• TOP
  • 巨木
  • 登山
  • 渡良瀬
  • 旅日記
  • 更新履歴
  • PR
  • 巨木TOP / 群馬 / 迦葉山弥勒寺の大スギ群

    迦葉山弥勒寺の大スギ群

    巨木の写真

    馬かくれスギ (C木) 【01】表参道の終わりに根差す山内で最大の巨木、馬を隠せるほどの根本 迦葉山弥勒寺の大スギ群-01
    【02】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-02
    【03】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-03
    【04】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-04
    【05】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-05
    【06】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-06
    【07】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-07
    【08】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-08
    【09】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-09
    【10】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-10
    【11】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-11
    【12】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-12
    【13】 迦葉山弥勒寺の大スギ群-13

    巨木の基本情報

    巨木名 迦葉山弥勒寺の大スギ群 (仮)
    幹周 C木:7.71m [2][4], 8.50m [5], 7.95m [6]
    ABD木:6.60m / 8.03m / 6.80m (実測)
    樹高 C木:29.0m [2][4], 31.0m [5], 35.0m [6]
    ABD木:不明 (30m前後)
    推定樹齢 C木:1000年 [2]
    保護指定 C木:沼田市指定天然記念物
    所在地 群馬県沼田市上発知町
    所在施設 迦葉山龍華院弥勒護国禅寺
    状態 2024.04.26 : A木は複数の枯れた下枝、B木は樹勢良好、C木は空洞あるも背が高い、D木は特に樹勢良好
    アクセス
    関越道・沼田ICから約14km、弥勒寺へ至る林道は一方通行なので注意 (大山門方面は登り専用)
    電車 JR上越線・沼田駅から約17km
    参考情報 ■現地解説板
     [1] 迦葉山弥勒寺の縁起   :内容は下記雑記の写真04を参照
     [2] 馬かくれスギ      :写真なし (幹周7.71m / 根周9.35m / 樹高29.0m / 樹齢1000年)
    ■外部ウェブサイト
     [3] 迦葉山弥勒寺ホームページ:伽藍の建物、由緒など参考
     [4] 沼田市ホームページ   :当巨木の情報あり、迦葉山弥勒寺の情報も参考
     [5] 群馬県緑化推進委員会  :サイト内で県内の巨木についても紹介している
     [6] 巨樹巨木林データベース :当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
    ■少遠景の記録
     [7] 上発知のシダレザクラ  :同じ上発知町の地区、田畑に囲まれた塚に根差す
     [8] 発知のヒガンザクラ   :隣の中発知町の地区、県内最大級のエドヒガン

    巨木と雑記.迦葉山弥勒寺

     スギの巨木が、群馬県内でも特に集中した森厳なるところ。 それが沼田市の北東に位置する、迦葉山 (1322m) の中腹に開かれた霊場の弥勒寺 [1][3][4] です。国家鎮護の祈願のため、平安時代の中期に開山された名刹であり、 また天狗のお寺としても有名。 中興開山に尽力した中峯尊者が、山に宿る天狗様として信仰されています。 弥勒寺の参拝では、古くから天狗のお面を奉納祈願する習わしが続く。 また夏祭りでは、巨大な天狗の神輿が市街地を練り歩く。 ここは沼田市を代表する霊場なのです。
     (大スギ群と表・裏参道については次の雑記にて後述)

    cm-迦葉山弥勒寺-01 【01】聖観世音菩薩を祀る本堂の向かって左奥に建つ、中峯堂の拝殿。 この奥に離れて建つ、中峯尊者を祀る中峯堂 (鎮守堂) は、10年に一度の御開帳。
    cm-迦葉山弥勒寺-02 【02】中峯堂の拝殿には奉納された巨大な天狗面が複数ある。 日本一の天狗面、凄味のある眼力。 この面には大きな祈りが込められている (後述)。
    cm-迦葉山弥勒寺-03 【03】迦葉山参りの習わし。 はじめに中峯堂の拝殿で天狗面を借りいただく。 次回の参拝でその面と共に、門前の店で求めた面も添えて奉納。 また別の面を借りて…とこれを繰り返す。
    cm-迦葉山弥勒寺-04 【04】迦葉山縁起の解説板。


     迦葉山弥勒寺の由緒について [1][3][4] 。開創は嘉祥元年 (848)。 上野国の太守を勤めた桓武天皇の皇子、葛原一品親王による開基。 第3代天台座主の慈覚大師円仁を招き、国家鎮護の護国寺として開山。 数多の末寺を従え、 北関東における仏教と政治と文化、その中心的な存在として栄えたそうです。 時代は下って室町時代。 康正2年 (1456)、天巽慶順禅師により中興開山され、曹洞宗に改宗。 天巽禅師の師弟には一人の神童がいた。 大伽藍を造営し、険しい山の霊場を開き、また布教と伝導に尽力。 容姿は不老のごとく若いままであり、神通力を有したという。 この神童こそ中峯尊者。 全てを成し遂げたとき天巽禅師に、 迦葉山の権現であるという正体を明かす。 そして「永くこの山に霊し末世の衆生を抜苦与楽せん」と誓い昇天。 その後に天狗の面が残されたとの伝承。 こうして中峯尊者を祀る迦葉山信仰が広まっていきました。

