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    二本木の笠松

    巨木の写真

    撮影日:2022.10.30 【01】屏風絵のモデルになりそうな風雅な佇まい、県内随一のアカマツかも 二本木の笠松-01
    【02】 二本木の笠松-02
    【03】 二本木の笠松-03
    【04】 二本木の笠松-04
    【05】 二本木の笠松-05
    【06】 二本木の笠松-06
    【07】 二本木の笠松-07
    【08】 二本木の笠松-08
    【09】 二本木の笠松-09

    巨木の基本情報

    巨木の名前 二本木の笠松 [1]
    樹種 アカマツ (赤松)
    幹周 3.10m [1], 3.50m [2]
    樹高 7.30m [1], 6.00m [2]
    推定樹齢 500年 [1]
    特徴 南に傾いた主幹、笠状の樹冠
    保護指定 矢板市指定天然記念物
    所在地 栃木県矢板市上伊佐野
    所在施設 私有地 (見学可)
    撮影日・状態 2022.10.30 : 目立つ損傷なく樹勢良好、樹冠は広く形も整っている
    アクセス
    東北道・矢板北スマートICから約8km
    電車 JR矢板駅から約10km
    参考情報 ■現地解説板
     [1] 二本木の笠松      :内容は上記巨木の写真09を参照
    ■外部ウェブサイト
     [2] 巨樹巨木林データベース :当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
     [3] 山縣有朋記念館     :当地における山縣有朋の活躍の歴史を参照
    ■少遠景の記録
     [4] 嶽山箒根神社の大杉   :那須塩原市宇都野、八方ヶ原から東の山中、県内で特に高所にある大スギ
     [5] 嶽山箒根神社遥拝殿のスギ:那須塩原市宇都野、嶽山箒根神社から東の平野部にある里宮
     [6] 木幡神社のスギ     :矢板市街地、塩谷郡の総鎮守であった古社、社叢が市の天然記念物

    巨木と雑記.栃木県を代表するアカマツ

     矢板市の北部に位置する上伊佐野の地区。 高原山から東の麓、内川を囲んで農地が広がっているところ。 当地にある二本木の笠松は、栃木県を代表するであろう見事なアカマツです。 名前の通り樹冠は広く笠状に整い、根本まで覆っている。 西側からは太く逞しい幹と枝が笠から覗き、これがじつに風雅な姿としてまとまっています。 能舞台の壁画、格式高い社寺の屏風絵になるような佇まい。 県内にアカマツの巨木は数が少なく、既に失われてしまったものもある。 姿の良さを加味して今の栃木県筆頭のアカマツかもしれません。

     笠松は明治から大正にかけて国政を主導した人物の一人、山縣有朋にも愛された老樹です。 有朋は明治19年 (1894)、官有地払下げにより取得した当地で農場経営を開始 (山縣農場)。 目的は富国のため、土地を持たない小作人を集めて開拓させた後、 その土地を与え自作農として育てること。 開拓が進んだ晩年、有朋は以下の歌を詠みました。 「かえりみぬ 人こそなけれ 伊佐野原 世に珍しき 松の姿」。 希望の農場の入口に根差す笠松は、 有朋と入植者たちにとって特別な存在だったことでしょう。

     なお笠松から西に約2.5kmほどのところには山縣有朋記念館 [3] があります。 建物は神奈川県の小田原にあった、別邸の木造洋館を移築したもの。 展示物は有朋の遺品と関連資料など。 興味のある人は見学してみてください。

    巨木と雑記.嶽山箒根神社の社叢が見える

     笠松は周囲の景観も素晴らしい。 西側には高原山の雄大な山塊がよく見えます。 見晴らしが良い場所なので、もしや?と思い山並みの北側を凝視してみる。 すると標高約1000m地点にある、嶽山箒根神社 [4] の社叢が見えるのでした。 笠松は遥拝所としてもよい。

    cm-二本木の笠松-01 【01】笠松から西側の展望、高原山の山塊。左奥が最高地点の峰、釈迦ヶ岳 (1795m) などある核心部。 右 (北) に平坦な山並み、八方ヶ原が伸びていく。
    cm-二本木の笠松-02 【02】笠松から北西寄りの展望。白枠の中に嶽山箒根神社の社叢が見える。間違いないだろう。 拡大部分の中央に見えるのは御神木だろうか。