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    宇和田公園のエノキ

    巨木の写真

    撮影日:2025.07.16 【01】本多静六博士が設計した公園に息づくエノキ、幸手市で最大の巨木かも 宇和田公園のエノキ-01
    【02】A木 宇和田公園のエノキ-02
    【03】A木 宇和田公園のエノキ-03
    【04】A木 宇和田公園のエノキ-04
    【05】A木 宇和田公園のエノキ-05
    【06】A木 宇和田公園のエノキ-06
    【07】A木 宇和田公園のエノキ-07
    【08】B木 宇和田公園のエノキ-08
    【09】B木 宇和田公園のエノキ-09
    【10】B木 宇和田公園のエノキ-10
    【11】B木 宇和田公園のエノキ-11
    【12】B木 宇和田公園のエノキ-12
    【13】B木 宇和田公園のエノキ-13

    巨木の基本情報

    巨木の名前 宇和田公園のエノキ (仮)
    樹種 エノキ (榎)
    幹周 A木:5.20m (実測)
    B木:4.40m (実測)
    樹高 A木:不明 (15m以上)
    B木:不明 (20m以上)
    推定樹齢 不明
    保護指定 不明
    所在地 埼玉県幸手市上宇和田 (宇和田公園)
    撮影日・状態 2025.07.16 : AB両木とも樹勢良し、公園の造成時に植えたのなら樹齢は100余年くらいか
    アクセス
    圏央道・幸手ICから約5km、五霞ICから約3km
    電車 東武日光線・幸手駅から約6km
    東武動物公園駅 (東武伊勢崎線・東武日光線・スカイツリーライン) から約8km
    バス ひばりが丘工業団地入口、朝日バスの境車庫線、東武動物公園駅から
    参考情報 ■現地資料
     [1] 宇和田公園      :内容は下記雑記の宇和田公園の写真01を参照
     [2] 庄内古川改修記念碑  :内容は下記雑記の宇和田公園の写真03を参照
    ■外部ウェブサイト
     [3] 幸手市ホームページ  :宇和田公園について参考
     [4] 巨樹巨木林データベース:当巨木は未登録 (2025年7月時点)
     [5] 今昔マップ      :埼玉大学教育学部教授、谷謙二氏の新旧の地図を比較閲覧できるサイト
    ■少遠景の記録
     [6] 権現堂桜堤と巨木   :幸手市、県内屈指の桜の名所、桜並木の中にあるヒマラヤスギとエノキ
     [7] 臨川庵の地蔵イチョウ :幸手市、江戸川沿いにある御堂、幹に地蔵が彫られている
     [8] 木立香取神社のアカマツ:幸手市、宇和田公園から近い
     [9] 幸福寺のサイカチ   :久喜市、県内最大級のサイカチ、本多静六記念館も紹介

    巨木と雑記.宇和田公園

     幸手市の北東端に位置する地区、上宇和田にある宇和田公園 [1] [2] 。土盛りのある東西に細長い構造は、旧権現堂川の堤の跡であるため。 往時は西側の権現堂桜堤 [6] から続いていました。 この公園は大正6年 (1917)、林学博士の本多静六氏による設計です。 本多博士は出身が現在の久喜市であり、林学・造林・造園の第一人者として活躍。 全国各地の公園の設計も手掛けて「日本の公園の父」と呼ばれました。 その本多博士が手がけた、素晴らしい公園が幸手市にも残っている。 たくさんの植栽された樹木は大木へと育ち、 堤を気持ちの良い緑のトンネルで覆っています。

     公園内の樹木のうちで大きなものが多いのは、イチョウやクスノキ、そしてエノキです。 エノキのA木とB木の2本は特に大きく、じつは幸手市内で最大の巨木は、 A木となるかもしれません。本多博士からの贈り物。県内有数のエノキに育ちつつあります。

    cm-宇和田公園-01 【01】宇和田公園の解説板。
    【02】 cm-宇和田公園-02
    【03】 cm-宇和田公園-03
    【04】 cm-宇和田公園-04
    【05】 cm-宇和田公園-05
    【06】 cm-宇和田公園-06
    【07】 cm-宇和田公園-07
    【08】 cm-宇和田公園-08
    【09】 cm-宇和田公園-09



     参考までに宇和田公園で確認できた樹木の種類について。 19種でしたが、実際にはもう少し多そうです。 エノキとムクノキは、落ちた実や鳥の落としもので、自然発生した個体もありあそう。

     ・常緑広葉樹:キンモクセイ、クスノキ、ツバキ、マテバシイ、モチノキ、ヤマモモ
     ・落葉広葉樹:イロハモミジ、イチョウ、エノキ、クヌギ、ケヤキケ、コブシ、ソメイヨシノ、
            ハリエンジュ、ムクノキ、ヤマザクラ
     ・常緑針葉樹:イトヒバ、サワラ、ヒノキ

    巨木と雑記.庄内古川と中川

     宇和田公園には庄内古川改修記念碑 [2] があります。じつは宇和田公園は、現在は中川となった庄内古川の流頭に位置していたのです。 庄内古川は、江戸時代初頭の利根川の東遷事業の以前は、利根川本流の一部。 宇和田公園の辺りから南下し、松伏町の金杉から、 概ね現在の江戸川の流路 (太日川) を南下し、江戸湾 (東京湾) へ注いでいました (江戸川の下流は太日川の流路を活用した)。 利根川の東遷事業完了後は、流頭を締切り、流域は農地として開拓され排水路に。 明治時代には杉戸町椿に発し、三郷市長戸呂 (鷹野1丁目) にて江戸川へ注いでいました。

     現在の中川上流は、かつて島川と権現堂川であり、下流が庄内古川を改修した流路です。 庄内古川の流域は江戸川と古利根川に挟まれ、他の水路も流れる平坦な低地。 権現堂川は流頭が利根川で水量が多く、江戸川の流尾は狭いので水位が高くなり、 上流の島川も含めて水流が停滞。 このため、3河川の流域は排水がままならず、水害に遭うことも多かった。 そして宇和田公園と同じく大正6年 (1917)、大規模な改修工事に着手。 権現堂川の流頭と流尾を締切り、下流の庄内古川を改修して接続するものであり、 当時の工事は昭和2年 (1927) 頃までかかったそうです。 宇和田公園に治水の歴史あり。

    cm-庄内古川と中川-01 【01】新旧の地理院地図を比較できる今昔マップ[5] より引用。左側が明治45年 (1912) 発行版で右側が最新版。 丸印の宇和田公園の位置は堤防のままであり、中川が無いことが分かる。
    cm-庄内古川と中川-02 【02】宇和田公園を中心とした中川と周辺河川の図。 宇和田公園の所から杉戸町椿の庄内古川まで掘削して接続した。 左図に利根川東遷移が始まる頃の庄内古川と古利根川の大凡の流路も示した。