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  • 旅日記TOP大谷石の文化財めぐり(TOP)大谷寺と御止山

    大谷石の文化財めぐり~「大谷寺と御止山」

    大谷寺は大谷石文化の原点ともいえる霊場

     大谷石の層の巨大な露頭部、御止山の麓に開かれた古刹が大谷寺。 平安初期(810年)に東国巡錫の弘法大師空海が当地に霊験を見出し、 岩窟に御本尊の大谷観音(千手観音立像)を彫ったのがはじまりと伝わります。 岩窟には御本尊を含め、釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊の合計10躰の摩崖仏。 これらが国の特別史跡・重要文化財に指定されています。

    大谷寺-見出-02_01 大谷寺:入口の仁王門前。御止山の南麓、巨大な岩山に抱かれるように建てられた。
    大谷寺-見出-02_02 大谷寺:御本尊が彫られた岩窟を覆う観音堂。 左に他9躰の摩崖仏を覆う脇堂。堂内撮影禁止。 御本尊の大谷観音を含めた摩崖仏は大谷寺ホームページで詳しく紹介している。
    大谷寺-見出-02_01 大谷寺:観音堂の上にそびえたつ岩壁。 御本尊の拝観も加えて、実に神さびた景観の霊場であった。

     大谷観音のおわす岩窟は、 大谷寺洞穴遺跡と呼ばれる縄文時代の遺跡でもあります。 出土した土器、石器、人骨は境内の宝物館で見学可能。 仙境のような奇岩が連なる当地は、 太古から人々の暮らしがあり、信仰の地として繁栄。 鎌倉時代には坂東19番の霊場となり、 江戸初期には徳川家康の長女、亀姫の援助で中興されました。 大谷寺は大谷石文化の原点ともいえる名刹ではないでしょうか。

     なお、大谷観音は奈良時代に渡来した、 アフガニスタンの僧侶による作との分析もあります。 世界遺産であるバーミヤン石仏との類似点が多いそう。 大谷はシルクロードと繋がっていたのか…。

    名勝の御止山と大山阿夫利神社

     大谷寺の背後にそびえる境内地、御止山は国の名勝です。 姿川を挟んだ西側にある、大谷景観公園からの眺めは壮観。 屏風のように連なる白い巨岩は大迫力。断崖に根差した木々とのコントラストも風流。 このような景観があるから、当地が大谷と呼ばれたのでしょう。 ちなみに御止(オトメ)という名前は、一般の立入が禁止されていたことに由来。

    御止山-見出-02_01 御止山:大谷景観公園の北側から。御止山と公園の間を姿川が流れている。
    御止山-見出-02_02 御止山:大谷景観公園にある解説板
    御止山-見出-02_01 御止山:大谷景観公園の中央部付近からの眺め
    御止山-見出-02_04 御止山:大谷景観公園の南側付近からの眺め。園内に大岩がひとつ。 岩壁にふたつの洞穴が見える。
    御止山-見出-02_05 御止山:大谷景観公園から。岩壁の洞穴は大谷石らしきブロックで塞がれている。
    大山阿夫利神社-見出-02_06 大山阿夫利神社:御止山の道路沿い、大谷寺の近くにある神社。 ここも日本遺産の構成文化財。

     御止山と大谷寺の間にも日本遺産の構成文化財があります。 道路沿いの採掘跡に建てられた大山阿夫利神社(上記写真)。 祭神は大山祇命で当地では鉱山の守護神としても信仰。 現在も地元の方々により、大谷石材業の安全と繁栄を祈願する祭礼が行われています。

     なお、御止山には登る事ができます。 登山口は大谷寺の境内(拝観料を納める)。 標高約200mの山頂には、大正天皇が皇太子時代に行幸された記念碑が建つ。 展望は良いのだろうか。 再訪する機会があれば登ってみたい。

    大谷寺の基本情報

    基本情報

    ■所在地   :栃木県宇都宮市大谷町1198
    ■ホームページ:http://www.ooyaji.jp/
    ■電話番号  :028-652-0128
    ■拝観料金  :大人 \500、中学生 \200、小学生 \100
    ■拝観時間  :4月~9月(8:30~17:00)、10月~3月(9:00~16:30)
    ■休業日   :3月~12月の毎週木曜日、12月21日~31日
    ■アクセス  :車、東北自動車道・宇都宮ICから約8㎞
            鉄道、JR宇都宮駅から約9㎞、東武宇都宮駅から約8㎞
            バス、上記両駅から大谷立岩行の路線、大谷観音前で下車

    ※最新の情報は公式サイトなどを確認してください

    お寺のすぐ正面にある駐車場は有料。拝観(拝観料あり)した参拝者には無料となる。 近くの無料駐車場は大谷景観公園か南側の市営大谷駐車場。