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    岩根田神社のクスノキ

    巨木の写真

    撮影日:2022.11.19 【01】磐座に根差す山神の御神木 岩根田神社のクスノキ-01
    【02】 岩根田神社のクスノキ-02
    【03】 岩根田神社のクスノキ-03
    【04】 岩根田神社のクスノキ-04
    【05】 岩根田神社のクスノキ-05

    巨木の基本情報

    巨木の名前 岩根田神社のクスノキ [1]
    樹種 クスノキ (楠)
    幹周 不明 (約4m)
    樹高 不明 (15m以上)
    推定樹齢 不明
    特徴 単幹、枝下が高い、傾斜地
    保護指定 那珂川町指定天然記念物
    所在地 栃木県那須郡那珂川町富山
    所在施設 岩根田神社
    撮影日・状態 2022.11.19 : 樹勢は良好、樹冠は周囲の木々に圧迫され気味、幹周を計測せず (根元を荒らしそうなので)
    アクセス
    東北道・矢板ICから約31km
    電車 JR鳥山線・鳥山駅から約10km
    参考情報 ■外部ウェブサイト
     [1] 那珂川町ホームページ :当巨木の情報あり
     [2] 巨樹巨木林データベース:当巨木は未登録 (2022年11月時点)
    ■少遠景の記録
     [3] 鷲子山上神社の千年杉 :那珂川町、茨城県との県境にある鷲子山に鎮座する古社
     [4] 富山諏訪神社のスギ  :那珂川町、江戸初期創建の富山地区の鎮守、狛犬が笑顔
     [5] 八幡山のクスノキ   :宇都宮市、八幡山公園にある県内最大のクスノキ

    巨木と雑記

     富山地区の総鎮守である諏訪神社 [4] から、東へ約3kmほど離れた山中。 町道から山道へ分け入いった奥地、巨岩のもとに建つ社が岩根田神社です。 社の背後にそびえ立つ御神木は、町指定天然記念物のクスノキ。 郷内の人でもあまり訪れないであろう密やかなところ。 国土地理院地図にも表記がありません。 県内にある隠れた巨木スポットのひとつです。嬉しい発見でした。

     静かなる山中の磐座を祀る社。 傍らには大クスが寄り添う、中々に神秘的な景観のところです。 大クスの姿は真っ直ぐな単幹。 急斜面で踏ん張る根本が、大いに隆起して見事。 山中の立地と樹皮の質感から、中腹までの佇まいはモミの巨木に似ています。 暖地性の樹種であるクスノキの巨木は、北関東では希少。 それもこんな山奥で、よくぞこれほど成長できたものです。 周囲の景観を含めて、素晴らしい大クスでした。

    cm-岩根田神社-01 【01】岩根田神社の社殿の前。左側に巨岩の磐座。背後に御神木のクスノキ。
    【02】 cm-岩根田神社-02
    【03】 cm-岩根田神社-03
    【04】 cm-岩根田神社-04
    【05】 cm-岩根田神社-05
    【06】 cm-岩根田神社-06
    【07】 cm-岩根田神社-07
    【08】 cm-岩根田神社-08
    【09】 cm-岩根田神社-09



     岩根田神社の由緒について。 確かな情報が見つからず、祭神さえ明確に分かりませんでした。 那珂川町ホームページには、町指定文化財一覧にクスノキがあるのみ。 町の図書館で郷土史を調べれば、何か分かるかもしれません。 ちなみに「岩根」という社名の神社は全国各地に点在していて、その祭神は様々。 埼玉県の長瀞町にある岩根神社 (地図リンク) の場合、祭神は大山祇命です。

     栃木県内に似た社名の神社があります。 栃木市内にある磐根神社 (地図リンク) 。主祭神は磐裂 (いわさく) 命、根裂 (ねさく) 命 の二柱。 そして県内には、この二柱を祀る神社が複数あり、社名の殆どが磐裂神社。 この神社が多い理由には、日光修験の影響があるようです。 勝道上人の日光開山には、この二柱の神護があったとされる。 日光市内には勝道上人が創建した磐裂神社 (地図リンク) もあるそうです。

     岩根田神社の正体。 それは県内に多い磐裂命と根裂命の二柱を祀る神社で、 二柱を合わせた社名が訛り、現在のものとなったのでは。 「田」の部分は何だろう…。 創建年代は寛永年間 (1624-1655) 以降か。 この時期に富山地区の開拓が始まり、諏訪神社が創建されたというからです。 以上、考察でした。