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上野村の大椎
巨木の写真
巨木の詳細
巨木の名前 | 上野村の大椎 | 幹周/樹高 | 8.9m / 24m | |
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樹種 | スダジイ(すだ椎) | 保護指定 | 千葉県指定天然記念物 | |
推定樹齢 | 700~800年(伝承) | 所在地 | 千葉県勝浦市名木(寂光寺) | |
撮影日/天候 |
2016.07.02 / 晴 / 季節の違いか前回よりも元気そうに見えた.宿木も青々としている 2010.01.16 / 晴 / 堂々たる立姿だが内部では腐朽が進行.急ぎ枯枝の除去や防腐処理が必要か |
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アクセス | ||||
車 | 中央連絡自動車道・市原鶴舞ICから約33km、富津館山道路・鋸南保田ICから約40km | |||
電車 | 上総興津駅(JR外房・わかしお線)から約5.7km、周辺にバス停なし | |||
備考 | 小さな駐車スペースあり、勝浦市の上植野という地区だが、寂光寺は名木という地区の飛び地 | |||
参考情報 |
【 外部ウェブサイト 】
勝浦市観光協会 :海岸の景勝地が多い、鵜原理想郷が特におすすめ 清澄寺ホームページ:鴨川市を代表する名刹、境内に大スギあり 【 少遠景 】 清澄の大スギ :鴨川市の清澄寺にある関東最大の大スギ、併せて訪れておきたい巨木 |
巨木の地図
巨木と雑記
上野村の大椎は、千葉県内でも最大級のスダジイの巨木であり、その立姿は古木らしく威厳と風格が極立つ名木。
場所は、県内の南部、太平洋に面した、海の観光と漁業の盛んな勝浦市です。
房総半島の東南、太平洋に面した勝浦市。
海岸線は、関東沿岸では珍しいリアス式海岸が多く、
そこには景勝地の公園や、小さな湾の美しい海水浴場が点在しています
(鵜原理想郷、かつうら海中公園、守谷海水浴場など)。
漁業が盛んな地域で、勝浦漁港は、カツオの水揚量が日本有数。
勝浦港近くの商店街では朝市が開かれ、新鮮な海の幸のほか、地元の野菜を購入することも。
ちなみに、市のマスコットキャラは、魚のカツオをモデルにした「カッピー」。
勝浦市の内陸部は森林に覆われた丘陵地で占め、夷隅川の流れる河岸段丘沿いに、農地や宅地が続いています。
夷隅川の上流部は、市内の東に位置する上野地区。かつては上野村と呼ばれ、
この地域に建つ寂光寺の御神木が、上野村の大椎です。
なお、寂光寺の場所は、上植野地区の中にある名木地区の飛び地となっています。
大シイの樹齢は700~800年と推察されています。
寂光寺の社伝によれば、日蓮聖人が、この地に訪れ7日間の布教をされたとき、
大シイは既に寺の主木としてあったと伝えられているそうです。
ちなみに、お隣の鴨川市は、日蓮聖人の生誕地であり、
日蓮宗の立教開宗の地で大スギもある清澄寺があります
(清澄の大スギ)。
大シイは、幹の太さと高さ共に、申し分のない大きさの立派なスダジイの巨木。
地上から4m付近で、二つの幹に大きく分かれた樹形。
格別に古い樹齢を体現したような、風格と威厳のある古木でもあります。
見事な立姿ですが、古木の宿命である損傷、枝の折損や、幹の空洞化が進行しています。
特に損傷の激しい幹の北西部は、空洞の開口部となっており、上部にはかつて大枝があり、
そこから根元まで裂けている様子。幹の中腹には大きな宿木が枝を広げており、
空洞の開口部には、地面まで伸びているその根を見ることができます。
立派で力強い立姿の影で、進行する土への回帰。
徹底した腐朽箇所の除去や、防腐処理を行うと、
今の神々しささえ感じる姿は大きく変わってしまうことでしょう。
素晴らしい巨木に立ち会えた喜びの他に、
少しだけ寂しさや、人生の教訓めいたものも感じさせる巨木でした。
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