巨木TOP / 宮城 / 称名寺のしいのき
称名寺のしいのき
巨木の写真
巨木の詳細
巨木の名前 | 称名寺のしいのき[1] |
|
||
---|---|---|---|---|
樹種 | ツブラジイ(円ら椎) | |||
幹周 | 10.15m[4] | |||
樹高 | 14m[4] | |||
推定樹齢 | 600年[1] 700年以上[5] | |||
特徴 | 隆起した根本と横這いの大枝 | |||
保護指定 | 国指定天然記念物 | |||
所在地 | 宮城県亘理郡亘理町旭山 | |||
所在施設 | 称名寺 | |||
撮影日・状態 | 2017.09.14 : 近年に複数の枝先を失った様子だが全体的に樹勢は良い | |||
アクセス | ||||
車 | ■白石IC(東北道) :距離約23.5km ■鳥の海IC(常磐道):距離約5km | |||
電車 | ■亘理駅(JR常磐線):距離約2km(徒歩で約25分) | |||
参考情報 | ■現地資料 [1]称名寺境内図 :境内の入口付近に設置 [2]石碑・称名寺のしいのき:樹齢や天然記念物の指定日を刻む [3]柴田親子の墓 :境内墓地に立つ大シイの根元 ■Web [4]巨樹巨木林データベース:幹周と樹高を引用(調査年1988) [5]亘理町(公式) :町内の文化財の紹介に称名寺あり [6]わたり温泉・鳥の海 :太平洋に面した汽水湖・鳥の海に面した展望の温泉施設 |
巨木と雑記1.北国育ちの国内有数の大シイ
東北地方には巨木巡りで訪れたくなるような椎の巨木は無いと思っていました。 それは寒冷な気候が暖地を好む植生に向かないため。 しかし、宮城県の亘理町にある称名寺の大シイは、 巨樹DB[4]の記録上、東北最大にして全国でも有数の椎の巨木。 幹周10メートルに及ぶものは関東地方でも希少。 その成育環境を含めた希少性と見事な巨木ぶりから、国の天然記念物の指定を受けたのでしょう。 ちなみに、亘理町は県内でも温暖な気候の地域らしい[5]。 北にある仙台市も、よく東北では暮らしやすい気候と言われる場所。 称名寺の立地は、東側は太平洋に面した平地、西側に冷たい西風を防いでくれそうな丘陵。 以外と生育条件は良く、そしてツブラジイという樹種は耐寒性がある?
巨木と雑記2.大シイの感想
称名寺の本堂前に立つ大シイ。 北国の育ちでも、椎の南国らしい雰囲気を感じさせる堂々たる立姿。 寺社の境内というより、山中に息づく巨木のような野趣、荒々しさを持っています。 激しく複雑に隆起した根は絡み合い、波打つ筋肉のような幹と大枝へと練り上がっていく。 鎌倉武士により植えられたと伝わる大シイ[5]。 永く厳しい戦に耐え抜いた、古強者のような貫禄もある素晴らしい巨木でした。 以下、樹齢700年以上とされる大シイの来歴[5]。 大シイは鎌倉時代に、武田氏が称名寺を創建する際に植樹されたものと伝わる。 武田氏は後に亘理伊達氏となる、亘理郡の礎を築いた仙台藩の一門。 亘理要害と呼ばれた城館は、現在の亘理神社の周辺にあった(亘理駅から東で県道10号沿い)。
巨木と雑記3.亘理町のお勧めの場所「鳥の海」
私が称名寺の後で訪れた、亘理町でお勧めの場所を紹介。 阿武隈川の河口のすぐ南にある汽水湖・鳥の海。 ここには荒浜漁港があり、海の幸や名物の「はらこ飯」が食べられるお店もある場所。 そして、汽水湖の入口にあるのが「わたり温泉・鳥の海」。 日帰り温泉のほか、食事と宿泊もできる施設。 5階の露天風呂は、汽水湖や太平洋を眺めることができて、とても気持ちが良いものでした。 2011年の震災で汽水湖を囲む荒浜地区は、町内でも特に津波の被害が大きかった場所。 海沿いには津波の爪痕である全壊して撤去された家屋や施設の跡、更地が広がっていました。 わたり温泉は頑丈な建物のため津波に耐え、 従業員と客は5階に避難して無事であったそうです(河北新報の報道より)。 2017年の訪れた時点で、わたり温泉は完全復旧して営業中。 汽水湖の周囲でも、営業再開している港の施設や飲食店が多く見られました。 荒浜地区は県内でも温暖な地域の亘理町で、 阿武隈川の河口と大きな汽水湖、海水浴場もある風光明媚なところ。 往時の活気を少しでも取り戻せるよう祈ります。
宮城TOP | △TOP | 前へ戻る |