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    登山記録 中倉山(01)

    基本情報

      (装備・その他は、余裕があれば持ちたいものです)
    登山記録 中倉山(01)
    日付 2018.10.22
    山/標高 中倉山(1530m)
    天候
    所在地 栃木県日光市足尾町(松木渓谷の右岸山塊)
    登山ルート 銅親水公園~登山口~中倉山
    行動時間 約4時間23分(休憩含む)
    登山ルート
    (詳細)
    銅親水公園駐車場~橋(久蔵川)~橋(松木川)~砂防ダム~登山口~南尾根~主稜線~中倉山~孤高のブナ
    (往路で下山、下山後は親水公園や足尾の産業遺産群を散策)
    装備補足 登山用 基本装備以外は特になし、早朝は寒いが正午前はジャケット不要、山道に凍結箇所なし
    その他 登山口から尾根出合まで急坂なのでストックがあると楽になるかも
    アクセス 登山口 仁田元川の渓谷沿いの作業道の先にある登山口
    日光宇都宮道・清滝ICから銅親水公園駐車場まで約19.5km
    バス 渡良瀬渓谷鉄道・終点・間藤駅から日光市営バスの銅親水公園入口まで乗車
    関連情報 巨木・孤高のブナ:中倉山に登った目的でもある稜線上に立つブナ
    登山・日光男体山:中倉山からも見える日光のランドマーク
    登山・庚申山  :足尾山塊の最高峰の皇海山へ庚申山から縦走

    登山ルート・地図

      (地図中の軌跡は地図・GPSを参考に作成)

    登山ルート(地点A~地点D)

      (時刻は到着時刻、移動と休憩・他は、次の地点までに要した時間)
    日付 主要地点 時刻 移動 休憩・他 備考
    10/22 銅親水公園 06:16 00:12 --:--
    橋・松木川 06:28 00:16 --:--
    砂防ダム 06:44 00:23 --:-- 暑くなり上着を脱ぐ
    登山口 07:07 00:48 --:--
    尾根出合 07:55 00:24 00:05 小休止
    主稜線東 08:24 00:14 00:02 小休止
    中倉山頂 08:40 00:06 --:--
    孤高のブナ 08:46 00:05 00:15 休憩とブナ観察
    中倉山頂 09:06 00:08 --:--
    主稜線東 09:14 00:15 --:--
    尾根出合 09:29 00:27 --:--
    登山口 09:56 00:16 --:--
    砂防ダム 10:12 00:12 --:--
    橋・松木川 10:24 00:15 --:--
    銅親水公園 10:39 --:-- --:--
    合計 4時間23分 4時間01分 22分
    銅親水公園~橋・松木川

    駐車場から道路を北上するとすぐにゲート前に着く。 ゲートから更に北上し左にある久蔵川の橋を渡る。緑地化の進む広い砂州を進み松木川の橋を渡り左へ。 このまま登山口までは仁田元川の渓谷の左岸沿いの作業道を歩いていく。

    橋・松木川~登山口

    作業道は概ね平坦。中間地点の砂防ダム前後が特に傾斜のある区間。 砂防ダムの上を横切る地点は増水時に注意が必要。 後半は作業道は未舗装となる。 道中の植生は特に渓谷入口付近が、他の日光の山域とは異なる景観をしている。 足尾銅山の煙害のためだろう。 疎らかつ若い山林であり、下草は荒地に多い種類が多いように感じた。

    登山口~尾根出合

    登山口から南尾根の真上にでるまでは急坂が連続。 九十九折に登っていくところも多い。 山頂に出るまでもそうだが、山道はところどころが細く、獣道にも見える箇所があったか。 迷うことはないと思うが、あまり山道は整備されていない山。 ちなみに登山口付近から主稜線の手前までは広葉樹林に覆われている。

    尾根出合~主稜線東

    南尾根の真上に出たあともしばらく急坂が続き、いったん平坦になり少し下った後に登りが続く。 やがて2つに道が分かれるが、右がお勧め。主稜線の東側に出るとこで展望が開けている。 そこでは銅親水公園や、カラミ場(銅精錬の廃棄物)がよく見える。

    主稜線東~山頂とブナ

    主稜線に出てからは絶景が連続する素晴らしい尾根歩き。 南西には庚申山の山塊、北には男体山、半月山、社山、黒檜岳の南位置する大平山。 西には皇海山と三俣山など。そして眼下の松木渓谷の荒々しい山容も素晴らしい。 煙害からの緑の再生は予想より進んでいるように思えた。 山頂から数分ほど西尾根に進めば孤高のブナだ。

    写真・中倉山の登山道中

    01:銅親水公園 日光足尾中倉山01

    公園入口の駐車場から.砂防ダムから蒸気.奥に中倉山の山塊が見える.