     江戸時代においても弥勒寺は繫栄。 徳川初代将軍の祈願所となり、朱印地は100石、寺領は718町歩を有したという大寺院。 現代においても信仰篤く、多くの講中が各地でつくられた。 参拝には天狗面を奉納する習わしがあり、 中峯堂拝殿の左側には、2つの巨大な天狗面が安置されています。 少し手前にある方は、昭和14年 (1939) に地元商工会議所による奉納。 出征する人々の武運長久を祈り、5万人分もの祈願札が張り込まれているそうです。 ちなみに境内の座禅堂にも、昭和58年 (1983) に奉納された大きな天狗面が安置。 それは8月の「沼田まつり」では、神輿として担ぎだされるそうです。 なお、中峯堂への御開帳は10年に一度。 次回は2025年と近いので、是非とも参拝してみたいものです。

    巨木と雑記.大スギ群

     迦葉山弥勒寺の大スギ群。 伽藍と参道を歩き回ってみて、 幹周4m以上とみえるスギが、15本ほど在ることが分かりました。 その中で際立つ4本 (ABCD木) をご紹介。 まずはページトップの馬かくれスギ (C木)。 表参道の終わり近くに根差す、山内最大となる巨木。 根本を大空洞が貫通するも、驚くほど背が高く、 遥か上空で緑の傘を広げていて神々しい。 御幣の置かれた空洞が神殿の如くみえてきます。 なお、名前の由来は昔、参道の下馬札を無視して来た参拝者が、 ここに馬を隠したとの故事。喝ッ!
     (補足:4本のスギの番号は麓から順番)

     残りの3本。 AB両木とも表参道の後方に位置。 A木 (幹周6.6m) は他より周囲が賑やか。 弥勒橋・黒門・東屋が建ち、清水も流れるところです。 B木 (幹周8.0m) は決まった立姿。 参道を挟んで隣り合う大スギと相まり、神門のように荘厳。 根本のお地蔵様と共に、険しい参道を往く参拝者を見守ってきました。 D木は奥之院へ至る裏参道の入口付近。 山神が宿るという三頭木の樹形で、根本に置かれた石塔が印象的。 以下、ABD木の写真です。

    cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-01 【01】表参道の後方に根差す B木 (右)。 参道を挟んで隣り合う大スギと相まって神門のように映る。 お地蔵様と相方 (左) と一緒に参拝者たちを見守ってきた。
    【02】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-02
    【03】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-03
    【04】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-04
    【05】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-05
    【06】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-06
    【07】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-07
    【08】B木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-08
    【09】A木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-09
    【10】A木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-10
    【11】A木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-11
    【12】A木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-12
    【13】D木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-13
    【14】D木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-14
    【15】D木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-15
    【16】D木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-16
    【17】D木 cm-迦葉山弥勒寺の大スギ群-17

    巨木と雑記.参道の様子

     迦葉山弥勒寺の往古の参道について。 両道ともに濃い自然の中、獣除けの鈴など携帯しましょう。 まず表参道は、大山門から林道と並び、慈愍門を経て弥勒沢の谷間を伝う。 全体の歩行時間は40分ほど。 後半は急坂が続きます。 慈愍門から先には複数の橋があり、 一部は老朽化しているので、慎重に渡ってください。 歩き通さずに大スギ群が目当ての人は、 伽藍の駐車場から黒門までの往復がお勧めです。

     奥之院へ至る裏参道は、中峯堂拝殿の横にある中雀門から。 石段を登り迦葉堂を過ぎた先から、伽藍を抜けて登山道となります。 最初から急坂で、後半はより急傾斜の尾根道となる。 40分ほどで奥之院への到着。 お堂は和尚台とよばれる、高さ60mくらいの巨岩の基部に建つ。 和尚台の上部には、胎内くぐりと呼ばれる割れ目から鎖が続いています。 そこに登っていくのは大変危険。 登山で岩場や鎖場に慣れていない人、軽装の人は止めましょう。

    cm-迦葉山弥勒寺の参道-01 【01】表参道の入口に建つ大山門。
    【02】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-02
    【03】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-03
    【04】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-04
    【05】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-05
    【06】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-06
    【07】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-07
    【08】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-08
    【09】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-09
    【10】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-10
    【11】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-11
    【12】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-12
    【13】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-13
    【14】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-14
    【15】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-15
    【16】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-16
    【17】 cm-迦葉山弥勒寺の参道-17