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    坂野家住宅の庭木

    巨木の写真

    イヌマキ (2022.12.09) 【01】国指定重要文化財の坂野家住宅で最古とみられる庭木 坂野家住宅のイヌマキ-01
    【02】 坂野家住宅のイヌマキ-02
    【03】 坂野家住宅のイヌマキ-03
    【04】 坂野家住宅のイヌマキ-04
    【05】 坂野家住宅のイヌマキ-05
    クスノキ (2022.12.09) 【01】書院の背後にそびえ立つクスノキは庭木で最大となる 坂野家住宅のクスノキ-01
    【02】 坂野家住宅のクスノキ-02
    【03】 坂野家住宅のクスノキ-03
    【04】 坂野家住宅のクスノキ-04
    【05】 坂野家住宅のクスノキ-05

    巨木の基本情報

    巨木の名前 坂野家住宅のイヌマキ / クスノキ (仮)
    幹周 イヌマキ:不明 (約3m)
    クスノキ:不明 (約4m)
    樹高 イヌマキ:不明 (10m以上)
    クスノキ:不明 (20m以上)
    推定樹齢 イヌマキ:不明 (200年以上)
    クスノキ:不明 (150年以下)
    保護指定 国指定重要文化財
    所在地 茨城県常総市大生郷町
    所在施設 水海道風土博物館・坂野家住宅
    撮影日・状態 2022.12.09 : 2本とも目立つ損傷なく樹勢良し、特にクスノキは更に太く成長しそう
    アクセス
    圏央道・常総ICから約6km、坂東ICから約8km、常磐道・谷和原ICから約14km
    電車 常総線・三妻駅から約5km
    参考情報 ■現地資料
     [1] 坂野家住宅の案内板  :内容は下記雑記の写真01を参照
    ■外部ウェブサイト
     [2] 常総市ホームページ  :坂野家住宅の詳細について参照
     [3] 巨樹巨木林データベース:当巨木は未登録 (2022年12月時点)
    ■少遠景の記録
     [4] 安楽寺のカヤ     :常総市、風格あるカヤ古木、境内はロケ地にも利用
     [5] 弘経寺の来迎杉    :常総市、市内で最大のスギ
     [6] 峯薬師の大椎     :常総市、近くにある豊田城 (地域交流センター) も紹介

    巨木と雑記.坂野家住宅と庭木

     常総市内を代表する古民家の坂野家住宅 [1][2] 。市域の中央西部、近くの安楽寺 [4] や弘経寺 [5] と同じく、鬼怒川右岸の段丘上 (猿島台地) にあります。 坂野家は500年もの昔に土着したという旧家で、 江戸時代には大生郷村の名主を務めました。 享保年間 (1716-1736) に行われた大規模な新田開発 (飯沼新田) では、 村々をまとめ大いに活躍。 また文化人を招いて援助をするなど、 当地の産業・文化・芸術の振興に貢献したという名家です。

     現代、そんな坂野家の大屋敷は、国指定重要文化財となり、 常総市の風土博物館として保存活用。 江戸時代の古建築であり、お殿様の館のような立派な主屋をはじめ、 風雅な庭園を見学することができます。 そして庭木には、イヌマキやクスノキなどの巨木もある。 常総市のじつに素晴らしい、古民家の博物館であり美術館です。 なお、市内の博物館では、豊田城 [6] もお勧め。 城を模した多目的施設で、内部に郷土史の資料展示室が併設。 7階の天守閣は眺めの良い展望室です。

    cm-坂野家住宅-01 【01】駐車場に建つ解説板より。
    cm-坂野家住宅-02 【02】解説板から明治23年 (1890) に描かれた屋敷の銅版画 を拡大。 建物の配置は現在とほぼ変わらない。 書院は大正初期に建替えられた。裏庭には巨木があったようだ。


     屋敷内にある巨木について。 巨樹巨木林DB [3] に登録されているのは、 以下6本 (2000年度の調査記録)。 本ページで筆頭として紹介する巨木、イヌマキとクスノキは未登録。 以下で最大となるシラカシは、屋敷を囲む板塀の南西端、 竹林に面しているものと見えます。 ケヤキも竹林内にあるものか。 ムクノキのうち一本は、表門前にあるものです。

     (ID / 樹種 / 幹周/ 樹高)
     ・9230 / ムクノキ / 3.67m / 25.0m
     ・9231 / シラカシ / 4.55m / 25.0m
     ・9232 / クヌギ  / 3.10m / 18.0m
     ・9233 / ケヤキ  / 3.75m / 22.0m
     ・9234 / ムクノキ / 3.15m / 18.0m
     ・9235 / ムクノキ / 3.53m / 20.0m

