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大室吉祥院のカヤ
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 大室吉祥院のカヤ (仮) |
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樹種 | カヤ (榧) | |||
幹周 | 4.85m [2] | |||
樹高 | 20.0m [2] | |||
推定樹齢 | 500~600年 [1] | |||
特徴 | 単幹、円筒形の樹冠、下枝多い | |||
保護指定 | 不明 | |||
所在地 | 千葉県柏市大室 | |||
所在施設 | 吉祥院 (薬王山金剛密寺吉祥院龍月坊) | |||
撮影日・状態 | 2022.11.06 : 目立つ損傷なく樹勢は良い様子、樹冠の上部が少し疎らな印象 | |||
アクセス | ||||
車 | 常磐道・柏ICから約4km | |||
電車 | 柏たなか駅 (つくばエクスプレス) から約1km 柏駅 (JR上野東京ライン・JR常磐線・東武野田線) から約6km | |||
参考情報 | ■外部ウェブサイト [1] 柏市公式サイト :吉祥院の情報あり [2] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2000年度の調査記録) [3] 円東寺公式サイト :千葉県流山市の寺院、畠山誠之氏の作である立木観音あり [4] 千葉日報公式サイト :円東寺の立木観音の記事を参考 ■少遠景の記録 [5] 大青田香取神社のカヤ :柏市内、社殿の背後に静かに佇むカヤ古木 |
巨木と雑記.柏市内で最古級の巨木を有する寺院
柏市の北部に位置する大室地区。 柏たなか駅から東に広がる住宅地に吉祥院 [1] はあります。 奈良県桜井市の長谷寺を本山とする真言宗の古刹。 創建年代は不詳ながら、現住職は57代目という長い歴史を持ち、 徳川家康が寝泊まりしたという記録があるそうです。 明治時代には尋常小学校が置かれたことからも、 当地の中心的存在であった寺院。 その本堂前には、柏市内で最古級とみられる巨木が一本あります。 カヤの古木らしい風格たっぷりの佇まい。 市街地ながら背が高く樹勢は良い。 下枝も多く、樹下に厳かな空間をつくっています。
巨木と雑記.大ケヤキから顕現した薬師如来
大室吉祥院の参拝では感動的な出会いがありました。 仏像彫刻師の方がいらしたのです。 境内入口には2本の大ケヤキがあり、そのうち西側のものは枯れてしまい伐採。 残した根本が薬師如来像として生まれ変わります。 仏師の方は畠山誠之氏。 令和元年 (2019) 12月から鑿を入れ始め、いま完成が近づいています。 とても勇ましい姿のお薬師様。 穏やかで慈悲深い表情ながら、足下に荒々しい双龍を従えている。 南無雲流立木薬師如来。 畠山氏がこのお薬師様に込めた思いは、 コロナ渦などの災厄を鎮め、人々に安寧を与えて下さる事と伺いました。 災厄を吹き飛ばす、強くて優しい令和のお薬師様。
畠山氏による荘厳な立木薬師如来坐像。 その制作には大きな問題があったそうです。 材となるケヤキは空洞化していて中心部分が使えない。 空洞や腐朽している部分を除いた、扁平な材だったのです。 その材を損なうことなく真摯に向き合い、 想像を絶する創意工夫で、思い描いたお薬師様を顕現なされた。 困難な出自を経たお薬師様、その厄除けの御利益は篤そうです。 ちなみに、畠山氏は県内で他にも立木の仏像を彫られました。 千葉県流山市にある円東寺 [3] の立木観音です。 材は境内に根差していたイチョウの巨木。 東日本大震災で亡くなった人達への、冥福を祈る心で彫られた十一面観音立像。 毎年3月11日に御開帳となります。 慰霊の気持ちがある人、 被災地となった故郷を想う人など、参拝してみてください。
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