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早川のビランジュ
巨木の写真
巨木の詳細
巨木の名前 | 早川のビランジュ | 幹周/樹高 | 5.2m / 30.0m [1] | |
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樹種 | ビランジュ(毘籃樹) | 保護指定 | 国指定天然記念物 | |
推定樹齢 | 300年以上 [1] | 撮影日/状態 | 2015.06.23 : 目立つ損傷なく樹勢良し | |
所在地 | 神奈川県小田原市早川字飛乱地1374(私有地) | |||
アクセス | ||||
車 | 小田原厚木道路・小田原西ICから約500m以内(東名高速・大井松田ICから約14km) | |||
電車 | JR東海道本線・早川駅から1kmと少し | |||
備考 | 早川のビランジュへ続く道の入口はアパートの駐車場の横。 その先、道は途中までコンクリートの舗装でターンパイクの下を通る。 ビランジュの背後は岩壁の急斜面で落石に注意。 近くに駐車場や広い路肩はない。 少し西側にある公園沿いの道に路肩駐車が安全。 | |||
参考情報 |
■外部ウェブサイト
[1] 巨樹巨木林データベース:バクチノキとして登録あり(2000年度の調査記録) [2] 小田原市観光協会 :市内の観光地では個人的に石垣山城跡が気になっている [3] 小田原城ホームページ :小田原城の公式サイト、園内マップの巨木の位置も表示 ■少遠景 [4] 旅日記・小田原城址公園:公園内を散策した記録、写真多め [5] 巨木・小田原城の巨木 :小田原城址公園内にある巨木群 |
巨木の地図
巨木と雑記
小田原市の名物、小田原城と石垣山城との中間地点、石垣山の北東山麓の崖に、早川のビランジュは立っています。 ビランジュは関東以西の暖地に主に自生する木で、小田原から東北部には殆ど見られず、 早川のビランジュは植物分布上その東北限にある巨木とされ、学術上貴重なものとして、国指定の天然記念物とされています。 外見の最大の特徴は、赤い幹肌。灰白色の古い樹皮が自然とウロコ状に剥がれた後に現れる赤色の地肌です。 ビランジュ(毘藍樹)はバクチノキ(博打の木)とも呼ばれます。名前の由来は、 博打に負けて衣服を剥がされるのに例えたものです。 一方、ビランジュの方の由来は、糜爛(びらん)ではないかと考えます。 それは、人体の皮膚や粘膜の表皮が欠損し炎症した状態の糜爛に、赤い地肌が見える姿が似ているためです。 なお、毘藍の意味が気になったので調べてみると、仏教用語(世界の始まりと終わりに吹く暴風)にあるようです。 暖地に自生する赤い地肌が特徴的な樹木のビランジュ。 北関東の荒川や利根川の流域を生活の場とする私にとっては、今まで一度も目にしたことがない、とても珍しい木です。 今回は、その珍しい木で全国最大級の巨木を拝観できるので、とても興奮していました。 神奈川県で特に拝観したかった巨木の1つです。 早川のビランジュは、MAZDAターンパイクと、石垣山の北東山麓の崖に挟まれた薄暗い場所に立っています。 薄暗い茂みの奥、岩壁を背にして立つ赤い巨木。 閉ざされた空間の中で静かに対峙する今まで目にしたことのない異形に、とても凄みを感じました。 古い樹皮が剥がれて露になった地肌の色は、赤というより橙(黄赤)に見えます。 この木の性質を知らなければ、表面が広範囲に腐食していると思ってしまうかもしれません。 急斜面で巨体を支える根元は逞しく隆起し、南国の木らしく板根化しそうな勢いです。 岩壁に閉ざされて日当たりの悪い場所ですが、 風当たりが弱く、小さな沢が流れて水はけがよいのが、時間をかけて巨大化できた原因かもしれません。 この貴重な巨木を落ち着いて静かに眺めていると、 森の奥に祀られた岩壁の前に立つ赤い祭壇のように神聖なものに見えてくるのでした。 一度見たら忘れられない巨木の1つです。
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