• TOP
  • 巨木
  • 登山
  • 渡良瀬
  • 旅日記
  • 更新履歴
  • PR
  • 巨木TOP / 埼玉 / 幸福寺のサイカチと本多静六記念館

    幸福寺のサイカチと本多静六記念館

    巨木の写真

    撮影日:2023.10.06 【01】県内最大級のサイカチ、林学博士の本多静六氏に所縁の巨木 幸福寺のサイカチ-01
    【02】 幸福寺のサイカチ-02
    【03】 幸福寺のサイカチ-03
    【04】 幸福寺のサイカチ-04
    【05】 幸福寺のサイカチ-05
    【06】 幸福寺のサイカチ-06
    【07】 幸福寺のサイカチ-07
    【08】 幸福寺のサイカチ-08
    【09】 幸福寺のサイカチ-09

    巨木の基本情報

    巨木の名前 幸福寺のサイカチ (仮)
    樹種 サイカチ (皀莢)
    幹周 4.20 [6]
    樹高 8.00m [6]
    推定樹齢 400年 [2]
    特徴 南北の2本株立ち
    保護指定 不明
    所在地 埼玉県久喜市菖蒲町河原井
    所在施設 幸福寺
    撮影日・状態 2023.10.06 : 南側の主幹に空洞と大枝の枯損、全体的に見て樹冠は大きく、強い生命力を感じさせる
    アクセス
    圏央道・白岡菖蒲ICから約2km、東北道・久喜ICから約6km
    電車 久喜駅 (JR宇都宮線・JR湘南新宿線・東武伊勢崎線) から約7km
    参考情報 ■現地解説板
     [1] 円空作木造不動明王坐像:内容は下記雑記 (幸福寺) の写真03を参照
     [2] 幸福寺の皀莢     :内容は下記雑記 (幸福寺) の写真04を参照
     [3] 本多静六出生の地の碑 :内容は下記雑記 (幸福寺) の写真05を参照
     [4] 本多静六の経歴    :内容は下記雑記 (本多静六記念館) の写真05-06-07を参照
    ■外部ウェブサイト
     [5] 久喜市ホームページ  :本多静六記念館の詳細について
     [6] 巨樹巨木林DB    :当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
     [7] 国立国会図書館DC  :本多静六氏の著書「大日本老樹名木誌」は永久的識別子「951274」
    ■少遠景の記録
     [8] 清福寺の大イチョウ  :久喜市内で最大の巨木、本多静六記念館で紹介されている
     [9] 上谷の大クス     :埼玉県で最大の巨木、本多静六記念館で紹介されている
     [10] 首賭けイチョウ    :東京都の日比谷公園、本多静六氏が移植したもの

    巨木と雑記.幸福寺とサイカチ

     久喜市の南部、圏央道の白岡菖蒲ICに近い河原井の地区。 当地にある曹洞宗の古刹が天徳山幸福寺 [1] [2] 。開山は元亀2年 (1571) と伝わり、寺宝には円空作の不動明王像があります。 旧河原井村の中心的存在であり、明治期には遠方からも大勢の信者が来訪。 目当ては寺で処方した五香湯という漢方薬でした。 原料はニンドウ (忍冬)、コウボク (厚朴)、コウブシ (香附子)、カンゾウ (甘草)。 それにサイカチの花と根を調合したものらしい。 万病に効くという、妙薬の材となり人々を救ったサイカチ。 その巨木が今も寺の門前に根差しています。 この樹種では県内最大級。 寺の開山時に植えられたであろう、古木らしい貫禄ある佇まい。 そして当地出身の偉人である本多静六氏 [3] に所縁のある巨木です。

    cm-幸福寺-01 【01】幸福寺の本堂。
    【02】 cm-幸福寺-02
    【03】 cm-幸福寺-03
    【04】 cm-幸福寺-04
    【05】 cm-幸福寺-05



     本多静六氏 [3] について。慶應2年 (1866)、当地の旧河原井村の折原家に誕生。 大成して東京帝国大学農科大学の教授および林学博士となり、 林学・造林・造園の第一人者として活躍。 全国各地の公園の設計も手掛けて「日本の公園の父」と呼ばれました。 数多くの名著を残し、その中に「大日本老樹名木誌」があります。 国内だけでなく、朝鮮半島と台湾にまでおよぶ巨木を記録したもの。 国内初の本格的な巨木集覧の書籍でしょう。 その名著は有難いことに、国立国会図書館のウェブサイト [7] で閲覧可能。現在は失われてしまった、多くの巨木も知ることができます。

     さて静六氏とサイカチのエピソードについて [4] 。明治5年 (1872)、幸福寺に開設した河原井小学校に入学していた頃。 静六少年は腕白盛りのガキ大将。 あるとき、サイカチに鳥のカケスが巣をつくり雛を育てていた。 静六少年は登って巣を獲ろうとしたが、親鳥に反撃され転落。 これを幸福寺の洞学和尚に 「子を思う親心は鳥ですらあの通りある、 悪戯がすぎて親に心配をかけてはいかん」 と戒められ反省。 晩年まで和尚の教えを覚えていたそうです。

    巨木と雑記.本多静六記念館

     久喜市内には本多静六氏の記念館があります。 場所は幸福寺から北西に直線距離で約3km。 旧菖蒲町の役場であった建物、菖蒲行政センターの5階に開設されています。 この記念館には、静六氏の経歴と功績を紹介するパネルや、所持品・著書・写真などが展示。 また巨木に関係する資料もあるので、興味のある人は見学に訪れてみてください。

    cm-本多静六記念館-01 【01】久喜市菖蒲行政センター。 5階の右側、窓の無いあたりに本多静六記念館の部屋がある。
    cm-本多静六記念館-02 【02】本多静六記念館の館内の様子。 中央の円形に組まれた展示パネルに、静六氏が設計した各地の公園の写真など。 左奥に経歴と功績などのパネル。
    【03】 cm-本多静六記念館-03
    【04】 cm-本多静六記念館-04
    【05】 cm-本多静六記念館-05
    【06】 cm-本多静六記念館-06
    【07】 cm-本多静六記念館-07
    【08】 cm-本多静六記念館-08
    【09】 cm-本多静六記念館-09
    【10】 cm-本多静六記念館-10
    【11】 cm-本多静六記念館-11
    【12】 cm-本多静六記念館-12
    【13】 cm-本多静六記念館-13
    【14】 cm-本多静六記念館-14

    巨木と雑記.本多静六博士生誕地記念園

     おわりに久喜市内の本多静六博士生誕地記念園を紹介。 場所は幸福寺から北東に約1kmのところ。 記念園には静六氏の立派な銅像が建ち、 背後には記念樹のイチョウが根差しています。 この若い記念樹は、静六氏が東京都の日比谷公園に移植した巨木、 首賭けイチョウ [10] の分木。 幸福寺から本多静六記念館のある、菖蒲行政センターに向かう途中にでも立ち寄ってみてください。

    cm-本多静六博士生誕地記念園-01 【01】銅像の背後に首賭けイチョウの分木。 左に静六氏が設計した各地の公園の表示。
    cm-本多静六博士生誕地記念園-02 【02】首賭けイチョウの名の由来。 明治32年 (1899) に道路拡張のため、一本の大イチョウが伐採されることに。 静六氏は伐採に猛反対し「自分の首を賭けても移植させる」と行動を起こした。
    cm-本多静六博士生誕地記念園-03 【03】静六氏が設計した各地の公園の表示。 東京都では、日比谷公園と明治神宮の社叢。 埼玉県では、さいたま市の大宮公園 (氷川神社)、秩父氏の羊山公園など。