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前沢曲家集落と大スギ跡

巨木の写真

撮影日：2023.05.05 【01】集落の御神木が健在だった頃のイメージ (杉沢の大スギの写真を加工して合成)

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巨木の基本情報

アクセス
巨木の名前	前沢の大スギ [1]
樹種	スギ (杉)
幹周	8.00m [1], 根周11.0m [1]
樹高	30.0m [1]
推定樹齢	800年 [1]
特徴	壮健な頃の姿は不明
保護指定	福島県指定天然記念物 (倒壊後に解除)
所在地	福島県南会津郡南会津町前沢
所在施設	前沢大杉保存館
撮影日・状態	2023.05.05 ：平成4年 (1992) 8月の荒天による突風により倒壊、現在は大きな根本が保存されている
	車	東北道・西那須野塩原ICから約65km、白河ICから85km
	電車	会津高原尾瀬口駅 (会津鉄道・野岩鉄道・東武日光) から約23km、以下の会津バスの路線を利用可
	バス	「会津高原尾瀬口駅前」から「桧枝岐線」に乗車して「前沢向」で下車
参考情報	■現地資料　[1] 前沢の大スギ　　　　　：内容は上記巨木の写真03を参照 ■外部ウェブサイト　[2] 前沢曲家集落公式サイト：集落の地図、歴史と曲家の構造、入場時間と料金など詳細な情報あり ■少遠景の記録　[3] 穴原鹿島神社のスギ　　：南会津町の南郷地域、最寄りの巨木　[4] 北野神社の大杉　　　　：南会津町の南郷地域、現在の会津随一の大スギ　[5] 大内宿と高倉の大スギ　：南会津郡下郷町、大内宿の鎮守の御神木　[6] 杉沢の大スギ　　　　　：二本松市、福島県で最大の巨樹、上記巨木の写真01の合成モデル

巨木と雑記．前沢曲家集落

　南会津町の舘岩地域にある観光名所、茅葺屋根の古民家が立ち並ぶ前沢曲家集落 [2] 。この素晴らしい景観の集落は、風情ある昔の豊かな山村そのものです。今でも人々の暮らしが息づいた、伝統的な造りの家屋の数々。ここは下郷町にある大内宿 [5] と同じく、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。集落の特徴はＬ字型をした曲家と呼ばれる、中門造りの家屋が多いこと。主屋の出入り口となる右寄りの土間部分に、厩と倉庫などを兼ねた棟を繋げた構造。特徴的な家屋の内部は、資料館となった曲家で見学可能であり、集落入口には曲家の食事処もあります。大内宿ほど観光地化されていない生の山村。日本の原風景が南会津の奥地に保たれています。

【01】後述する展望台からの前沢集落の景観。

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巨木と雑記．御神木の大スギ

　かつて前沢集落には、県内最大級の大スギが在ったようです。昭和30年 (1955) に県の天然記念物に指定。根本に稲荷神社が祀られた集落の御神木でした。平成4年 (1992) 8月7日、雹をともなう荒天の強風により倒壊。その後、根本と材の一部から彫った阿弥陀如来坐像が残されました。保存館の中にある巨大な根本を目の当たりにして、予想を超える太さに驚きました。根周りは11mもの太さがあり、しかも過去の土砂崩れで地表が上がっているという。南会津町の南郷地域にある北野神社の大杉 [4] よりも、実質的な幹周は太かったのでは。前沢集落の御神木こそ会津随一の大スギであった。

　前沢の大スギに、何やら縁を感じられる巨木があります。二本松市にある県内最大の巨樹、杉沢の大スギ [6]。まず名前が一文字違いの一致。そして同じく伊勢参りをしたという伝承があるらしいこと (宿る精霊が人に化身して？)。そこで、集落に御神木が壮健だった頃のイメージとして、杉沢の大スギの写真を使って、稚拙ながら再現してみました (上記巨木の写真01)。