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來宮神社の大楠
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 大樟 [2][3]、阿豆佐和気神社の大クス [4] |
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樹種 | クスノキ(楠) | |||
幹周 | 20m [2], 23.9m [3][5] | |||
樹高 | 20m [2][5], 26m [3] | |||
推定樹齢 | 2000年 [2][3][6] | |||
特徴 | 超大な根本と西側半分の枯死 | |||
保護指定 | 国指定天然記念物 | |||
所在地 | 静岡県熱海市西山町43-1 | |||
所在施設 | 來宮神社 | |||
撮影日・状態 | 2021.11.27 : 樹勢・樹容ともに大きな変化なし、東側に展望台が建てられた 2017.02.17 : 巨体の西半分が枯死して大空洞があるが、東側は健在で実に力強く神々しい立姿 | |||
アクセス | ||||
車 | 東京方面:西湘バイパス・石橋ICから約21km、名古屋方面:東名高速・沼津ICから約28km | |||
電車 | JR伊東線・来宮駅から約400m | |||
参考情報 | ■現地資料 [1] 境内マップ :境内で配布されているテキスト、下記の写真01を参照 [2] 大樟 (1) :大クス手前の解説板、下記の写真13を参照 [3] 大樟 (2) :大クスの側にある解説板、上記2017年2月の写真03を参照 ■書籍 [4] 大日本老樹名木誌 :著者・本多静六(大正2年出版)、「国立国会図書館DC」より閲覧 ■外部ウェブサイト [5] 巨樹巨木林データベース:1988年度の調査記録、第二大楠は幹周9.45m、樹高11m [6] 來宮神社ホームページ :神社由緒の他、大クスの詳細な情報あり ■少遠景の記録 [7] 湯前神社のクスノキ :大湯間歇泉の前にある温泉街の鎮守にある大クス [8] 熱海梅園の三つ子クス :来宮神社から近い熱海の観光名所にある大クス [9] 下多賀神社のホルトノキ:熱海の下多賀にある県内最大級のホルトノキ |
巨木と雑記.來宮神社
熱海は静岡県を代表する温泉地の一つ。 相模湾に面した伊豆半島の付け根に位置する丘陵地。 都内から近い風光明媚な人気の観光地です。 この熱海の中心に位置する鎮守の森が、約1300年もの歴史を持つという來宮神社。 御神木を磐座として祀ってきた巨樹信仰(キノミヤ信仰)の古社で、 江戸末期までは「木宮明神」とも称されていました。 本殿の背後にそびえる御神木は国内最大級のクスノキ。 神社の創建時代から生き続けているという、実に神さびた姿の老巨樹です。 以下、神社境内の様子です。[2][6]
神社創建の伝承について。 和銅年間(708~715)のこと。 熱海村の漁師の網に神像のようなクスの古木が掛かる。 漁師はこの像を持ち帰り、麦こがしを供えるなどして祀った。 ある夜、漁師に神託が下る。 夢枕に五十猛命を名乗る童子が現れ伝えた。 「我の像を波の音の聞こえぬ場所、7本の楠があるところに祀りたまえ。 さすればこの村を守るべし」と。 こうして神託により探し出された現在地に、 村人たちが社殿を建てたのが神社創建の由緒とされます。 なお、現在の祭神は木の神様ともされる五十猛命の他、日本武尊と大国主命の三柱です。 [4][6] 昔は7本あったという大クス。 その現存するものが、本殿背後の御神木と、三峰神社の側の大クス(第二大楠)と云われます。 他の5本は嘉永年間(1848~1855)に伐採。 隣村と漁業権を巡って争った大綱事件が勃発し、 訴訟費を捻出するため伐採して売却したそうです。軍艦の用材になったとか。 7本もの大クスが林立した境内。さぞかし神々しい景観であったろう。 古い絵図などに描写された記録は残っていないものでしょうか。気になります。 [2][4][6]
巨木と雑記.御神木の大クス
静岡県で最初の巨木巡りで拝観した一本。感動はひとしおでした。 巨樹ここに極まれりという姿。 生命が極限まで生きて巨大になったという姿です。 2000年の生を刻んだ巨躯には、激しく荘厳な傷も抱えている。 もはや樹木という存在を超越した、神の意図による大いなる現象というか。 北側にある大きな空洞の開口部を前にしたとき、 天と繋がる生ける神殿なのだと強く感じました。 実はこの大クスに訪れるのは2度目。 小学生の頃に家族旅行で訪れていました。 今よりも周囲に木々が鬱蒼と茂っていたはずだから、より迫力があったことでしょう。 薄っすらと覚えているそのときの印象は「山のような巨岩」。 木として認識できないような、想像もつかないスケールの巨樹に唖然。 畏れを感じながらも興奮して走り回りました。 おっさん後、巨木巡りを始めるようになったきっかけは、この大クスにもあるようです。
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