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大谷石の文化財めぐり~「大谷資料館」
巨大な地下採掘場を見学できる大谷資料館
大谷地区でよく目立つ存在、削られた大岩壁の数々。 これらは採掘の跡で、多くの岩山が削られ形を変えました。 やがて採掘場所は地下の深層へと変遷。 大谷の地下には巨大な空間が広がり続けています。 一般には立入ることの許されない、危険な香りのする地下世界。 そこを見学できるよう整備したのが、 大谷資料館のカネイリヤマ採石場跡地です。 この地下採石場跡は、 大正から昭和末期までの約70年かけて採掘されたところ。 深さは平均約30メートル。総面積は約2万平方メートル。 大きめのサッカーグランド2つ分以上の広大さ。 そして坑内の景観はじつに幻想的です。 林立する巨大な石柱。 古代遺跡のような質感の壁面。 未知なる部屋の数々。 まるで地下迷宮の探検です。
大谷資料館は地上の採掘跡と資料展示室も見どころ
大谷資料館は地上部にも見どころがあります。 まずは本館の周囲にそびえる大岩壁。 これらは露天掘りの採掘跡です。 年輪のように細かく波打つ壁面なので、手掘りによるものらしい。 坑内でもこの手掘り跡がよく見られます。 本館1階にある資料展示室も見どころ。 展示物が大谷石採掘道具一式として日本遺産の構成文化財にもなっています。 各種ツルハシの他、昭和中期頃から導入が進んだ機械式の採掘機も展示。 その他、採掘方法や形態を説明する資料もあります。
以下、本館資料展示室にある資料から、大谷石の地層と採掘方法・形態のものを抜粋。 大谷石は約2000万年前の海底火山の噴火による、火山灰が堆積して形成された凝灰岩。 大谷地区を中心に東西約8㎞、南北約37㎞に分布しているそう。 現在の採石は地下30m前後と、100mより深い層で行っているようです。 採掘方法は、横に掘っていく垣根掘りと、下に掘っていく平場掘りを組み合わせてたもの。
大谷石の地層
採掘方法・平場掘り
採掘方法・垣根掘り
採掘形態・露天掘り
採掘形態・露天平場掘り
採掘形態・露天平場掘りより垣根掘りへ
採掘形態・垣根掘りから平場掘りへ。 当地下採石場跡はこの方法での採掘。
採掘形態・深層にある場合
幻想的な坑内の様々な景観
以下、坑内の様々な景観です。 各所で壁面がライトアップされ、芸術的なオブジェが配置。 凝らされた演出によって、幻想的な雰囲気が高められています。 ファンタジー系ダンジョン。 近年では映画、TVドラマ、プロモーションビデオのロケ地としても注目されている他、 コンサートや美術展などのイベント会場としても活用されています。 ちなみに、見学路できる範囲は坑内全体の三分の一くらいでした。 まだまだ一般公開されていない未知なる空間が秘められている。
見学路入口付近から奥
見学路入口付近から奥.手前にあるのは裁断機か.
入口から突き当りの丁字路に向かう途中
入口から突き当りの丁字路に向かう中間地、見学路が右手に分岐するところ
天井に開いた立坑.坑内の位置を地上から知るために掘ったとか.
奥の突き当りの丁字路から入口方向.天井付近の壁面に垣根掘の跡.
奥の突き当りの丁字路(左手側から)
奥の突き当りの丁字路、左手側に進むと人型のオブジェが置かれた空間
人型のオブジェ.テーマは何だろう? 左は倒立している人?
奥の突き当りの丁字路、左手側の突き当り、猟奇的な雰囲気の部屋
奥の突き当りの丁字路、右手側にライトアップされた機械掘り跡の壁面
中間地点にある見学路の分岐に戻って入口方向
以降、見学路の中央分岐から先の部屋の数々.花のようなオブジェ.
怪しげな地下礼拝堂のような部屋.映画やPV撮影のロケセットの残り?
祭壇のようなものが組まれた部屋
地上の光が差し込むところもある
最後に坑内見学の補足です。 坑内へのアクセスは階段のみでエレベータは無し。 歩行が困難な方には、作業道で坑内まで送迎するサービスがあるそうです(有料で予約制)。 服装については防寒対策を。年間平均気温は約8℃と低め。 夏季でも上着が必要な寒さで、当日(9月上旬)の気温は12℃くらいでした。 持ち込みが禁止されているものには、カメラの三脚も含まれます。
大谷資料館の基本情報
■所在地 :栃木県宇都宮市大谷町909 ■ホームページ:http://www.oya909.co.jp/ ■電話番号 :028-652-1232 ■入館料金 :大人 \800、子供 \400 (小・中学生) ■開館時間 :4月~11月 (9:00~17:00)、12月~3月 (9:30~16:30) ■休館日 :12月~3月の毎週火曜日、12月27日~1月1日 ■アクセス :車、東北自動車道・宇都宮ICから約8㎞ 鉄道、JR宇都宮駅から約9㎞、東武宇都宮駅から約8㎞ バス、上記両駅から大谷立岩行の路線、資料館前で下車 ※最新の情報はホームページを確認してください
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