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    智満寺の十本杉

    巨木の写真

    十本杉(大杉・達磨杉・盛相杉・一本杉)(2018.02.26) 【01】智満寺の境内地である千葉山の山中.右が大杉で中央奥が達磨杉. 智満寺の十本杉-01
    【02】大杉 智満寺の十本杉-02
    【03】大杉 智満寺の十本杉-03
    【04】達磨杉 智満寺の十本杉-04
    【05】達磨杉 智満寺の十本杉-05
    【06】盛相杉 智満寺の十本杉-06
    【07】盛相杉 智満寺の十本杉-07
    【08】一本杉 智満寺の十本杉-08
    【09】一本杉 智満寺の十本杉-09
    十本杉(経師杉・常胤杉・雷杉)(2018.02.26) 【01】経師杉の樹上は十本杉の中でも印象的.下枝が多く残る. 智満寺の十本杉-01
    【02】経師杉 智満寺の十本杉-02
    【03】経師杉 智満寺の十本杉-03
    【04】常胤杉 智満寺の十本杉-04
    【05】常胤杉 智満寺の十本杉-05
    【06】常胤杉 智満寺の十本杉-06
    【07】雷杉 智満寺の十本杉-07
    【08】雷杉 智満寺の十本杉-08
    【09】雷杉 智満寺の十本杉-09
    十本杉(頼朝杉・子持杉・開山杉)とその他の巨木(2018.02.26) 【01】仁王門の向かって左側に立つ瑞雲クス.根本の大きな洞が特徴. 智満寺の十本杉-01
    【02】瑞雲クス 智満寺の十本杉-02
    【03】鐘楼脇のクス 智満寺の十本杉-03
    【04】鐘楼脇のクス 智満寺の十本杉-04
    【05】智満寺の大銀杏 智満寺の十本杉-05
    【06】智満寺の大銀杏 智満寺の十本杉-06
    【07】頼朝杉 智満寺の十本杉-07
    【08】子持杉 智満寺の十本杉-08
    【09】開山杉 智満寺の十本杉-09

    智満寺と十本杉(大杉)の基本情報

    巨木の名前 智満寺の十本杉[3]
    樹種 スギ(杉)
    幹周 9.5m [3][5]
    樹高 40m [3][5]
    推定樹齢 800年以上[3]
    特徴 現存する十本杉で最大、単幹で背が高い
    保護指定 国指定天然記念物
    所在地 静岡県島田市千葉254
    所在施設 智満寺の境内
    撮影日・状態 2018.02.26 : 現存する7本のうち、大杉、達磨杉、一本杉が特に樹勢が良い様子
    アクセス
    ■藤枝岡部IC(新東名)    :約18.8km
    電車 ■藤枝駅(東海道本線)     :約9.5km、タクシー利用を推奨
    バス ■尾川バス停(静鉄バス・大津線):島田駅~尾川、下車後徒歩約5km
    参考情報 ■現地解説板
    [1]千葉山智満寺     :境内入口の石段と清水の前、由緒や行事など記述
    [2]智満寺の豆知識    :本堂間の広場、寺の概説を分かり易い文章で記述
    [3]智満寺の十本杉    :本堂間の広場、十本杉の幹周や樹齢について記述あり
    [4]智満寺の大銀杏跡   :庫裡の手前、大イチョウについての解説
    ■Web
    [5]巨樹巨木林データベース:調査年2000、千葉山智満寺の十本杉とクスノキの記録
    [6]千葉山智満寺     :智満寺の公式ウェブサイト
    [7]島田市        :島田市・市役所の公式ウェブサイト

