登山TOP / 群馬 / 至仏山(04) 冬の尾瀬ヶ原と巨木
登山記録 至仏山(04)+尾瀬ヶ原
基本情報
(装備・その他は、余裕があれば持ちたいものです)登山記録 | 至仏山04 | 日付 | 2015/05/02~03 | |
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山/標高 | 至仏山/2228m 鳩待峠/1591m | 天候 | 晴 | |
登山ルート |
05/02:鳩待峠 ~ 山ノ鼻 ~ 大カラマツ ~ 上田代の散策 ~ 山ノ鼻山荘 05/03:山ノ鼻山荘 ~ 至仏山 ~ 鳩待峠 |
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登山道 |
05/02:雪.山ノ鼻から先、通常ルートにはない湿原の上を歩く 05/03:雪.至仏残への登りは急傾斜あり.鳩待峠へは尾根の東側の積雪期の登山ルートを歩く |
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行動時間 | 5/02 (6時間25分)、5/03 (5時間55分) | 所在地 | 群馬県利根郡片品村 | |
関連記録 |
至仏山01(8月・準備中) / 至仏山02(4月・準備中) /
至仏山03(4月) 福島県の山:燧ヶ岳01(8月+尾瀬沼) |
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装備 | 必携 | 基本装備+ / 上下防水防寒着・靴 / アイゼン / 杖 o rピッケル / サングラス / 着替え(1泊する) | ||
その他 |
スノーシュー / 調理器具(ストーヴ、コッヘル、はテント泊なら必携) / >水筒(HOT) / 予備ライト |
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アクセス | 登山口 | 登山口の鳩待峠まで戸倉の駐車場からバスで移動した | ||
車 | 関越自動車道・沼田IC:国道120・401経由、距離37.5km(戸倉Pまで) | |||
電車 | 沼田駅(JR上越):距離41.5km(戸倉Pまで) |
登山ルート・地図
(地図中のトレースは書籍の地図を参考にした手書きです…)登山ルート・詳細
(時刻は到着時刻、移動と休憩・他は、次のポイントまでに要した時間)日付 | 主要ポイント | 時刻 | 移動 | 休憩・他 | 備考 |
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05/02 | 鳩待峠 | 08:20 | 1時間25分 | 10分 | 鳩待峠まで戸倉からバス移動 |
山ノ鼻 | 09:55 | 32分 | 10分 | テント用の荷物を忘れ至仏山荘へIN… | |
猫又川の大カラマツ | 10:37 | 1時間28分 | 45分 | ※湿原上、スノーシューがあると安心 | |
牛首分岐 | 12:50 | 1時間10分 | 45分 | 前後で周辺の散策など | |
至ノ鼻 | 14:45 | - | - | 山ノ鼻山荘へIN | |
行動時間合計 | 6時間25分 | 4時間35分 | 1時間50分 | ||
05/03 | 山ノ鼻 | 05:30 | 2時間 | 20分 | 出発からアイゼン装着 |
高天原 | 07:50 | 45分 | 10分 | 木道の始まる地点 | |
至仏山 | 08:45 | 25分 | 35分 | 大休止 | |
小至仏山 | 09:45 | 1時間30分 | 15分 | 東の山腹のトラバース地点 | |
鳩待峠 | 11:30 | - | - | 峠の少し手前でアイゼン外す | |
行動時間合計 | 6時間00分 | 4時間40分 | 55分 |
積雪期は木道の上を歩く通常のルートと若干ずれる。 何個所か川上川への谷間に滑り落ちそうな場所があるので、 道が川上川と同じくらいの高さになる川上川とヨセ沢の合流地点くらいまで、 アイゼンを付けることをお勧めする。 当日は軽アイゼンで十分で、道が平坦になってからはアイゼンは外して山ノ鼻へ至った。
