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坂野家住宅の庭木
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 坂野家住宅のイヌマキ / クスノキ (仮) |
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幹周 | イヌマキ:不明 (約3m) クスノキ:不明 (約4m) | |||
樹高 | イヌマキ:不明 (10m以上) クスノキ:不明 (20m以上) | |||
推定樹齢 | イヌマキ:不明 (200年以上) クスノキ:不明 (150年以下) | |||
保護指定 | 国指定重要文化財 | |||
所在地 | 茨城県常総市大生郷町 | |||
所在施設 | 水海道風土博物館・坂野家住宅 | |||
撮影日・状態 | 2022.12.09 : 2本とも目立つ損傷なく樹勢良し、特にクスノキは更に太く成長しそう | |||
アクセス | ||||
車 | 圏央道・常総ICから約6km、坂東ICから約8km、常磐道・谷和原ICから約14km | |||
電車 | 常総線・三妻駅から約5km | |||
参考情報 | ■現地資料 [1] 坂野家住宅の案内板 :内容は下記雑記の写真01を参照 ■外部ウェブサイト [2] 常総市ホームページ :坂野家住宅の詳細について参照 [3] 巨樹巨木林データベース:当巨木は未登録 (2022年12月時点) ■少遠景の記録 [4] 安楽寺のカヤ :常総市、風格あるカヤ古木、境内はロケ地にも利用 [5] 弘経寺の来迎杉 :常総市、市内で最大のスギ [6] 峯薬師の大椎 :常総市、近くにある豊田城 (地域交流センター) も紹介 |
巨木と雑記.坂野家住宅と庭木
常総市内を代表する古民家の坂野家住宅 [1][2] 。市域の中央西部、近くの安楽寺 [4] や弘経寺 [5] と同じく、鬼怒川右岸の段丘上 (猿島台地) にあります。 坂野家は500年もの昔に土着したという旧家で、 江戸時代には大生郷村の名主を務めました。 享保年間 (1716-1736) に行われた大規模な新田開発 (飯沼新田) では、 村々をまとめ大いに活躍。 また文化人を招いて援助をするなど、 当地の産業・文化・芸術の振興に貢献したという名家です。 現代、そんな坂野家の大屋敷は、国指定重要文化財となり、 常総市の風土博物館として保存活用。 江戸時代の古建築であり、お殿様の館のような立派な主屋をはじめ、 風雅な庭園を見学することができます。 そして庭木には、イヌマキやクスノキなどの巨木もある。 常総市のじつに素晴らしい、古民家の博物館であり美術館です。 なお、市内の博物館では、豊田城 [6] もお勧め。 城を模した多目的施設で、内部に郷土史の資料展示室が併設。 7階の天守閣は眺めの良い展望室です。
屋敷内にある巨木について。 巨樹巨木林DB [3] に登録されているのは、 以下6本 (2000年度の調査記録)。 本ページで筆頭として紹介する巨木、イヌマキとクスノキは未登録。 以下で最大となるシラカシは、屋敷を囲む板塀の南西端、 竹林に面しているものと見えます。 ケヤキも竹林内にあるものか。 ムクノキのうち一本は、表門前にあるものです。 (ID / 樹種 / 幹周/ 樹高) ・9230 / ムクノキ / 3.67m / 25.0m ・9231 / シラカシ / 4.55m / 25.0m ・9232 / クヌギ / 3.10m / 18.0m ・9233 / ケヤキ / 3.75m / 22.0m ・9234 / ムクノキ / 3.15m / 18.0m ・9235 / ムクノキ / 3.53m / 20.0m イヌマキとクスノキの樹齢について。 明治23年 (1890) の屋敷を描いた銅版画より推察。 主屋の右後方には、イヌマキらしき姿がある。 また幹に風格があるため、樹齢は200年以上あるとみえます。 クスノキについては、銅版画に姿が見えない。 このため150年未満ではないかと考えられます。 ちなみに、明治期には裏庭に巨木があったらしい。 広葉樹っぽい姿なので、樹種はケヤキだったりして。 現在、その巨木の痕跡はありません。 近くには稲荷神社とカヤの若木があります。
巨木と雑記.主屋と書院
坂野家住宅の主屋と書院の内部の様子です。 まず主屋。総茅葺の平屋で建坪面積は約396平方m (約120坪)。 武家屋敷のように重厚な造りです。 最も古いのは北側の広い土間と、中央の土間に面した囲炉裏の間と広間。 江戸中期頃の建造とされます。 江戸後期に接客用にもなる、いくつかの座敷と書院が増築されました。 書院は大正9年 (1920)、瓦葺の木造2階に建替え。 建坪面積は約180平方m (約55坪)。 1階の縁側と2階の窓から、庭の眺めがとても良い。 特別な接待や祝いの席、文化人を招いての講演など、雅な催が開かれたことでしょう。
巨木と雑記.庭の様子
次に前庭と裏庭の様子です。 まず前庭。中央にはドウダンツツジ、ツゲなどが配置。 南端にはスダジイやヒノキの大木があり、自然の山林のような風格もあります。 特に書院2階の窓からの眺めが素晴らしい。 訪れたのは冬。新緑の時期に再訪したくなりました。 裏庭は前庭に比べてプライベートな雰囲気。 書院のすぐ背後に、庭木では最大となるクスノキがそびえ立つ。 中央に建つ白壁の文庫蔵が目を引きます。 奥には屋敷神とされる稲荷社。 その傍らには、根本に石碑や石塔が置かれたカヤもありました。
巨木と雑記.竹林の様子
坂野家住宅は屋敷だけでなく、周辺環境も里山のように整えられています。 特に映えるのは広い竹林。 藪のように荒れておらず、程よい明るさで見通しが良い。 江戸時代の主屋と併せて、往古の世界にタイムスリップしたかのような心地が味わえました。 なるほど、数多くの時代劇のロケ地になったというのも納得。 坂野家住宅、巨木抜きにしても大いに楽しませて貰いました。
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