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    宇都宮市の日本遺産・大谷石の文化財めぐり(2020/09/08)

    大谷石は宇都宮市の地下を覆う凝灰岩の層。 加工しやすく耐火性と防湿性に優れているので、 古くから建物の外壁や、蔵、倉庫、石塀などの建に重用。 旧帝国ホテルなどの名建築にも使われました。 市内には大谷石の建物と見どころが豊富。 立派な古民家の数々や教会堂、石蔵を転用したお店。 岩山に開かれた社寺や奇岩、見学可能な採石場もあります。 日本遺産にも認定された、魅力的な大谷石の文化財群をご紹介。
    (写真:大谷資料館、カネイリヤマ採石場跡地)

    宇都宮で大谷石の採石場・霊場・奇岩・名建築をめぐる!!

     2018年に認定された宇都宮市の日本遺産 「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮」。 市街地から西、大谷地区で見られる巨大な地下空間や削れた岩山。 これらは宇都宮が日本屈指の採石地であった証拠です。 最盛期(昭和40年代)は年間89万トンも採掘され、 様々な建築や工芸品に変わっていきました。 市内には9000棟もの大谷石造りの建物が現存するという。 そんな大谷石を掘って使いこなす文化が息づく宇都宮で、 大谷石の文化財群を巡ろうというストーリーの日本遺産です。

     大谷石文化の日本遺産に含まれてる構成文化財は全部38個(2020年時点)。 ほとんどが土木建築物で、他には古代遺跡、社寺、採石場、奇岩などが含まれる。 そのうち私が巡った14個の構成文化財を、以下5ページに分けてご紹介します。

    大谷資料館 大谷資料館

    大谷資料館にある地下採石場(カネイリヤマ採石場跡地)。 巨大な柱を残しながら採掘が進められた、地下神殿のように幻想的な巨大空間を探検!

    大谷寺と御止山 大谷寺御止岩

    大谷石の岩山に開かれた霊場の大谷寺。 ご本尊は岩壁に刻まれた国内最古級の磨崖仏。 境内地に名勝の御止山がそびえています。

    大谷公園 大谷公園大谷観音

    大谷寺の正面に位置する採石場跡を整備した公園。 採掘跡の大岩壁、巨大な観音像、奇岩など見所が豊富な公園です。

    大谷地区北部の奇岩 だるま岩越路岩

    水田に囲まれた大谷地区の北部にも見どころがあります。 岩原神社の御神体であるダルマ岩と、 御止山と同じく名勝に含まれた越路岩。

    市街地の名建築 カトリック松が峰教会・旧篠原家住宅

    駅前には市内を代表する歴史的建築があります。 荘厳なカトリック松が峰教会の聖堂。 明治期に豪商が建てた店蔵の旧篠原家住宅。

    構成文化財の文化財の一覧地図

     以下は日本遺産の構成文化財の位置を示した地図です。 全部で38個あるうち「18:山の神祭り」と「35:無事カエル」の2つは、 地図上には示していません。 稼働中の各採石場で行われる祭礼と、市販されている石の工芸品であるため。

    構成文化財は産出地である大谷地区と、市街中心部の2地区に集中。 なお市内各所には構成文化財以外にも、 いたるところに大谷石を使った蔵や民家が点在する。

     本旅日記でご紹介する構成文化財は全部で14個で、 その番号と名前は以下です。 全ての構成文化財については公式サイト(ページ末にリンク)を参照ください。

    地区 番号 名前 指定 補足
    大谷地区 02 大谷の奇岩群 (御止山) 国名勝 大谷寺境内地、大谷景観公園からの眺め
    03 大谷の奇岩群 (越路岩) 国名勝 水田地帯の中にある岩山
    04 奇岩「天狗の投げ石」 大谷公園の南側にある岩
    05 大谷寺洞穴遺跡 大谷寺、大谷観音の岩窟周囲
    06 大谷磨崖仏 特別史跡・国重文 大谷寺、大谷観音含め10躰の摩崖仏
    10 カネイリヤマ採石場跡地 大谷資料館の地下採石場
    11 大谷石採掘道具一式 大谷資料館の本館1F展示室
    15 屏風岩石材 県有形 門両脇の東蔵と西蔵
    16 大久保石材店 大岩を刳り貫いた建物
    19 大山阿夫利神社 御止山南麓、採掘跡に祀られた社
    33 岩原神社 社殿の背後、ご神体のダルマ岩
    市街地 21 カトリック松が峰教会 国有形 双塔を持つ大聖堂
    26 旧篠原家住宅 国重文・市有形 主屋・新蔵 (国)、文庫蔵・石蔵 (市)
    37 ダイニング蔵おしゃらく レストランに転用された質屋の蔵


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