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椎尾山薬王院のスダジイ樹叢
巨木の写真































巨木の詳細情報
巨木の名前 | 椎尾山薬王院のスダジイ樹叢 | 樹種 | スダジイ(すだ椎) | |
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幹周/樹高 | A木(5.6m / 11m)B木(5.02m / 18m) | 推定樹齢 | 500年 | |
保護指定 | 茨城県指定天然記念物 | 所在地 | 茨城県桜川市真壁町椎尾(薬王院) | |
撮影日/天候 (状態) |
2017.01.27 / 曇 : A木は仁王門の前、B木は三重塔の隣、境内で最大の2本.樹勢は良い. |
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アクセス | ||||
車 |
桜川筑西IC(北関東自動車道) :距離17.2km 土浦北IC(常磐自動車道) :距離22.7km つくば中央IC(中央連絡自動車道):距離25km |
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電車 |
岩瀬駅(JR水戸線):タクシー利用、距離約18km 下妻駅(JR水戸線):タクシー利用、距離約16km |
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バス |
筑波山口(つくバス) :筑波駅前のバスターミナルから、つくバスの北部シャトルに乗車. 薬王院まで約7km.タクシーか以下の市営バスを利用する. 旧酒寄駅跡(市営バス):筑波山口から県道41号を北上する桜川市の市営バスに乗車. |
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備考 | 薬王院の最寄バス停は旧酒寄駅跡。薬王院まで徒歩2km。このバス停を結ぶ市営バスの路線は、 2017年10月からの運行が未定らしいので、利用する場合は市のHPなど要確認。 | |||
近辺の観光 |
桜川市観光協会 :桜川市の公式観光案内のサイト.桜、登山、寺社、桜川市は見所が多い. つくし湖 :景色の良い人造湖.湖面に逆さ筑波.湖畔に物産と蕎麦処の「つくし亭」 雨引観音 :筑波連山の北、雨引山の中腹に位置する坂東33観音霊場の24番札所. 小山寺・富谷観音 :薬王院と同じく県内に3基しかない三重塔を擁する古刹. 磯部桜川公園 :ヤマザクラが植樹された丘の公園.国指定天然記念物「桜川のサクラ」 高峯のヤマザクラ :市の北部、高峯山に多く自生するヤマザクラの眺めが良い地点. 筑波山神社 :筑波山を御神体とする筑波山神社の公式サイト. 少遠景・筑波山の登山記録 :筑波山の登山記録.筑波山神社から表登山道と白雲橋コースによる周回. たびねす・筑波山の巨木巡り :筑波山神社と山中で、特に見応えある巨木を5本紹介する. |
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近辺の巨木 | 八柱神社のケヤキ |
巨木の地図
巨木と雑記
筑波山の西山麓にある小峰、桜川市の南東に位置する標高約256mの椎尾山。
この山の中腹に天台宗の古刹、椎尾山薬王院があります。
境内は古くからの霊場に相応しい荘厳な景観。
県内でも貴重な三重塔をはじめとする立派な堂塔を、椎の巨木たちが包んでいます。
そして、境内の東には、筑波山の山頂へ通じる登山道の登山口もある。
寺社や巨木を巡る人や登山者にとって、とても魅力的な寺院です。
薬王院の境内と、椎尾山の斜面を覆う、椎を中心とした約2.6ヘクタールの自然林は、
「椎尾山薬王院のスダジイ樹叢」と呼ばれる天然記念物。
この樹叢の中で、直径30cmを超えるものは100本以上、
更に樹齢300~500年の巨木は10数本も生育しているそうです。
動植物の植生が豊かで、大木が多く、椎の群生地の北限地に近いということから、
非常に貴重な樹叢とされています。
境内の大シイで、樹齢300年を超えるとされる10数本の巨木。
まずは、境内で最大の2本、仁王門の前に立つ個体と、三重塔の隣に立つ御神木。
他は、仁王門から本堂へ続く石段の脇に立つ数本。
境内の南東、林道沿いの斜面に立つ数本。
三重塔の北側に立つ1本。
そして阿弥陀堂の周囲に立つ数本。
境内を巡ってみて、これらが該当するものと思われました。
仁王門の前に立つ大シイが、境内で最大の幹周とされる個体らしい。
中腹に空洞があるが、樹勢はよく、捩れて伸び上がった幹と、大きく隆起した根本に迫力があります。
そして、立派な仁王門を背景とした姿が眺められるのも、大きな魅力。
仁王門の大シイに次ぐ幹周ものが、三重塔の隣に立つ個体。
注連縄が巻かれていることから、御神木とされている様子。
ほぼ直幹の捩れ上がった幹は迫力があり、また御神木たるに相応しい、境内で最も威厳を感じる立姿でした。
離れて本堂の前から眺めれば、三重塔と重ねて眺められるのも魅力。
仁王門前の大シイとともに、薬王院を象徴する巨木です。
薬王院の由緒や歴史などについて少し。
薬王院は延暦元年(782)に最仙上人によって開山された天台宗の古刹。
上人は、天台宗の開祖である伝教大師最澄の弟子であったと云われます。
上人は近郊(現在の筑西市)の出身者であり、県内には多くの上人が開かれた寺院が残っています。
私が巨木巡りで訪れた、行方市の西蓮寺もその1つ(
西蓮寺の大イチョウ)。
境内の主な堂塔は、桜川市指定文化財の仁王門と本堂、
県指定文化財の三重塔、境内の西側にある阿弥陀堂です。
仁王門は元禄元年(1688)の建立。
風格ある姿と、奥に続く椎の大木に包まれた石段の景観が素晴らしい。
本堂は数回の火災を経て延宝8年(1680)に再建されたもの。
ご本尊の薬師如来坐像は鎌倉時代の作とされる県指定の文化財。
堂内には内壁に彫刻や彩色画が施され、特に龍の天井画が大迫力でした。
面白いものでは巨大な眼鏡。両目の輪を潜ると眼病平癒のご利益があるとか。
三重塔は宝永元年(1704)に建立されたもので、
県内に3基のみ存在する貴重な三重塔の1つ。
外壁や尾垂木には精巧な彫刻が施され、全体的に端正で美しく、格調高い姿に感銘を受けました。
最後に登山について。
当日、薬王院へ訪れた目的は、境内の堂塔と巨木の見学の他に、筑波山への登山がありました。
古くから薬王院に存在していたという、椎尾山から筑波山を目指す山岳修行の道。
椎尾山口・筑波山頂参拝道、通称・薬王院コース。
登山口は境内の東側にあり、男体山の自然研究路に合流して御幸ヶ原につくまで約3km。
私の移動時間は1時間30分ほどでした。そこから男体山と女体山を往復して大展望を堪能。
御幸ヶ原から薬王院までの下山は1時間ほどでした。
始終が樹林帯で展望のない地味な登山道ですが、訪れる人の少ない静かな山行を楽しめます。
なお、薬王院の境内の見学は、下山後の楽しみとして残しおくと、
下山中のモチベーションが下がらないのでお勧めです。
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