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三春滝桜トップページ
巨木の写真(2024年4月~2010年4月の年月別のページを選択)
巨木の基本情報
巨木名 | 三春滝桜 [1][3][5] |
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樹種 | エドヒガン (江戸彼岸) | |||
幹周 | 10.3m [3], 8.10m [5], 9.50m [6] | |||
樹高 | 19.1m [3], 13.5m [5], 19.0m [6] | |||
樹齢 | 600年以上 [3], 1000年以上 [5] | |||
特徴 | 豪華な重層の噴水のような紅枝垂桜 | |||
保護 | 国指定天然記念物 | |||
所在 | 福島県田村郡三春町滝字桜久保 | |||
施設 | 公園(町に貸与された私有地?) | |||
日付状況 | 2024.04.13 (満開) :天候 (薄曇)、4月10日の満開から3日目、当日は背後の稲荷神社にも参拝 (写真あり) 2023.04.01 (八分咲):天候 (雲)、開花は3月27日、昨年より満開となるのが1日ほど早い 2021.04.03 (満開) :天候 (雲)、観測史上で最速の満開、入場規制など観桜に制限あり 2019.04.17 (満開) :天候 (雲)、夜桜の写真あり、今年は大掛かりな樹勢回復の工事が実施 2018.04.06 (満開) :天候 (雲)、夜桜の写真あり、例年よりかなり早い満開 2017.04.20 (満開) :天候 (晴)、昨夜の嵐が影響し散り始め 2016.04.12 (満開) :天候 (晴)、早朝の気温は氷点下で路面凍結のみられた 2015.04.16 (満開) :天候 (小雨)、前夜は激しい雷雨、雨天のしっとりした雰囲気の滝桜も良い 2014.04.18 (満開) :天候 (曇)、正午前に雨天 2013.04.14 (八分咲):天候 (晴)、暖かな一日 2012.04.24 (三分咲):天候 (薄曇)、満開は4月27日頃と例年より遅め、大震災の翌年でも滝桜は元気 2010.04.18 (蕾) :天候 (晴)、前日に降雪あり、気温は低め | |||
アクセス | ||||
車 | 東北道・須賀川ICから約25km、磐越道・郡山東ICから約10km、船引三春ICから約8km | |||
電車 | 磐越東線・三春駅から約7km、タクシーや臨時バス滝桜号を利用 | |||
バス | 臨時バスの滝桜号は三春駅から直通(運行中止の場合あり) | |||
参考情報 | ■現地資料 [1] 解説板・三春滝桜 :内容は下記雑記の写真01を参照 [2] 解説板・三春滝桜再生事業:内容は下記雑記の写真02-03-04を参照 [3] 石碑・三春滝櫻の碑 :内容は下記雑記の写真05を参照 ■書籍 [4] 桜伝奇 :全国の桜と伝承を紹介、著者-牧野和春、出版-工作舎、ISBN-4-87503-230-1 ■外部ウェブサイト [5] 三春町ホームページ :三春町の歴史、滝桜、臨時バスの情報など参照 [6] 巨樹巨木林データベース :2006年度の追加調査 (ID-8623) 照 ■少遠景の記録 [7] 芹ケ沢桜 :三春町内で近辺、民家敷地の高台に根差す、磐越道からも姿が見える [8] 八十内かもん桜 :三春町内で近辺、八十内公園の丘上に根差している [9] 込木地蔵桜 :三春町内で近辺、根本に石仏たちの列、公開準備中 [10] 山高神代桜 :日本三大桜の一本(山梨県北杜市・實相寺) [11] 根尾谷の淡墨桜 :日本三大桜の一本(岐阜県本巣市・淡墨公園) |
巨木と雑記.美しき枝垂れ桜の女王
福島県のほぼ中央に位置する三春町 [5] 。阿武隈山地の西裾に広がる丘陵地で、町の南部には三春ダム (さくら湖) があります。 江戸時代には三春藩領であった地域。 町の中心部には藩庁の置かれた舞鶴城址 (城山公園) などの史跡もあります。 そんな三春町は、県内有数の桜の名所。 社寺、公園、民家の庭先にまで、格好いい枝垂れ桜の大木をよく見かけます。 そして町を代表する特別な桜が、ダム湖の東側に位置する滝桜。 国指定年天記念物にして日本三大桜の一本です。 (補足・他の日本三大桜:山高神代桜 [10]、根尾谷の淡墨桜 [11]) 三春滝桜は日本三大桜に相応しい、まこと美しく力強い枝垂桜の巨樹。 幹周は8mを超えるという、国内最大級の大桜でもあります。 太い幹、その根本に注目すると、歴戦の老樹らしい貫禄と荒々しさがある。 それが全体として優雅。 直径50mに達するという樹冠は、巨大な盆栽のように枝先まで芸術的であり、じつに格調高い立姿。 花盛りの時期には、滝のような花帯を幾重にも纏い、神々しい花の大瀑布が顕現する。 まさしく桜の女王と尊称するにたる滝桜。 毎年春が近づけば、この大桜を筆頭に福島の美麗な桜たちに心焦がれています。 2024年4月をもって、12回目の拝観となりました。
