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    小室浅間神社のカツラ

    巨木の写真

    撮影日:2018.06.26 【01】山中でなく駅近の市街地に生きるカツラの巨樹、南側正面 小室浅間神社のカツラ-01
    【02】南側 小室浅間神社のカツラ-02
    【03】東側 小室浅間神社のカツラ-03
    【04】東側 小室浅間神社のカツラ-04
    【05】北側 小室浅間神社のカツラ-05
    【06】北側 小室浅間神社のカツラ-06
    【07】北西側 小室浅間神社のカツラ-07
    【08】北西側 小室浅間神社のカツラ-08
    【09】西側 小室浅間神社のカツラ-09

    巨木の詳細情報

    巨木の名前 小室浅間神社のカツラ [1]
    樹種 カツラ(桂)
    幹周 13.3m [1], 13m (主幹4.41m) [2]
    樹高 28.5m [1], 28m [2]
    推定樹齢 650年以上 [1](大塔宮の伝承)
    特徴 中央を欠いた株立ちの樹形
    保護指定 富士吉田市指定天然記念物
    所在地 山梨県富士吉田市下吉田
    所在施設 小室浅間神社
    撮影日・状態 2018.06.26 : 市街地の真ん中に立つカツラの巨木、残る複数の側幹の樹勢は良さそう
    アクセス
    中央自動車道・富士吉田ICから約4km(神社前の道路は一方通行なので注意)
    電車 富士急行線・下吉田駅から約400m(富士山駅からは約1.5km)
    参考情報 ■現地資料
     [1] 解説板・小室浅間神社のカツラ:樹高・幹周・枝張や由緒など(主幹は約4.42m)
     [2] 解説板・小室浅間神社の由緒 :由緒と祭礼などについて記載
     [3] 解説板・小室浅間神社流鏑馬 :流鏑馬についての詳しい解説、足跡で吉凶を占うもの
    ■公式サイト
     [4] 巨樹巨木林データベース   :2000年度の調査記録
     [5] 山梨県神社庁        :小室浅間神社の詳しい由緒や例祭が記載
     [6] 鎌倉宮ホームページ     :鎌倉市にある護良親王を祀る神社
     [7] 都留市立図書館ホームページ :市に縁の人名紹介のページに護良親王と雛鶴姫あり
    ■少遠景・巨木巡り
     [8] 北口本宮富士浅間神社の巨木群:富士登山の吉田口の起点にある大社、広大な社叢に巨木が茂る
     [9] 河口浅間神社の七本杉    :河口湖の東湖畔に鎮座、境内は県内随一の巨樹密集地かも?

    巨木と雑記.小室浅間神社の由緒

     富士山北麓の南都留の地域には、世界遺産に含まれる3社があります。 千年を超える富士山信仰の聖地、富士登山の拠点でもあった3社は、 冨士御室浅間神社、河口浅間神社 [9]、北口本宮冨士浅間神社 [8] 。 後2社は社叢に杉の巨木が群立するため、巨木巡りにも最適。 そして、ここ小室浅間神社も注目すべき巨木のある富士山信仰の古社。 御神木のカツラは、幹周が巨樹巨木林DB [4] では県内最大。

     小室浅間神社の由緒について [2][3]。 創建は平安時代初期の大同2年(808)。 坂上田村麻呂が東征の折、この地で富士山を拝して戦勝を祈願。 後年に祈願成就の報賽として社を建立したとの伝承。 近世には武田家の祈願所であり、近郷(上吉田村、下吉田村、松山村)の総鎮守であった。 明治中期までは下宮浅間と呼称。 富士山二合目にある御室浅間神社の里宮であることに由来。

     小室浅間神社の祭事について [2][3]。 9月19日の例大祭に奉納される流鏑馬。 川を挟んだ南側に馬場(地図参照)。 疾駆する馬上で矢を射て的を打つ芸を奉納するが、 地面についた馬の足跡で占いをするという点が特殊なようです。 他には1月14日から15日の粥占。ヨシの管に入った粥の量で吉凶を占うもの。 60年毎に行う祭事に、御神体の衣を替える御更衣祭(平成最後の回は2009年)があります。

    小室浅間神社-01 大鳥居の建つ境内入口前。境内には複数のカツラの大木が立つ。 緑に包まれた清らかな境内は市民たちの憩いの場のようだ。
    社殿前 小室浅間神社-02
    愛染桂 小室浅間神社-03
    神馬 小室浅間神社-04
    縁結びの木 小室浅間神社-05
    縁結びの木 小室浅間神社-06
    解説板 小室浅間神社-07
    解説板 小室浅間神社-08
    解説板 小室浅間神社-09

    巨木と雑記.大カツラの立姿

     カツラの巨木をよく見かけるのは、水の豊富な山中の谷間や渓流沿いなど。 現在の小室浅間神社の周囲は、下吉田駅から徒歩5分の住宅密集地。 それでも境内に湧水の池があるように、地下水が豊富な土地なのでカツラが大きく成長できたのでしょう。 樹形はカツラの巨木によく見られる株立ちで、複数の側幹の集合。 巨樹巨木林DB [4] の記録では5本の株立ちで、特に太い株の幹周は4.41メートル。 全ての株を合わせた幹周は13.3メートル。 これは現地解説板 [1] とほぼ同じ数値。

     朽ちた主幹の跡か中央には大きな空間。 このため側幹の集合体は疎らに映り、 幹周10メートル超えという巨樹らしい迫力はありません。 それでも連理した根本の大きな塊には貫禄。 そして不思議と惹き付けられる立姿。 安置された祠と石塔が印象深い。 磐座か何かの聖跡を守る結界、そんな神秘的な姿に映る大カツラです。

    巨木と雑記.大カツラの伝承

     大カツラの伝承 [1][2] には、大塔宮(護良親王)の首級が根本に葬られたというものが。 大塔宮は後醍醐天皇の皇子。 鎌倉幕府打倒による建武新政の樹立に功績があり、征夷大将軍にもなった人物。 後に後醍醐天皇との不和と、足利尊氏との対立した結果、鎌倉に幽閉され暗殺される。 大塔宮の墓所は、鎌倉市二階堂にある理智光寺跡が公式か(宮内庁管理地)。 近くには大塔宮を祀る鎌倉宮 [6] もある。

     解説板 [1] には雛鶴姫が大塔宮の首級を持って落ちのびたとある。 富士吉田市の隣、都留市には雛鶴姫のものとされる墓所が。 都留市立図書館 [7] の情報によると、雛鶴姫は大塔宮の側室である南の方。 大塔宮の首級を携え従者と共に落ちびる道中、都留市の朝日曽雌で落命。近くに雛鶴神社が建立。 姫の死後、従者などにより小室浅間神社に大塔宮の首は埋葬されたのか。 ちなみに、都留市の石船神社には親王のものとされる首級が祀られています。 都留市に巨木巡りで訪れる際は必ず参拝してみたい。