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広瀬の大なら
巨木の写真
巨木の詳細情報
| 巨木の名前 | 広瀬の大なら [1] |
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|---|---|---|---|---|
| 樹種 | コナラ(小楢) | |||
| 幹周 | 6.15m [1], 5.63m [2] | |||
| 樹高 | 24.85m [1], 28m [2] | |||
| 推定樹齢 | 350年 [1] | |||
| 特徴 | 肥大した根本 | |||
| 保護指定 | 山梨市指定天然記念物 | |||
| 所在地 | 山梨県山梨市三富川浦(旧・三富村) | |||
| 所在施設 | 国道沿いの私有地(見学可) | |||
| 撮影日・状態 | 2016.08.26 : 近年に強風などで幹の上部と大枝の一部が折損してしまった | |||
| アクセス | ||||
| 車 | 中央自動車道・勝沼ICから約27.5km | |||
| 電車 | JR中央線・山梨市駅から約24km、タクシーかバスを利用 | |||
| バス | 西沢渓谷線・新地平から約200m、山梨市駅から西沢渓谷行に乗車 | |||
| 参考情報 | ■現地資料 [1] 解説板・広瀬の大なら :幹周・樹高・樹齢のほかに由来など記載 ■公式サイト [2] 巨樹巨木林データベース:2000年度の調査記録 ■少遠景・巨木巡り [3] 杣口のサワラ林 :小鳥山の麓の谷間に広がるサワラの原生林、幽玄な雰囲気 [4] 不動滝のトチノキ :埼玉県秩父市、旧大滝村域にあるトチノキ | |||
巨木と雑記
山梨県で最大級のコナラの巨木・広瀬の大なら。
県内の北部に位置する山中、広瀬ダムの畔に立っています。
大ナラの立つ三富川浦の地区は、長野県と埼玉県との県境にも接する、
甲武信ヶ岳(2457m)を盟主とした奥秩父の主脈が聳える深い山域。
原生林に覆われた雄大な山脈、その合間に抱かれた美しい渓谷や滝。
登山者にも人気の風光明媚な山里です。
大ナラの立つ間近、広瀬ダムの左岸を通る国道140号線は、奥秩父主脈をトンネルで貫通。
ちょうど、雁坂峠(標高2082m)の下を、
雁坂トンネル(全長6.6kmの有料道路)で貫き、埼玉の秩父市と繋げています。
1988年にこのトンネルが開通するまでは、秩父と繋ぐ自動車道がなく、
雁坂峠を越える登山道が、国道140号線に指定され、
秩父往還と呼ばれ、江戸時代には番所が置かれいました。
秩父往還の峠越えの道中に立つ大ナラは、多くの旅人達の姿を見つめてきたのでしょう。
大ナラの立つ広瀬の集落は、明治期に発足した旧・三富村の地域。
養蚕や林業を生業とした集落で、大ナラは山の神が宿る御神木とされてきました。
太い根本の幹には空洞があり、そこには大山祇神(オオヤマツミノカミ)が祀られたそうです。
昭和初期には、塩山駅から集落から軌道が開かれ、木材の大きな産地となりました。
しかし、昭和50年(1975)に広瀬ダムが建造され、集落の中心地はダム湖の底に。
その後、地域の暮らしは、果樹栽培や、観光業へ移行(2005年には山梨市に合併)。
立派な国道が開通し、時代の流れが加速していったのです。
大ナラを訪れて、まず驚いたのは、まだ新しく見える生々しい幹の傷跡。
どうやら、2015年に強風か積雪によるものか、主幹の上部と中腹の大枝が折損した様子。
大きな円形の樹冠を広げていた大枝の中でも、特に立派なものが失われた様子。
半円形となりボリュームを欠いて、立姿は往時より寂しくなってしまいました。
しかし、根本に空洞はあるものの、主幹はまだしっかりとしています。
傾斜地に隆起した根や太い幹は迫力があり、健在な枝も少なくありません。
県内で最大級のコナラの巨木の威厳は保たれています。
集落では、毎年5月17日、大ナラの元で山の神を祀る祭事が行われ、
今も信仰は続いています。
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