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小杉の大杉
巨木の写真
巨木の基本情報
巨木の名前 | 小杉の大杉 (曲川の大杉) [2][3] |
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樹種 | スギ(杉) | |||
幹周 | 7.71m [2], 6.30m (根周) [3][4] | |||
樹高 | 20.0m [2][3][4] | |||
推定樹齢 | 1000年 [3][4] | |||
特徴 | 大きくて丸っこい樹冠 | |||
保護指定 | 鮭川村指定天然記念物 | |||
所在地 | 山形県最上郡鮭川村曲川 | |||
所在施設 | 私有地(農地の中、見学可) | |||
撮影日・状態 | 2013.08.04 : 樹勢良好、近くに立派なトイレ付きの駐車場まである、鮭川村にとって大切な巨樹 | |||
アクセス | ||||
車 | 東北中央自動車道・新庄ICから約18㎞(駐車場あり) | |||
電車 | R新庄駅から約15㎞ | |||
参考情報 | ■書籍 [1] 新庄古老覚書 :原著・田口五左衛門、改定・常葉金太郎(国立国会図書館DCで閲覧可能) ■外部ウェブサイト [2] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり(2000年度の調査記録) [3] 鮭川村ホームページ :当巨木の情報あり [4] 最上地域観光協議会 :当巨木も含め、最上地域の巨木情報が豊富なサイト ■少遠景の記録 [5] 幻想の森 :ウラスギの巨木を一度にたくさん見られる森(戸沢村) |
巨木と雑記.中身も凄いトトロの木
小杉の大杉は近年に山形県内でも有名になってきた巨木。 根本まで覆う大きくて丸っこい樹冠、双耳のように見える梢。 そう、スタジオジブリの制作映画「となりのトトロ」に出てくる森の主に輪郭が似ているのです。 普段は巨木に興味のないような人も遠くから訪れてくる。 この日も子連れの家族が2組訪れていました。 トトロ効果で子供にも大人気の大杉。 なお、樹冠が最もトトロらしく見えるのは、少し南西側に離れた木道とベンチのあるところです。 トトロの木という可愛らしい通り名が付いていますが、 雪国で数百年も生きてきた剛の者。 個性あるウラスギの巨木です。 樹冠の内側を覗いてみれば、見事な枝ぶりの大杉が姿を現す。 主幹の両側には根本から立ち昇る側幹が2本。 湾曲した枝がびっしりと密集する様は壮観です。 外からはうかがい知れない樹下は別世界。
巨木と雑記.郷土誌に記された伝承
大杉の根本には山神の社。 古くから大切にされてきた集落の御神木であり、今は鮭川村の観光資源としても活躍。 そんな大杉には、縁結び、夫婦円満、子宝などの信仰があるほか、 伐れば災いが起こるとも信じられていたそう。 そのことが享保年間(1716~1736)に編纂された郷土誌、 新庄古老覚書 [1] に記されています。 以下、古書にある巻之二・第二十「曲川の大杉」にある主な内容。 新庄藩の殿様が、正月に曲川村の山奥へ鹿狩りに出かけた際のこと。 急な大吹雪に遭い、村の案内人に引かれて大杉の樹下へ避難。 一行は15人連れであったが、 外から幹が見えないほど茂った枝葉により風雪を凌げた。 この大杉に興味を持った殿様に、案内人は語り歎願する。 曲川の大杉と呼ばれ昔は2本あったが、 うち1本は山形藩主の最上義光の知るところとなり伐採。 伐り出しに3年かかり、最上川の水運で山形へ引き出された。 以後、西澤目の村々は困窮に陥るようになり、その苦しみは今でも続く。 このため、残った大杉も伐ったら大変なことになる。 どうかこの大杉のことは御内密にと。 その後、殿様一行が大杉から立去り遠く離れたとき、 その立姿は枝葉も木振も常立木のように見えたという(?)。 何れにしろ昔より神木とされ後世へと残されてきたものである。 以上伝承の最後「常立木」とは、普通の杉らしく見えたということでしょうか。 主幹が根本から中腹付近まで外から見えていて、枝下が高い位置にあるような。 これは避難してきた殿様たちを、地面まで枝を下げて吹雪から守ってあげたという神秘か。 樹形の特徴に基づく神格を高めるための創作か。 それでも想像すると胸が熱くなります。心優しきご神木。
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