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    真上のけやき

    巨木の写真

    撮影日:2022.07.30 【01】栃木市内で最大のケヤキ、大岩の上に根差している 真上のけやき-01
    【02】 真上のけやき-02
    【03】 真上のけやき-03
    【04】 真上のけやき-04
    【05】 真上のけやき-05
    【06】 真上のけやき-06
    【07】 真上のけやき-07
    【08】 真上のけやき-08
    【09】 真上のけやき-09

    巨木の基本情報

    巨木の名前 真上のけやき [1][2]
    樹種 ケヤキ (欅)
    幹周 6.70m [3]
    樹高 25.0m [3]
    推定樹齢 800年 [1], 300年以上 [3]
    特徴 傾斜地と岩上の生育、根本付近から双幹
    保護指定 栃木市指定天然記念物
    所在地 栃木県栃木市西方町真名子
    所在施設 私有地か地元組合の山林?
    撮影日・状態 2022.07.30 : 目立つ損傷なく樹勢は良い、柵があり根本には接近不可
    アクセス
    東北道・栃木ICから約11㎞、北関東道・都賀ICから約11㎞
    電車 栃木駅 (JR両毛線・東武日光線) から約15㎞、東武佐野線・葛生駅から約15㎞
    参考情報 ■現地資料
     [1] 解説板・真上のけやき :内容は下記雑記の写真01を参照
    ■外部ウェブサイト
     [2] 栃木市ホームページ  :当巨木の情報あり
     [3] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
    ■少遠景の記録
     [4] 華厳寺のサワラ    :栃木市内で近辺の巨木

    巨木と雑記

     栃木市北部に位置する旧西片町のエリア。 谷倉山 (標高約600m) の東山麓へ続く谷間。 ここに点在する小さな集落に大ケヤキはあります。 昔このあたりにはトチノキの大木が繁茂していて、 栃の木谷や栃谷と呼ばれていたそう [1]。 植林の割合が多くなっているが、今でも緑の濃いところです。

     さて大ケヤキ。立地とあわせて中々に個性的な姿。 尾根の端である傾斜地、そこに突き出た大岩の上に根差しています。 正面にあたる南側、大岩を包み込んでいる根本には迫力がある。 横から眺める姿は、大岩に腰かけて座っているようにも見えました。 じつに面白い。 幹は正面から見ると根本付近からの双幹で右側が太い。 加えて背後に細い幹がもう一本。 3本の株立にも見える樹形です。 岩の上にも300余年。 凄まじい生命力で逆境を乗り越え、今や大岩を体の一部とせしめた。 位置によっては岩との境が分からない。 大岩から生えているかのような巨木、奇跡の大ケヤキです。

    cm-スポット名-01 【01】大ケヤキ伝承の解説板。後半は文字が削れて薄くなり、少し読み難い。

     おわりに大ケヤキの伝承について [1]。 ちょっと悲しいお話です。 平安時代末期の約800年前、源平合戦のころ。 大木隆真という武士がこの山中へ落ち延び土着した。 隆真には妻子がおり、妻は須麻、娘は嘉代という幼子であった。 隆真夫婦は嘉代を姫のように慈しみ大切に育てた。 そうして嘉代が8才を迎えたある日のこと。 忽然として姿を消してしまい、夜になっても帰ってこない。 夫婦は必死に探すも、何日経っても見つからない。 やがて悲しみの中に探し求め続け、数年が過ぎ去ったとき。 せめてもの慰めにと小さな祠を祀った。 そして何処かで大きく成長してくれていることを願い、 このケヤキを植えて祈ったという。

     大ケヤキの伝承は悲しい話です。救いがない。 だから、救われるような話の続きを空想してみました。 我が子の幸せを祈り、分身として植えられえた若木は、立派な巨樹に成長した。 これは祈願の成就を体現している。 そして大ケヤキの樹容、3本の幹にも意味がある。 苦難を乗り越え、遂に再会を果たした隆真妻子3人の魂が、この大ケヤキには宿っているのだ。 以上、蛇足でした。