足利尊氏を輩出した名家、新田氏と足利氏の家祖です。 次は「冠」を号する社名の由来。 承安4年 (1174)、源義経が奥州藤原氏の元へ向かう途中、当社にて宿泊。 その時、自分の曾祖父である源義親の弟、義国ゆかりの社と知る。 そして元服のときに烏帽子の中に勧請したという、伏見稲荷大社の分霊を鎮祭。 元弘3年 (1333)、新田義貞が鎌倉幕府討伐に挙兵した際、当社にて戦勝祈願。 兜の中に神霊の来臨を請うたという。 以上、義経と義貞、2つの冠に由来する故事。 江戸中期よりこの故事を人々が尊び、社名が冠稲荷神社と定まったそうです。 古くは稲荷大明神と称されていた。 最後に御神木の木瓜の伝説。永禄年間 (1558-1570) の頃。 ある子宝に恵まない婦人が、子授けの祈願に毎日参詣していた。 あるとき、婦人は境内で老修験者に出会い、悲願のことを話す。 すると修験者は、木瓜の実に効能があり、煎じて飲めばよいと伝え立ち去った。 その後、婦人は修験者の教えを守りながら日参を続けた結果、遂に懐妊。 やがて、たくさんの子を授かり家も栄えた。 この大願成就の奉謝として夫婦が神苑に植えたのが、この木瓜と伝えられています。 縁結びと子孫繁栄の御神木たる由縁。
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