    02:ゲート 日光足尾中倉山02

    公園から道なりに北上した先にあるゲート.ここから先は車両通行止.

    03:道中の景色 日光足尾中倉山03

    ゲート近くから、これから向かう渓谷の景色

    04:道中の景色 日光足尾中倉山04

    久蔵川を渡る橋の少し手前から.奥に中倉山の山塊が見える.

    05:橋・久蔵川 日光足尾中倉山05

    登山口へ向かうために最初に渡る橋

    06:橋・久蔵川 日光足尾中倉山06

    橋から上流側の眺め.左奥に見えるピークは社山か.

    07:橋・松木川 日光足尾中倉山07

    橋の手前の景色.奥にそびえる峰は中倉山の東尾根にある横場山.

    08:水道管橋 日光足尾中倉山08

    松木川を渡った後は左へ仁田元川の渓谷沿いの道へ.水道管橋を過ぎる.

    09:道中の景色 日光足尾中倉山09

    はじめは舗装された作業道が続いていく

    10:道中の景色 日光足尾中倉山10

    振り返れば雄大な姿の赤倉山.山腹に緑化の段差がある.

    11:砂防ダム 日光足尾中倉山11

    砂防ダムの上を渡る地点.増水時は危険なところだろう.

    12:道中の景色 日光足尾中倉山12

    砂防ダムを過ぎてしばらくすると道は未舗装の山道らしくなる

    13:道中の景色 日光足尾中倉山13

    登山口の近くからも赤倉山が見えた

    14:登山口 日光足尾中倉山14

    作業道沿いにある登山口.赤テープなどの目印がある.

    15:道中の景色 日光足尾中倉山15

    登山口から尾根上にでるまで急登の連続である

    16:尾根出合 日光足尾中倉山16

    ここから中倉山の南尾根にでて登っていく.マークのあるナラの木が目印.

    17:平坦地 日光足尾中倉山17

    尾根出合からしばらく登ると平坦な所に.この先少し下ってから登っていく.

    18:山道分岐 日光足尾中倉山18

    右ルートはこの先に展望地があるのでお勧め.左は尾根の直登か.

    19:主稜線東 日光足尾中倉山19

    分岐から先、主稜線付近にでると展望が開ける.銅親水公園が見える.

    20:主稜線の尾根 日光足尾中倉山20

    展望地から先は主稜線を登っていく.ここから絶景が連続する尾根歩き.

    21:主稜線の展望 日光足尾中倉山21

    松木渓谷の下流に松木堆積場.銅精錬の廃棄物の山だ.

    22:主稜線の展望 日光足尾中倉山22

    渓谷の北側には右に半月山、左に社山、奥に男体山の姿が見える

    23:主稜線の展望 日光足尾中倉山23

    山頂が見えてきた.稜線から南(左)は煙害から逃れた植生が豊か

    24:主稜線の展望 日光足尾中倉山24

    南側の展望、庚申山の山塊は紅葉が見頃を迎えていた

    25:山頂 日光足尾中倉山25

    好展望の山頂.西尾根に続く左奥に1702mのピークが見える.

    26:山頂 日光足尾中倉山26

    左に大平山の山塊、右奥に社山と男体山を山標と重ねて

    27:主稜線の展望 日光足尾中倉山27

    山頂から社山、男体山、半月山に注目.この峰々の先には中禅寺湖が.

    28:主稜線の展望 日光足尾中倉山28

    手前に黒檜山と繋がる大平山、左奥にシゲト山や三俣山の山塊

    29:主稜線の展望 日光足尾中倉山29

    中倉山から少し西尾根に立つ孤高のブナ.奥に皇海山の頭が見える.

    31:主稜線の展望 日光足尾中倉山31

    ブナの位置から、手前に大平山、左奥にシゲト山や三俣山の山塊

    32:孤高のブナ 日光足尾中倉山32

    ブナと半月山、社山、男体山を重ねて

    写真・足尾の産業遺産群

    01:足尾砂防堰堤 日光足尾産業遺産01

    銅親水公園の吊橋から真正面に眺められる

    02:足尾砂防堰堤 日光足尾産業遺産02

    堰堤前の吊橋から下流.右奥に足尾精錬所跡の煙突が見える.

    03:足尾砂防堰堤 日光足尾産業遺産03

    堤体に描かれたニホンカモシカの壁画.意味深な景観である.

    04:足尾環境学習C 日光足尾産業遺産04

    センター内には松木渓谷山域の精巧な立体模型が.素晴らしい.