途中まで山ノ鼻自然研究路のルートをとり、猫又川の西側を進む。 大カラマツはムジナ沢の前の、猫又川が大きく東側に曲がっている所に立つ。 湿原の上のため、積雪期限定のルートで、スノーシューがあると安心。 当日は雪が硬く、スノーシュー無しでも問題無く辿り着けたが、雪融けが進み雪が薄く不安があった。
登山口から高天原まで急登である。マイペースで登り小休止を挟む。 30度以上の斜度の長く続く坂は、滑落の心配があるのでアイゼンは必携としたい。 当日は軽アイゼンでも問題ないと思えた。 この時期、山頂の付近の高天ヶ原の登山道と木道が露出している。 高天原を進めば山頂が近い(30~40分くらい?)。
小至仏を巻いて山腹を巻いてトラバースする積雪期ルートで下る。尾根の稜線や西側に出ない。 鳩待峠からの登山者が多くなる。 小至仏の山腹のトラバース付近は急斜面かつトレースが狭く、東側に切れ落ちた急斜面なので、 下山者が率先して道を譲って進まないと危険である。 峠までは踏み跡やテープが多く特に迷う事は無かった。
登山の写真
【 2015/05/02:初日 鳩待峠 ~ 山ノ鼻 ~ 上田代 】
峠への道路.まだ道の周囲には1m以上の雪が残っている
鳩待山荘の前.駐車場やバスの停留所だ.今年も人多し
山ノ鼻への入口.周囲の雪は1m~1.5mくらいか
鳩待峠の近くから見える至仏山の山頂.小さなな登山者の姿も見えた
鳩待峠から川上川まで下ると道は平坦に.清らかな雪融け水
山ノ鼻から見え上げた至仏山.赤線が明日に登る大凡のルート
猫又川沿いの大カラマツへ行く.植物研究見本園の上と通る
植物研究見本園から見た燧ヶ岳.周囲は雪解が進み雪が薄くなっていた
植物研究見本園を過ぎ、猫又川沿いまで進んで来た.あともう少しだ
猫又川が蛇行した林の中、赤枠の中に大カラマツが立っている
到着!2年ぶりの再会! 雪融けが進み近寄れないかと思ったが何とかなった
記念撮影.写真で見るより実物はもっと大きく見え迫力あるのだ
大カラマツの根元で休憩する格別な一時.露出オーバーで際どい写真に
大カラマツを見た後は、尾瀬ヶ原の上田代を散策.至仏山
至仏山の上部.赤線が登るルート.上部の雪の無い部分は高天原
川上川の付近にある特徴的な形の大カラマツのある地点
川上川を渡った先からの広い眺め.残雪期の燧ヶ岳にも登りたい
尾瀬ヶ原から見る至仏山はとても端正な形だ
川と橋、雪原、燧ヶ岳、広い雪原に変化の生まれるフォトジェニックな場所
この川は上ノ人堀と呼ぶのだろうか.時々、雪の塊が流れていた
この先は中田代.竜宮十字路やヨッピ橋への分岐点
牛首分岐からみた至仏山.所々に池塘が見え始めている
木道の周囲が完全に融けている箇所があった.油断すればドボン!
木道が見え難いが慎重に行けば進める.でも同行者が嫌がったので引き返した
大きくどけ出した池塘が周囲の景色を映して綺麗だった
自撮り.加工したら異星人みたいに.ここが地球の尾瀬ヶ原か!!
雪が大きく融け出した所で至仏山を眺めながら休憩.少し曇って来た
本日のお宿・山ノ鼻山荘へINする前にお気に入りの場所に寄る
夕食は美味しくお腹が減っていたので10分程で完食したら呆れられた
【2015/05/03:2日目 山ノ鼻 ~ 至仏山 ~ 鳩待峠】
山ノ鼻の登山口前から.赤線が大凡の登山ルート
登山口から針葉樹の中の急坂がしばらく続く
樹林帯を抜けた.ここから奥の高天原まで長い坂だ
樹林帯を抜けると尾瀬ヶ原の展望が開ける.燧ヶ岳も
高天原の木道まで、ハイマツや岩が露出している所まで登った先
高天原の手前、標高2.0k~2.1kmの地点.尾瀬ヶ原を見下ろす感じ
高天原の手前から.猫又川を見ると大カラマツが見える(赤枠)
猫又川沿いに立つ大カラマツの拡大.たぶん、これだろう
高天原の手前から.結構な斜度.南に白根山や皇海山(右奥)が遠望
高天原に入ってしらばく進んで.木道から尾瀬ヶ原へ飛び降りれるような感じ
中間地点に広い場所がある.やがて高山植物が咲き乱れる場所
奥の雪のピーク、山頂の一部が見えてきた!