ここからあとの雑記は、滝桜の再生事業、古い伝承、アクセスの注意、この3点に続きます。
巨木と雑記.三春滝桜の再生事業
国指定天然記念物となる特別な巨樹。 その生きた国宝たる存在を、次世代へ守り伝えていくことは、とても大変で価値あることです。 それは三春滝桜も同様。 2019年度あたりから、滝桜の再生事業の解説板 [2] を見かけるようになりました。 再生事業では、定期的な根本の草刈りと施肥、枝の剪定や病害となる虫や植物の駆除。 そして5年毎に、樹冠全体を足場で覆う大規模な工事が実施されます。 そこでは、老樹ながら成長著しい故に大量発生する枯枝の剪定。 支柱を枝の成長に合わせて移動や追加、古い支柱の交換なども行われるそうです。 近年、こうした再生事業の甲斐あって、空洞の内外に生じた不定根が太く成長したという。 こうして毎年ずっと、今年が一番美しいと思わせる滝桜で在れます。
巨木と雑記.滝桜の伝承について
三春滝桜は大正12年 (1922)、国指定の天然記念物となった桜の第一号。 今から約100年前のこと。 当時は人家疎らな山郷の、田畑の奥にて密やかに佇んでいたことでしょう。 そんな僻地でも、多くの風流な好事家たちが観桜に訪れ、世間に広まった。 古くは藩主に愛され、京の歌人や公卿たちに詠まれ、天皇の知るところにもなったという。 そんな滝桜の昔話について少し。
三春滝桜の昔話について [1][3][4]。 江戸初期の正保2年 (1645) の頃。 三春藩に秋田氏が入封したときから既に巨樹であったという。 滝桜は藩主のお気に入りとなり、よく花見に訪れたそうです。 そうして滝桜は藩の御用木となり、 周囲を竹柵で囲い、勝手に枝を折るなど損なうことを禁止。 米3斗2升5合の地租を免除し、地元民に保護させたそうです。 時代は下って江戸末期の天保年間 (1831-1845) の頃。 三春藩士の草川次郎なる人物が上京し、公卿たちと会談したとき。 地元の滝桜の話で盛り上がり、やがて歌に詠まれて世に広まり、 ときの光格天皇も知ることになったという。 すでに江戸時代から有名であった滝桜。 お殿様に愛され、多くの歌人たちから憧憬されてきた大桜でした。 以下、公卿の大炊御門経久が詠んだ歌。 「都まで 音に聞こえし 瀧櫻 いろ香を誘へ 花の春風」
巨木と雑記.アクセスの注意について
毎年、大勢の観桜客たちで混雑する三春滝桜。 その周辺の道路では交通規制が行われるので、事前に知っておくと安心安全です。 まず注意すべきは、公共車両の専用ルートが置かれること。 以下地図に示した赤線のルートです。 ここは三春駅発の臨時バス滝桜号およびタクシー、三春町運動公園発の無料シャトルバス、 そのほか観光ツアーバスの専用ルートとなります。 また以下地図にはマイカーにおける、郡山ICおよび船引三春ICからの推奨ルート (青線) も示しました。 規制ルートを避けるので、県道40号線や県道57号線を経由することになります。 なお、最新の交通規制については、三春町ホームページ [5] など公式サイトをご確認ください。
おわりに混雑と渋滞を避ける方法について。 確実なのは早朝に到着すること。 午前6時前に到着しておけば、人は少なく、 交通規制も始まる前で、道を選ばずスムーズに到着できる。 難点としては日の出前で薄暗く、やがて朝陽が逆光となること。 それでも朝陽で輝く滝桜は情緒があり、昼間とは違う神秘的な美しさがあります。 混雑する日中に向かう場合。 大駐車場は満車となり、周辺道路に渋滞が発生。 これなら専用ルートを通れるバスかタクシーの利用が良いでしょう。 マイカーでも、三春町運動公園の駐車場に停め、滝桜直通のシャトルバスに乗り換えるのもありです。 他には、三春ダム周辺にある駐車場から、車に積んできた折り畳み自転車で向かうこと。 私は2回ほど試したことがありますが、これがけっこう良い感じ。 三春の里農業公園か、さくらの公園の駐車場がお勧めです。双方とも滝桜まで約4km。
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