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    葛見神社の大クス

    巨木の写真

    撮影日:2021.11.26 【01】4年ぶりの再訪、11月でも汗ばむ陽気の日、木肌と樹幹が色濃く映った 葛見神社の大クス-01
    【02】 葛見神社の大クス-02
    【03】 葛見神社の大クス-03
    【04】 葛見神社の大クス-04
    【05】 葛見神社の大クス-05
    【06】 葛見神社の大クス-06
    【07】 葛見神社の大クス-07
    【08】 葛見神社の大クス-08
    【09】 葛見神社の大クス-09
    撮影日(2017.02.18) 【01】県内最大級の大クスは圧巻の立姿 葛見神社の大クス-01
    【02】 葛見神社の大クス-02
    【03】 葛見神社の大クス-03
    【04】 葛見神社の大クス-04
    【05】 葛見神社の大クス-05
    【06】 葛見神社の大クス-06
    【07】 葛見神社の大クス-07
    【08】 葛見神社の大クス-08
    【09】 葛見神社の大クス-09
    【10】 葛見神社の大クス-10
    【11】 葛見神社の大クス-11
    【12】 葛見神社の大クス-12
    【13】 葛見神社の大クス-13

    巨木の詳細情報

    巨木の名前 葛見神社の大クス [1]
    樹種 クスノキ(楠)
    幹周 20m [1][3], 15.7m [4]
    樹高 19.0m [4]
    推定樹齢 1000年以上 [1][3]
    特徴 巨大な根株、主幹上部の欠損
    保護指定 国指定天然記念物
    所在地 静岡県伊東市馬場町1丁目
    所在施設 葛見神社
    撮影日・状態 2021.11.26 : 4年前と姿は特に変化なし、相変わらず荘厳な樹姿、疱瘡神の解説板ができた
    2017.02.18 : 主幹上部の欠損と空洞、残る北西側に伸びた大枝が生命線
    アクセス
    中伊豆コース (県道12号経由)  :東名高速・沼津ICから約48㎞
    相模湾岸コース (国道135号経由):西湘バイパス・石橋ICから約42㎞
    電車 伊東駅(JR伊東線・伊豆急行)から約1.5km
    参考情報 ■現地資料
     [1] 葛見神社の大クス   :内容は上記の2017年の写真03を参照
     [2] 疱瘡神        :内容は上記の2021年の写真03を参照
     [3] 伊東家守護神・葛見神社:内容は下記の写真03を参照
    ■公式ウェブサイト
     [4] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2020年11月の調査記録)
    ■少遠景の記録
     [5] 音無の森       :葛見神社に近い音無神社より、スダジイとタブノキ
     [6] 一碧湖のエノキ    :火山の火口湖である景勝地の湖畔より
     [7] 蓮着寺のヤマモモ   :蓮着寺からヤマモモの巨木と城ヶ崎海岸に面した境内を紹介

    巨木と雑記.葛見神社

     伊豆半島のリゾート地の一つである相模湾に面した伊東市。 その市街中心地の奥にある1000年以上の歴史を持つ古社が葛見神社です。 平安時代に編纂された延喜式神名帳に記録のある式内社で、久豆弥神社に比定されるとのこと。 平安時代の頃には伊豆の東北部は葛見の庄と呼称。 初代地頭にして伊東氏の祖である工藤祐高が社殿を造営し、京都伏見稲荷を勧進合祀。 以後、地元民からは氏神として信仰され、伊東氏や代々の領主から手厚く保護されたそうです。[3]

     当社のご祭神は葛見神で、倉稲魂命(稲荷神)と大山祇命(山の神)を合祀。 葛見神とは聞きなれない神様。 元禄10年(1697)の棟札には「葛見大社」とあり、当時から現在とほぼ同じ社名だった [3]。 古代からこの地でで暮らす人々が崇めてきた古い土地神、地名が神名になっているのかもしれません。

    cm-葛見神社-01 葛見神社の入口。中央に建つ社殿の向かって左側に大クスがある。境内と周囲に駐車場がないので注意。 地図中に示した位置にかろうじて路肩駐車した。
    【02】 cm-葛見神社-02
    【03】 cm-葛見神社-03
    【04】 cm-葛見神社-04
    【05】 cm-葛見神社-05

    巨木と雑記.大クス

     葛見神社の御神木は、幹周約15mもの迫力の巨樹にして、1000年を超える歳月もの樹齢を実感させる老樹。 主幹は空洞化し上部を欠損。大きな洞を囲む分厚い表皮からは、3本の大枝が伸びています。 北西側に発達した支柱付きの大枝が、この大クスの生命線になっている様子。 この巨躯は、支柱と幹を結束する鋼鉄の帯がなければ、今にも崩れ落ちそうな状態です。

     傷つき樹勢が最盛期から大きく衰退した老樹。 眺める位置によっては、生きる巨大な残骸のような凄味のある姿。 対面する人によっては、痛みや苦しみ、あるいは恐怖といった感情を喚起させることでしょう。 しかし、それらの心の動きは、やがて大きな感動となり返ってきます。 今も懸命に生き続ける大クスの姿は、悠久の命の歴史が凝縮された荘厳なもので、 この土地の全てを知っているかのよう。 縋りたくなるような温かみも感じられる、実に神々しい姿の老大樹でした。