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鷲子山上神社の千年杉
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 鷲子山の千年杉 (とちぎ名木百選) |
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樹種 | スギ (杉) | |||
幹周 | 6.78m [3], 7.07m [4] | |||
樹高 | 32.0m [3], 35.0m [4] | |||
推定樹齢 | 1000年 [2] | |||
特徴 | 真っ直ぐな単幹、箒状の樹冠 | |||
保護指定 | 町指定天然記念物、とちぎ名木百選 | |||
所在地 | 栃木県那須郡那珂川町矢又茨城県常陸大宮市鷲子 | |||
所在施設 | 鷲子山上 (とりのこさんしょう) 神社 | |||
撮影日・状態 | 2022.11.19 : 北側の表皮の剥離、頭頂部の折損などあるらしいが、樹勢は全体的に良い様子とみえる | |||
アクセス | ||||
車 | 東北道・矢板ICから約35km、常磐道・水戸北ICから約44km (注意:参拝者が一方通行がマナーとされる道路の区間あり、詳細は地図参照) | |||
電車 | JR鳥山線・鳥山駅から約13km、JR水戸線・常陸大宮駅から約29km | |||
参考情報 | ■現地解説板 [1] 日本の自然百選・鷲子山:内容は下記雑記の写真01を参照 ■外部ウェブサイト [2] 鷲子山上神社公式サイト:神社の由緒や境内について参考 [3] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (1988年度の調査記録) [4] 日本の巨樹巨木 :高橋弘氏の全国の巨木を紹介するサイト、当巨木の情報あり ■少遠景の記録 [5] 鷲子山上神社のカヤ :常陸大宮市、鷲子山上神社の茨城県側にあるカヤ古木 [6] 富山諏訪神社のスギ :那珂川町、江戸初期創建の富山地区の鎮守、狛犬が笑顔 [7] 岩根田神社のクスノキ :那珂川町、山中の磐座に根差す御神木 [8] 野木神社のイチョウ :野木町、境内にあるケヤキの巨木にフクロウが営巣、フクロウ雛の写真あり |
巨木と雑記.巨樹茂る県境の霊山
栃木県の東端、茨城県との境に広がる八溝山地。 その中央部分にある、標高463mの峰が鷲子山 (とりのこさん) です。 山頂には平安時代に創建された鷲子山上神社 [1][2] が鎮座。古くは山岳修験の霊山とされ、江戸時代を通しても大いに興隆しました。 現在も開運や厄除けに、霊山の神気を感じに、大勢訪れる参拝者たち。 その興味はこの神社の珍しい特徴にもあるでしょう。 それは山の主稜線となる境内中央、 ちょうど大鳥居と随身門から本殿の真下を県境が通っていること。 境内北は栃木県の那珂川町、境内南は茨城県の常陸大宮市。 一つの神社でも二つの県に分かれた宗教法人であり、文化財は両県ともに登録さています。 鷲子山上神社の境内はじつに霊山らしい景観。 スギの巨木群に包まれた神気あふれる雰囲気です。 幹周4mを超えるものは10本はあることでしょう。 その中で筆頭となるのは、本殿横にそびえ立つ御神木の千年杉。 流石の堂々たる立姿です。 楼門横から映る本殿を背にした逞しい根本と、 拝殿前から見仰ぐ樹冠が特に神々しく映りました。 なお随身門から南へ下ったところには、 茨城県の天然記念物に指定されているカヤ巨木 [5] もあります。以下、境内の様子です。
おわりに神社由緒について [1][2] 。創建は平安時代初期の大同2年 (807)、大蔵坊宝珠上人による創祀。 上人は諸国を遍歴中、阿波国 (徳島県) で習得した紙漉の技術を当地に伝授。 紙漉の守護神ともされた天日鷲命を勧請、鷲子山に社殿を建立したとされます。 勧請元は徳島県の忌部神社 (地図リンク) かもしれません。 時代はくだって鎌倉時代になると、源頼朝から社殿修理の寄進を受け、地元豪族たちからも崇敬。 室町時代には常陸国側の領主である佐竹氏、 下野国側の領主で宇都宮氏の一族である武茂氏からそれぞれ庇護。 国は違えど鎮守は同じ。 この霊山のおかげで、戦など回避できた荒事は多かったかもしれません。 江戸時代になると幕府より、朱印地と除地 (免税地) を授与。 下野国の矢又村、常陸国の鷲子村から鎮守とされ、近郷の村々にも広く信仰されたそうです。 当地を潤した製紙業の守護神。 今でも製紙関係の企業の人が参詣していそう。 ちなみに、近年ではフクロウの神社としても知られるようになりました。 当地に多く生息するというフクロウは、御祭神の天日鷲命の神使。 本殿の昔の鎮座地である本宮神社の前には、巨大なフクロウ像が建っています。
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