    全ての巨木情報

    名称 樹種 幹周 (m) 樹高 (m) 樹齢 (年) 状態 天然記念物
    十本杉・頼朝杉 9.7 [3] 9.26 [5] 36 [3][5] 800 >[3] 倒壊(根株残存) 国指定
    十本杉・子持杉 不明 不明 800 >[3] 倒壊 国指定
    十本杉・開山杉 11 [3] 不明 800 >[3] 倒壊 国指定
    十本杉・大杉 9.5 [3][5] 40 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    十本杉・達磨杉 7.0 [3][5] 30 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    十本杉・盛相杉 7.8 [3] 7.62 [5] 40 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    十本杉・一本杉 8.5 [3][5] 45 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    十本杉・経師杉 7.3 [3] 7.38 [5] 36 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    十本杉・常胤杉 7.2 [3][5] 30 [3][5] 800 >[3] 健在(幹に亀裂) 国指定
    十本杉・雷杉 8.5 [3][5] 36 [3][5] 800 >[3] 健在 国指定
    瑞雲クス [5] 7.3 [5] 20 [5] 不明 健在 不明
    鐘楼脇のクス(仮) 6.6 [5] 19 [5] 不明 健在 不明
    智満寺の大銀杏 公孫樹 7.0 [4] 30 [4] 500 [4] 倒壊(若木有り) 県指定

    巨木と雑記.千葉山智満寺

     静岡県の中央部、大井川の下流域に位置する島田市。 駿河と遠江の境となった大井川の渡渉地点、東海道の主要な宿場として、古くから栄えてきた宿場町。 今も残る古い町並みの一部は、国指定史跡の川越遺跡として景観が守られています。 町の南部には、日本最大の茶園である牧之原大茶園(掛川市と牧之原市にまたがる)。 地平線まで続くような美しく広大な茶畑は、一見の価値あり。[7]

     島田市の市街地へ北から裾野を伸ばすのが、智満寺の開かれた千葉山(標高496m)。 奈良時代の宝亀2年(771)に広智上人により開創。 鎌倉時代には源頼朝の重臣である千葉氏により中興。 千葉氏の功績により、当初の宝亀山から千葉山と号されるように。 奥深い山中の立地、山頂の奥ノ院に祀る守護神の阿修羅坊大権現、 境内に勧請された日吉神社など、天台密教の特色を示す古刹。 行基作とされる千手観音像の本尊と、天正17年(1589)に徳川家康により再建された本堂は、国指定重要文化財。 [1][2][6]

    智満寺境内01 立派な本堂は天正17年(1589)に徳川家康により再建されたもの.国指定重要文化財.屋根は茅葺. 本堂には倒れた頼朝杉から彫られた弥勒菩薩座像も安置されている.
    本堂前の広場 智満寺境内02
    薬師堂 智満寺境内03
    日吉神社 智満寺境内04
    奥ノ院 智満寺境内05
    解説板 智満寺境内06
    解説板 智満寺境内07
    解説板 智満寺境内08
    山中案内図 智満寺境内09

    巨木と雑記.十本杉

     大木が集う森厳な空気に満ちた千葉山の、盟主たる巨樹が国指定天然記念物の十本杉。 本堂前から山頂まで約30分。大杉から逆時計回りに現存する7本を拝観(頼朝杉・子持杉・開山杉は倒壊)。 深い山中で奥ノ院を囲むように並ぶ御神木。 その神々しい立姿には、ここが特別な霊場であることが強く伝わってくる。 静岡県の中央部で、特に訪れたかった巨木の聖地です。

     十本杉の中で特に強い感銘を受けた4本について。 大杉は現存する中で最大のもの。 根周りは15m近くもある素晴らしく太い幹。 今後の十本杉の看板を担うに相応しい、見事な立姿でした。
     大杉のすぐ北に位置する達磨杉は、根本付近の肥大した幹の形が達磨のように見えるとか。 個性があり十本杉の中でも溌剌とした雰囲気。特に東側から見上げた姿に感じ入りました。
     経師杉は十本杉の中でも特に下枝が多い傘状の樹冠。 枯れた下枝が多いため、見上げた姿は凄味の強い美しさ。 伝承では千葉経師の手植え。 この人物は千葉常胤の次男・師常に該当する?
     4本目は雷杉。 名前の由来とされる雷神が顕現したかのような立姿は、十本杉の中でも特に荒々しいもの。 永い山の風雪に耐え抜いた古強者の激しい気迫に、私の心はビリビリ震えました。

     最後に2012年に倒壊した頼朝杉について。 倒れた御神木の巨大な幹は用材として利用。 その一部は仏像となり新たな信仰の対象へ。 頼朝杉から彫られた美しい弥勒菩薩座像は、本堂内部に安置されていますので、ぜひ拝観してみてください。 [6]