手前のベンチのある広場が写真【40】の場所である
尾瀬ヶ原を南に囲む尾根を見ると、横田代とアヤメ平が見える!
高天原の上部から見たアヤメ平と横田代.あの尾根へも登ってみたい
山頂手前から.再びカエル人、ここが地球の尾瀬ヶ原か!!
写真【45】と同じ位置から.余計な者は写っていません…
至仏山の山頂から東側の展望.中央奥に平ヶ岳が見える
至仏山の山頂から西側.奈良俣ダムを囲む雄々しき上越の山塊
至仏山の山頂から西側.奈良俣ダムの拡大.行ってみたいダム
至仏山の山頂から北西側.詳しい山名は知らないが美しい眺めだった
小至仏山へ少し下った所で休憩.私はチリトマト、同行者は塩ラーメン
至仏山の近くから見た小至仏山.積雪期は東の山腹を通る
至仏山を振り返って.登山者が多くなってきた
尾根上の夏道が見えている.東の山腹をトラバースする道は渋滞する
小至仏山のトラバース地点から.鳩待峠が見える(赤枠)
小至仏山のトラバース地点から見える鳩待峠の拡大
小至仏山のトラバース地点から.ここで尾瀬ヶ原も見納めか
尾根にある湿原のオヤマ沢田代から見る笠ヶ岳(右)と武尊山(左)
笠ヶ岳の拡大.北の尾根にある片藤沼を見てみたい
武尊山の拡大.夏季に登った事あるが冬期も登ってみたい
鳩待峠への尾根から、遠くに赤城山が見える
尾根からみた赤城山の拡大.黒檜、地蔵、鈴ヶ岳が見える
峠への尾根から至仏山が良く見える場所があった.見納め!
峠への尾根から尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が良く見える場所.見納め!
登山の雑記
5月のGW前半(5/2~3)、残雪期の尾瀬ヶ原の散策と、至仏山の登山へ行ってきました。
1泊2日で、山ノ鼻にある山ノ鼻山荘に宿泊し、1日目で鳩待峠から入山して尾瀬ヶ原を散策し、
2日目で山ノ鼻から至仏山に登って鳩待峠へ戻りました。
両日とも天気は良く、尾瀬ヶ原と至仏山で、見晴らしの良い素晴らしい景色を拝むことができました。
更に、尾瀬ヶ原の猫又川沿いに立つ大カラマツとの再会も果たせたのでした。
今年は例年より暖かく雪融けが進んでいた様子でしたが、さほど例年とは変わりなく進むことができました。
積雪は鳩待峠~山ノ鼻と尾瀬ヶ原では1m~1.5m程でした。鳩待峠から川上川の近くまで下る辺りでは
軽アイゼンは必要に思いましたが、その先と尾瀬ヶ原では、アイゼンもスノーシュー(木道のある本道上に限る)も必要ない状態でした。
湿原の上では、雪が薄くなり池塘が現れていたり、周囲の雪が完全に融けている木道(橋以外で)があったりしました。
至仏山でも例年より雪が少なく感じ、山頂や高天原以外でも、尾根上の夏道が露出している箇所がありましたが、
多いところではまだ2m程の雪が残っていました。山ノ鼻~高天原、山頂~オヤマ田代までは、アイゼンは必着と感じます。
1日目の尾瀬ヶ原。今回は、雪融けが進み、スノーシューを持参しなかったので、猫又川の大カラマツの元に行けないと思っていましたが、
行くことができました。雪が薄くなっている箇所が多く不安はありましたが、雪が硬く締まっていたので、
あまり問題無く植物研究見本園を通過し、猫又川沿いに進めました。但し、足元の状態によっては、
いつでも引き返すつもりで進みました。2年ぶりの再会となる大カラマツは特に変わりの無い様子。
