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府馬の大クス
巨木の写真
巨木の詳細情報
巨木の名前 | 府馬の大クス [1][2][3][4] |
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樹種 | タブノキ(椨) | |||
幹周 | 15m [2][4], 8.57m [3] | |||
樹高 | 16m [2][4], 13m [3] | |||
推定樹齢 | 1300~1500年 [1][2] | |||
特徴 | 太い主幹、齢千年の古木らしい立姿 | |||
保護指定 | 国指定天然記念物 | |||
所在地 | 千葉県香取市府馬 | |||
所在施設 | 宇賀神社、大クス展望公園 | |||
撮影日・状態 | 2018.01.30 : 2013年の台風26号で北側の側幹が東側の根本まで折損、傷跡は同年から治療 2009.02.28 : 主幹に空洞と複数の大枝の欠損、2003年から2004年に大規模な樹勢回復工事 | |||
アクセス | ||||
車 | 大栄IC(東関東自動車道)から約24.6km | |||
電車 | 小見川駅(JR成田線)から約7km、以下路線バスを利用可能 | |||
バス | バス停・小保内から約600m 千葉交通の路線バス府馬線に小見川駅から乗車 | |||
参考情報 | ■現地資料 [1] 案内板・大クス展望公園 :駐車場に面した当公園の案内板、以下写真7を参照 [2] 配布テキスト・府馬の大クス:現地配布資料、以下の写真8と9を参照 ■公式ウェブサイト [3] 巨樹巨木林データベース :2000年度の調査記録(香取市教育委員会社会教育係) [4] 香取市ホームページ :現地配布テキストと同様の府馬の大クスの詳細情報あり ■少遠景の記録 [5] 巨木・波崎の大タブ :利根川を挟んだ隣町、茨城神栖市にあるタブノキの巨木 |
巨木と雑記.大クスの周囲景観と現地資料
ここに訪れたら先ずは府馬の鎮守である宇賀神社の前で礼拝。 次に大クスを満足いくまで拝観した後に、周囲を散策してみましょう。 大クス展望公園として整備されています。 社の近くに建つ大クス資料館という小屋には、興味深い資料 [2] が配布されていることもあります。 大クスから北西側には子グスと呼ばれる見事なタブノキの巨木 [2][4]。 西側広場にある展望台からは、北に広がる谷津の景観、麻績千丈ヶ谷 [1] を見渡せます。 奥には鹿島臨海工業地域の煙突群も遠望。 駐車場は集落の北側にもあり、小道で公園と繋がっています(地図参照)。
巨木と雑記.大クスと当地の歴史
田園地帯に面して入り組む丘陵地、谷津の景観が広がる地域。 利根川の下流域で顕著な地形、縄文海進の頃は低地の田園地帯は入り江で、海蝕の名残がある地形です。 標高約40mの丘の上に大クスは立っています。 山ノ堆という地名が指すように、北の田園側から見れば小山です。 [1] 宇賀神社は創建が宝亀4年(773)とされる府馬地区で最古の神社。 祭神は宇気母知神。 大クスが神社の御神木とされることが、1000年を超える樹齢の根拠でしょうか。 一帯は中世に千葉一族の府馬氏が拠点とした地域。 西側には府馬城跡があり、大クス展望公園の一角からも府馬城に関わる遺構が発掘。 ここも曲輪の一部だったか。 大クスは江戸時代後期には名木として知られていたようで、 当時に刊行された下総名勝図絵に姿が描かれています。 古くから御神木として信仰されてきた証、根元には正徳元年(1711)の石祠が埋もれています。 [1][2][4] 府馬の大クスの樹種はタブノキですが、 大正15年の天然記念物の指定時にクスノキとして登録。 後にタブノキと判明した後も、大クスという名前が定着しています。 クスノキとタブノキの違いは樹皮と葉で見分けられるでしょう。 樹皮はクスノキが細かな縦の裂け目が顕著で、 タブノキは白っぽい印象で大木になると所々が鱗状に剥離。 葉はクスノキの方が丸みを帯びた楕円形をしています。
巨木と雑記.大クスの感想(2009年2月時点)
初めてこの巨木を前にしたとき、傷つきながらも力強さのある荘厳な立姿に圧倒されました。 幹には大きな空洞があり、複数の大枝と主幹上部を欠損しているものの、目を惹き付ける威容。 荒波のように隆起した根、タブノキとしては破格の太い単幹。 神々しい最盛期の姿を偲ばせる部位がよく残っおり、 懸命に若枝を立ち昇らせています。 壮絶な命の歴史を重ねて、美しく老いて生を全うしていく立姿に深い感銘を受けました。
巨木と雑記.大クスの感想(2018年1月時点)
約9年後の再訪は、2013年10月の台風26号による大きな損傷後のこと。 外観は変わりましたが、予想より樹勢の衰えは感じさせない。 失った北側の主幹上部は腐朽していた部位が多かったことと、 長年にわたる樹勢回復の措置と、損傷後すぐの治療が功を奏しているのでしょう。 特に驚いたのが損傷跡の修復面。 東側の根元まで達しているのですが、とても自然な外観に整えられているのです。 空洞を埋めた後に表面を樹皮に見えるように整形。 これには倒壊した部位から採取した木片も使っている? 充填剤むき出しのままや金属板で覆うよりも、極めて粋に感じられる仕事ぶりに感動しました。
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