    05:足尾環境学習C 日光足尾産業遺産05

    センター内には銅山と足尾町にかかわる様々な資料が展示

    06:足尾環境学習C 日光足尾産業遺産06

    周囲の山肌には木々が無いことがわかる写真

    07:足尾精錬所跡 日光足尾産業遺産07

    唯一残っている煙突の一本

    08:足尾精錬所跡 日光足尾産業遺産08

    煙突と再生に向かっている山域の景観はとても印象的であった

    09:足尾精錬所跡 日光足尾産業遺産09

    施設の一部にある建物は今も使用されている(環境保護の管理事務所など?)

    10:古河橋 日光足尾産業遺産10

    銅山ラッシュで大いに栄えた町、国内最初期に造られた鉄橋が残る

    11:古河橋 日光足尾産業遺産11

    橋の床板は木製、渡っての見学はできない

    12:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産12

    古河橋から松木川の下流、国内初の水力発電所跡.河床に何かが?

    13:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産13

    明治23年に建設、松木川上流などから集水し高所から水管に流し発電

    14:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産14

    発電施設のあった河原に基礎部分が残っている

    15:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産15

    煉瓦造りの基礎部分.古い遺跡のようにも見える…

    16:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産16

    施設跡の基礎部分から松木川上流の景観

    17:間藤水力発電所跡 日光足尾産業遺産17

    なんだかピラミッドのようにも見えてくる

    18:旧足尾線跡 日光足尾産業遺産18

    間藤駅から精錬所まで伸びていた貨物路線跡

    19:旧足尾線跡 日光足尾産業遺産19

    間藤駅へ伸びる側.今は県道で分断されている.

    20:旧足尾線跡 日光足尾産業遺産20

    日本経済を支え大きな教訓も残した銅の道

    登山の雑記.中倉山へ訪れた理由

     関東甲信越でブナの巨木を見れる山を探しているときのこと。 ヤマケイオンラインやヤマレコの投稿記録により、中倉山に 「孤高のブナ」 と呼ばれる大木があることを知りました。 中倉山のある栃木県の足尾山地には、2013年に庚申山と皇海山へ縦走 (記録) して以来に訪れていない。 中倉山は松木渓谷と日光と足尾の山々を見渡せる展望地という。 そんな絶景の尾根に一本で佇むブナの姿はどれほど素晴らしいことか。 そして麓には、以前から気になっていた足尾銅山の産業遺産群もある。 中倉山、行かない手はありません。

    登山の雑記.中倉山の感想

     銅親水公園に到着した時点で周囲の山岳風景には驚かさました。 備前楯山や赤倉山、松木渓谷を囲む雄大な山塊。 これまで訪れた日光の山域では見たことのない、全体的に荒涼とした景観。 山林が疎らで緑が薄く、地肌を多く露出した山腹。 これが足尾銅山による煙害と、燃料や坑道の建材として伐採された影響か。 不謹慎ながら、これはこれで美しい景観と感じてしまった。

     銅親水公園から先はゲートを抜けて、松木渓谷入口の広大な砂州を2つの橋で渡って行く。 途中で川の流路や、山腹を補強する大規模な工事現場を目に。 山腹が階段状になっているところでは植林も行われている様子。 中倉山の登山口近辺からは、大木は多く見かけないものの、木々は茂り植生は豊かになっている様子でした。

     登山口から急坂を登り切った後、主稜線に出てからは絶景が連続する眺望の尾根歩き。 東には赤倉山と眼下には銅親水公園。南東には備前楯山。 北には壮大な松木渓谷を囲む奥日光の山々。 半月山から社山と続く稜線の奥には男体山。 北側正面で特に雄大な山容で迫ってくるのが、黒檜岳の南に接する大平山の山塊。 その西にはシゲト山、三俣山と連なる山容も壮観でした。

     中倉山の主稜線上から望む松木渓谷。 岩肌が露出した箇所が多く山林も疎らで荒涼たる景観の大渓谷。 庚申山のある南側の山岳風景と比べれば、 本来の緑豊かな山林と大きく変わってしまったことが一目瞭然。 しかし、予想よりも多くの緑に覆われている。 足尾銅山の煙害から長い年月をかけて再生してきているのでしょう。 中倉山の尾根に立ち、この傷ついた山域を見下ろす孤高のブナは、 足尾の再生を象徴する荘厳な姿として目に映りました。

     中倉山の山頂からは孤高のブナは見えません。 少し離れた西尾根の鞍部に立っているためです。 ブナから先、素晴らしい眺望が続く西尾根へと登ってみたかったのですが、 当日は体調が優れなかったため、ブナのところで引き返すことに。 次回は手前に見える標高1704mピークの向こう側、皇海山がよく見える位置ところまで登ってみたいと考えています。