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行塚の大榎
巨木の写真
巨木の詳細情報
巨木の名前 | 行塚の大榎 | 樹種 | エノキ(榎) | |
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幹周/樹高 | 不明(幹周は目測で約8m) | 推定樹齢 | 不明 | |
保護指定 | 不明(島田の集落での保護樹木か) | 所在地 | 新潟県長岡市島田 | |
撮影日/天候 (状態) |
2016.09.03 / 晴 : 樹勢は普通.東西に3本の幹が繋がったような樹形をしている |
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アクセス | ||||
車 | ■北陸自動車道・中之島見附IC:約5km | |||
電車 | ■長岡駅(上越線・信越本線) :長岡駅~分水駅の路線バス.中野西・バス停から約2km. | |||
備考 | 大エノキから西の道路沿いに駐車スペースが設けられている。 根本の保護と、行者が眠っているという伝承から、囲いから根本に立入るのは遠慮すべき。 県や市からの文化財としての保護指定は無い様子だが、地元の人々から大切にされている様子。 | |||
近辺の観光 |
ながおか観光NAVI :長岡市の公式の観光情報サイト. 西生寺 :西生寺の公式サイト.境内に親鸞上人乳銀杏が立つ. 大杉公園 :姿の美しい巨木・蓮花寺の大杉が見所! 弥彦観光協会・弥彦浪漫:弥彦村の公式の観光情報サイト. |
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近辺の巨木 | 親鸞上人乳銀杏 / 弥彦の蛸ケヤキ / 弥彦の婆々杉 |
巨木の地図
巨木と雑記
新潟県で最も大きな穀倉地帯、越後平野(蒲原平野)。
その南部の信濃川の流域、長岡市の広大な田園地帯の中に、行塚の大榎は立っています。
さほど樹高はありませんが、広い樹冠と、約8mはある幹周の、堂々たる立姿。
県内最大級の大エノキです。
広大な田園地帯の中に1本で立つ見事な大エノキ。北に越後平野のランドマークたる弥彦山が遠望。
近くには神社の社叢(諏訪神社)。素晴らしいロケーションの場所です。
この大エノキは、私が巨木巡りの師匠と勝手に慕う、
全国6000本以上の巨木を紹介しているサイト、「人里の巨木たち」の管理人さんの思い入れ深い巨木。
新潟県に訪れる際は、是非とも拝観したい巨木の一本でした。
大エノキは、約8m近くある太い幹周の割には、樹高が低く、樹冠は広いのですが、中央に少しボリュームを欠きます。
東西に3本の幹が並んだような樹形で、根本付近から幹が分かれているため、合体木のようにも見える。
主幹を失った後、3本の側幹が成長して今の姿があるのかも。
何れにしろ、堂々たる立姿の大エノキであることには変わりなく、荘厳な雰囲気も感じられます。
大エノキの立つ場所は、行塚と呼ばれており、興味深い伝承があります。
明治初期のこと。旅の行者が、大エノキの威容と、村人たちの人情に感じ入り、
この地を終焉の地と決めました。
行者は「生仏として大エノキの下に入りたい」と村人たちに頼みます。
村人たちは行者の願いを受け入れ、鉦と粟一つかみを持った行者を箱に納め、
大エノキの根本に埋めたそうです。
行者の行為は、真言宗における入定、即身仏を目指す行為に近いものでしょう。
近く弥彦山の中腹に開かれた西生寺には、室町時代の初期に入定した、弘智法印の即身仏が祀られています。
入定という過酷な行為は、明治期から法律で禁止。
行者や行塚の記録や情報が少ないのも、村人たちが行者の意思を尊重するため、仕方なく秘匿したのかも知れません。
大エノキの根本に祀られているのは、人々の救済を祈願し、入定を果たした無名の行者。
彼の魂は、荘厳な立姿の大エノキに宿り、美しい田園とそこで暮らす人々を、今でも見守っているのです。
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