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大久保の大ケヤキ
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 大久保の大ケヤキ [1][2] |
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樹種 | ケヤキ (欅) | |||
幹周 | 9.40m [1][2], 9.26m [3] | |||
樹高 | 20.0m [1][2], 25.0m [3] | |||
推定樹齢 | 不明 | |||
特徴 | 根本肥、低い樹高、ずんぐりした樹形 | |||
保護指定 | 埼玉県指定天然記念物 | |||
所在地 | 埼玉県さいたま市桜区大久保領家 | |||
所在施設 | 日枝神社 | |||
撮影日・状態 | 2022.01.08 : 主幹は地上高6m付近から先を欠損、空洞あり、根本の環境は良くないが強い生命力を感じる | |||
アクセス | ||||
車 | 首都高大宮線・浦和南ICから約6km、東北道・浦和ICから約14㎞ | |||
電車 | JR埼京線・南与野駅から約3㎞ | |||
バス | 本村バス停、国際興業バスの南与野駅西口発の路線 (南与02、志03-3、北朝02) | |||
参考情報 | ■現地解説板 [1] 大久保の大ケヤキ :内容は上記の写真09を参照 ■外部ウェブサイト [2] さいたま市ホームページ:当巨木の情報あり [3] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2000年度の調査記録) [4] 今昔マップ :埼玉大学教育学部教授、谷謙二氏の新旧の地図を比較閲覧できるサイト [5] 国立国会図書館DC :大日本老樹名木誌を閲覧可能 ■少遠景の記録 [6] 大久保神社のケヤキ :さいたま市桜区、最寄りの巨木 [7] 与野の大カヤ :さいたま市中央区、県内最大のカヤ巨木 (国天) |
巨木と雑記.埼玉県で最大のケヤキ
さいたま市の南西端にある、荒川左岸に面した桜区 (旧浦和市大久保)。 この地区の中心に鎮座する、日枝神社の御神木が大ケヤキ。 巨樹巨木林DB [3] に登録されているケヤキでは、幹周が県内で最大のものです (2022年1月時点)。 大ケヤキの姿は個性的。 幹周は9m以上に達して根本はすこぶる肥大。 比べて樹高は低く、ずんぐりしている。 主幹上部を欠損し内部に空洞があるものの、さほど樹勢の衰えを感じさせない。 強い生命力と神秘を感じさせるこの姿に、私は遮光器土偶を重ねました。 昔の人々も大ケヤキの豊満な巨体に、豊穣神の姿を重ねたのかもしれません。 ちなみに昔は「ハバキ様」と呼ばれていたそう [1]。 アラハバキ神の依代として信仰されたのか (荒波々幾、荒脛巾など)。 明治以前の昔は、アラハバキ神を祀る神社だったのかも。
巨木と雑記.昔の大ケヤキ
ここは県庁のあるJR浦和駅の西口から、西へ直線で約5㎞離れたところ。 それでも埼玉大学を囲む密集した住宅地の中。 根本も道路で固められ、大ケヤキにとっては窮屈な住処となっています。 昔の周囲の風景が気になり、今昔マップ [4]で調べてみました。 以下画像をご参考に。 1961-1964年の航空写真と見比べることができます。 予想通り、当時は田園地帯の中央にある鎮守の杜であった。 しかし驚いたのが、約60年経過した今と、樹冠の規模があまり変わっていないように見える。 主幹上部を落雷などにより失ったのは、そうとう昔のことであったようです。
続きます。更に昔の大ケヤキ。 主幹が健全だった頃の樹高はどれほどか気になります。 根本の太さから30mは超えていたかもしれない そこで更に昔の資料を調べてみました。 大正2年 (1913) に出版された大日本老樹名木誌 [5] 。林学博士である本多静六氏が調査した、全国から1500本もの巨木情報が記された名著。 当大ケヤキも記されていました。以下抜粋 (265ページ目)。 ・番号:1048 ・名前:領家ノ大欅 ・所在:埼玉県北足立郡大久保村大字領家、日枝神社 ・周囲:2丈3尺 (地上5尺) ・樹高:4間 ・樹齢:不詳 100年と少し前の記録。 メートル換算すると、幹周は約9.7m、樹高は約7.27m。 驚きました。現在より樹高が低かったとは。 当時から既に主幹上部を失っていて、今より損傷が大きかったのか。 100年かけて傷を癒し、現在の豊満な体を練り上げたのです。 このことを考えると、もう少し大ケヤキに優しい環境づくりを、と感じてしまいます。 まことに身勝手なことですが。
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