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    大沢の地鎮杉

    巨木の写真

    撮影日(2019.09.02) 【01】平野部に近い田畑や集落のある立地では県内最大級の大杉 大沢の地鎮杉-01
    【02】 大沢の地鎮杉-02
    【03】 大沢の地鎮杉-03
    【04】 大沢の地鎮杉-04
    【05】 大沢の地鎮杉-05
    【06】 大沢の地鎮杉-06
    【07】 大沢の地鎮杉-07
    【08】 大沢の地鎮杉-08
    【09】 大沢の地鎮杉-09

    巨木の詳細情報

    巨木の名前 大沢の地鎮杉 [1]
    樹種 スギ(杉)
    幹周 11.8m [3]
    樹高 30m [1][3]
    推定樹齢 500~800年 [1]
    特徴 東西2本の株立のような樹形
    保護指定 富山県指定天然記念物
    所在地 富山県魚津市大沢
    所在施設 私有地
    撮影日・状態 2019.09.02 : 複数の枝の欠損と主幹に空洞があるが残っている部位の樹勢は良い
    アクセス
    北陸自動車道・魚津ICから約10.5km(黒部ICからは約13km)
    電車 あいの風とやま鉄道・魚津駅から約10km(黒部駅からは約8km)
    参考情報 ■現地資料
     [1] 解説板・大沢の地鎮杉 :上記写真09を参照、幹周・樹高・樹齢・樹形・由緒など記載
    ■書籍
     [2] 埋没林のはなし    :著者・麻柄一志、発行・魚津埋没林博物館(館内で購入)
    ■公式ウェブサイト
     [3] 巨樹巨木林データベース:2000年度の調査記録
    ■少遠景の記録
     [4] 巨木・黒沢稲荷神社の杉:同じ黒沢地区の近くにある立山杉の巨木
     [5] 巨木・洞杉巨木群   :片貝川上流、南又谷の山中にある立山杉の巨木群

    巨木と雑記.富山県内における立山杉の巨木の分布

     富山県で最初の巨木巡りで訪れたのは魚津市。 一番の目当ては立山杉の巨木が茂る原生林、南又谷にある洞杉の巨木群 [5] に訪れることでした。 他にも立山杉の巨木の群生地を調べてみると、殆どが標高1000m以上の山中。 寒冷な多雪地に適応している樹種であることが分かります。 また、険しい山中の立地と用材に適さない暴れた樹形から、伐採を逃れたという理由もありそう。 特に知られているのは、黒部アルペンルートの玄関口、美女平の原生林でしょうか。 幹周10mクラスの立山杉があるのは以下。いつか全て巡ってみたいと考えています。

    ・南又谷 :標高約500~700m(魚津市、片貝川上流の渓谷、洞杉群)
    ・美女平 :標高約1000m~1200m(立山町、黒部アルペンルートの玄関口)
    ・松尾平 :標高約1000m(上市町、剱岳の登山口、早月尾根の手前)
    ・細蔵山 :標高約1200m前後(上市町、標高1551mの山頂から東尾根)
    ・中山  :標高約1200m前後(上市町、標高1255mの山頂の周辺)
    ・高清水山:標高約1000m(南砺市、標高1145mの山頂から西尾根、縄ヶ池登山口近く)

     富山県内では一部の寺社の境内を除いて、平野部ではスギの巨木はあまり残っていない様子。 その点、丘陵地の標高約160mの地点ですが、田畑と集落のある平坦地に残る、 大沢の地鎮杉は貴重な存在といえるでしょう。 参考文献・埋没林のはなし [2] によると、 県内の弥生時代から古墳時代の遺跡の土壌からは、スギ花粉が大量に検出。 また富山湾岸の魚津埋没林は、スギを主体とした約1700~1100年前の原生林の跡。 古代の富山には海岸部から山間部まで、スギの原生林が広がっていたのです。

    巨木と雑記.大沢の地鎮杉

     洞杉群 [5] を見た後だと少し印象が薄くなるかもしれません。 それでも、ウラスギの特徴をよく示した幹周10m超えの、堂々たる立姿の見事な大スギです。 多数の大枝と主幹上部を失い空洞もある様子ですが、全体的に樹勢は良さそうな様子。 最盛期は今の倍ほどもある広大な樹冠を誇っていたことでしょう。 解説板 [1] によると名前は、平家の落人である大沢氏が鎮守として植えたことに由来。 老樹の巨体を支える数多くの鉄柱、幹の丁寧な修復跡、周囲の広い空間。 今も集落の御神木として、人々から大切にされていることが伝わってきました。