他に訪れる人も無く、猫又川の清らかな流れに耳を傾けつつ、ゆっくりと拝観する時間は格別でした。
その後は上田代を散策、牛首分岐まで進んで引き返し、山ノ鼻山荘に泊まりました。
2日目の至仏山への登山。山ノ鼻の登山口から高天原までは、急坂が続き、相変わらず疲れます。
数分の小休止を挟みながら息を整えて登っていきます。時々、アイゼンを付けずに登っている人を見かけましたが、
長い雪の斜面なので、一度滑りだしたら中々に止まらず、南側のカラ沢のある谷間に落ちて行けば、
無事では済みません。最低でも軽アイゼンの着用が必須でしょう。私は12本爪のアイゼンで登りました。
登山道上に雪が完全に融けて木道が露出している高天原では、アイゼンを外し、
山頂手前で再びアイゼンを装着し、鳩待峠の少し手前の尾根で外しました。
山頂では360度の素晴らしい景色。でも尾瀬ヶ原を見通せるのは山頂から少し手前です。
下山中に登山者で一番渋滞する区間は、小至仏山の東山腹をトラバースする冬期ルートの場所です。
急斜面かつ踏み跡が狭いため、互い違いに譲り合いで登り優先で進む必要もあるでしょう。
ここで気になった事があります。小至仏山の尾根に登っている人が居て危険を感じました。
尾根上や、尾根直下の雪の斜面を進むと雪崩を起こしやすいように思われ、下の山腹を通過している大勢の人を
巻き込む恐れがあるので、冬期は行くべきでないと思います(石や雪玉を落とす心配も)。
その先は尾根は広く渋滞することもなく、ゆるゆると快適に下って行きました。
今回の登山は、単独ではなく、甥(姉の息子)を同伴しての登山でした。
4月は桜の季節、埼玉、群馬、福島と、桜の巨木巡りに大忙しで、とても充実した時間を過ごせました。
4月下旬から5月上旬の期間は、その間に疎かにしていた家事を消化しながらゆっくりと過ごし、
登山するにしても、なるべく両神山など近場の山で済まそうと思ってました
(遠征が続いたのでお金の節約も兼ねて…)。
しかし、過去3回、4月末は残雪期の尾瀬ヶ原へ出掛けていたので心が燻っていました。
そんな折、姉が息子をGWの前半に何処かへ連れて行って欲しいと頼んできました。
姉はGW中に旅行に行くのですが、2子のうち、中学生になる少し反抗期気味の長男が一緒に行きたがらないと…。
甥(姉の長男)は、今まで何度か登山に連れて行ったことがあります。
夏の尾瀬ヶ原へ日帰りで連れて行ったことがあるので、残雪期の尾瀬ヶ原、ついで至仏山への登山も
合わせたら喜ぶだろう!?と思い、甥に尋ねると同意を得たので、
今年の春も尾瀬ヶ原へ行くことにしたのでした。
結局、私が行きたい所へ行く外的要因の後押しを得たようなものですが…。
甥は学校では文化部に入っていて、普段は特に運動をしません。
なので、若くはあっても三十路の私より体力があるわけでは無く、小休止を多めにとって進みました。
甥はインドア派で、あまり外で遊ぶことが無いのですが、過去数回の一緒の登山(筑波、赤城、両神)を通して、
美しい自然に触れることを気に入って貰えたようです。
初めての雪山だったのに、よく付いてきたと思っています。
今回の登山で、甥が大カラマツにほぼ無関心なのがショックでしたが、
広大な雪の湿原と、至仏山の山頂からの眺めに感動してくれたようです。
甥よりも連れてきた私の方が喜んでいる山行でした。
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