     イヌマキとクスノキの樹齢について。 明治23年 (1890) の屋敷を描いた銅版画より推察。 主屋の右後方には、イヌマキらしき姿がある。 また幹に風格があるため、樹齢は200年以上あるとみえます。 クスノキについては、銅版画に姿が見えない。 このため150年未満ではないかと考えられます。 ちなみに、明治期には裏庭に巨木があったらしい。 広葉樹っぽい姿なので、樹種はケヤキだったりして。 現在、その巨木の痕跡はありません。 近くには稲荷神社とカヤの若木があります。

    巨木と雑記.主屋と書院

     坂野家住宅の主屋と書院の内部の様子です。 まず主屋。総茅葺の平屋で建坪面積は約396平方m (約120坪)。 武家屋敷のように重厚な造りです。 最も古いのは北側の広い土間と、中央の土間に面した囲炉裏の間と広間。 江戸中期頃の建造とされます。 江戸後期に接客用にもなる、いくつかの座敷と書院が増築されました。 書院は大正9年 (1920)、瓦葺の木造2階に建替え。 建坪面積は約180平方m (約55坪)。 1階の縁側と2階の窓から、庭の眺めがとても良い。 特別な接待や祝いの席、文化人を招いての講演など、雅な催が開かれたことでしょう。

    cm-坂野家住宅-01 【01】主屋外観。正面奥に土間に面した内玄関。 その左側に面して、主人や貴賓が通る表玄関がある。 建物の右半分は、広い土間でほぼ占めている。
    【02】 cm-坂野家住宅-02
    【03】 cm-坂野家住宅-03
    【04】 cm-坂野家住宅-04
    【05】 cm-坂野家住宅-05
    【06】 cm-坂野家住宅-06
    【07】 cm-坂野家住宅-07
    【08】 cm-坂野家住宅-08
    【09】 cm-坂野家住宅-09
    【10】 cm-坂野家住宅-10
    【11】 cm-坂野家住宅-11
    【12】 cm-坂野家住宅-12
    【13】 cm-坂野家住宅-13

    巨木と雑記.庭の様子

     次に前庭と裏庭の様子です。 まず前庭。中央にはドウダンツツジ、ツゲなどが配置。 南端にはスダジイやヒノキの大木があり、自然の山林のような風格もあります。 特に書院2階の窓からの眺めが素晴らしい。 訪れたのは冬。新緑の時期に再訪したくなりました。 裏庭は前庭に比べてプライベートな雰囲気。 書院のすぐ背後に、庭木では最大となるクスノキがそびえ立つ。 中央に建つ白壁の文庫蔵が目を引きます。 奥には屋敷神とされる稲荷社。 その傍らには、根本に石碑や石塔が置かれたカヤもありました。

    cm-坂野家住宅-01 【01】前庭から書院正面の観。主屋に比べてモダンな造りである。大正9年 (1920) の建築。
    【02】 cm-坂野家住宅-02
    【03】 cm-坂野家住宅-03
    【04】 cm-坂野家住宅-04
    【05】 cm-坂野家住宅-05
    【06】 cm-坂野家住宅-06
    【07】 cm-坂野家住宅-07
    【08】 cm-坂野家住宅-08
    【09】 cm-坂野家住宅-09
    【10】 cm-坂野家住宅-10
    【11】 cm-坂野家住宅-11
    【12】 cm-坂野家住宅-12
    【13】 cm-坂野家住宅-13

    巨木と雑記.竹林の様子

     坂野家住宅は屋敷だけでなく、周辺環境も里山のように整えられています。 特に映えるのは広い竹林。 藪のように荒れておらず、程よい明るさで見通しが良い。 江戸時代の主屋と併せて、往古の世界にタイムスリップしたかのような心地が味わえました。 なるほど、数多くの時代劇のロケ地になったというのも納得。 坂野家住宅、巨木抜きにしても大いに楽しませて貰いました。

    cm-坂野家住宅-01 【01】屋敷の西側に広がる竹林の外観。
    【02】 cm-坂野家住宅-02
    【03】 cm-坂野家住宅-03
    【04】 cm-坂野家住宅-04
    【05】 cm-坂野家住宅-05
    【06】 cm-坂野家住宅-06
    【07】 cm-坂野家住宅-07
    【08】 cm-坂野家住宅-08
    【09】 cm-坂野家住宅-09