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大谷石の文化財めぐり~「大谷寺と御止山」
大谷寺は大谷石文化の原点ともいえる霊場
大谷石の層の巨大な露頭部、御止山の麓に開かれた古刹が大谷寺。 平安初期(810年)に東国巡錫の弘法大師空海が当地に霊験を見出し、 岩窟に御本尊の大谷観音(千手観音立像)を彫ったのがはじまりと伝わります。 岩窟には御本尊を含め、釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊の合計10躰の摩崖仏。 これらが国の特別史跡・重要文化財に指定されています。
大谷観音のおわす岩窟は、 大谷寺洞穴遺跡と呼ばれる縄文時代の遺跡でもあります。 出土した土器、石器、人骨は境内の宝物館で見学可能。 仙境のような奇岩が連なる当地は、 太古から人々の暮らしがあり、信仰の地として繁栄。 鎌倉時代には坂東19番の霊場となり、 江戸初期には徳川家康の長女、亀姫の援助で中興されました。 大谷寺は大谷石文化の原点ともいえる名刹ではないでしょうか。 なお、大谷観音は奈良時代に渡来した、 アフガニスタンの僧侶による作との分析もあります。 世界遺産であるバーミヤン石仏との類似点が多いそう。 大谷はシルクロードと繋がっていたのか…。
名勝の御止山と大山阿夫利神社
大谷寺の背後にそびえる境内地、御止山は国の名勝です。 姿川を挟んだ西側にある、大谷景観公園からの眺めは壮観。 屏風のように連なる白い巨岩は大迫力。断崖に根差した木々とのコントラストも風流。 このような景観があるから、当地が大谷と呼ばれたのでしょう。 ちなみに御止(オトメ)という名前は、一般の立入が禁止されていたことに由来。
御止山と大谷寺の間にも日本遺産の構成文化財があります。 道路沿いの採掘跡に建てられた大山阿夫利神社(上記写真)。 祭神は大山祇命で当地では鉱山の守護神としても信仰。 現在も地元の方々により、大谷石材業の安全と繁栄を祈願する祭礼が行われています。 なお、御止山には登る事ができます。 登山口は大谷寺の境内(拝観料を納める)。 標高約200mの山頂には、大正天皇が皇太子時代に行幸された記念碑が建つ。 展望は良いのだろうか。 再訪する機会があれば登ってみたい。
大谷寺の基本情報
■所在地 :栃木県宇都宮市大谷町1198 ■ホームページ:http://www.ooyaji.jp/ ■電話番号 :028-652-0128 ■拝観料金 :大人 \500、中学生 \200、小学生 \100 ■拝観時間 :4月~9月(8:30~17:00)、10月~3月(9:00~16:30) ■休業日 :3月~12月の毎週木曜日、12月21日~31日 ■アクセス :車、東北自動車道・宇都宮ICから約8㎞ 鉄道、JR宇都宮駅から約9㎞、東武宇都宮駅から約8㎞ バス、上記両駅から大谷立岩行の路線、大谷観音前で下車 ※最新の情報は公式サイトなどを確認してください
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