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登山記録 栗駒山(01)~登山番外編 日本一のクロベの巨木・栗駒山の千年クロベ
基本情報
(装備・その他は、余裕があれば持ちたいものです)登山記録 | 栗駒山の千年クロベ | 日付 | 2017.06.09(日帰り) | |
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山/標高 | 道中の最高地点/890m 登山口/630m | 天候 | 晴天.動かなくても汗ばむ陽気の好天日. | |
登山道ルート | (往)世界谷地・登山口~羽後岐街道~旧小桧沢林道~千年クロベ | |||
登山道 | 特に危険箇所なし.一部で沢の渡渉.羽後岐街道の後半と旧林道は野生動物の痕跡が濃い. | |||
行動時間 | 約5時間(休憩・写真撮影の時間含む) | 所在地 | 宮城県栗原市(栗駒山の南麓) | |
関連記録 | - | |||
装備 | 必携 | 基本装備+ / 防水の登山靴(沢の渡渉時に安心) / 薄い防寒着 / 上下レインウェア / 熊鈴 | ||
その他 | 杖 / スパッツ(沢の渡渉や藪へ立入るので) / ストーヴ&コッヘル | |||
アクセス | 登山口 | 世界谷地の登山口(大地森コースと羽後岐街道) | ||
車 | 東北自動車道・若柳金成IC:約37km(県道42経由).登山口に大きな駐車場. | |||
電車 | JRくりこま高原駅 :レンタカーかタクシー利用.山中へ路線バスなし. |
登山ルート・地図
(地図中のトレースはGPS機器のLOGファイルを利用)距離:14.8km 累積標高差:+686m / -691m 最大高度:890m(少し誤差あり)
登山ルート・詳細
(時刻は到着時刻、移動と休憩・他は、次のポイントまでに要した時間)日付 | 主要ポイント | 時刻 | 移動 | 休憩・他 | 備考 |
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06/09 | 世界谷地・登山口 | 08:02 | 8分 | - | |
第1湿原・分岐 | 08:10 | 7分 | - | ||
第2湿原・分岐① | 08:17 | 12分 | - | ||
第2湿原・分岐② | 08:29 | 26分 | - | ||
変則十字路 | 08:55 | 34分 | 3分 | 小休止 | |
大地沢 | 09:32 | 6分 | - | 6月の降雨が少ない時期で靴が少し濡れる | |
大地沢の支流の沢 | 09:38 | 3分 | - | 大地沢から少し登った場所 | |
鉞山神 | 09:41 | 15分 | - | 近くにある道標が目印 | |
小桧沢林道・分岐 | 09:56 | 3分 | - | 地震の寸断で廃道となった林道 | |
橋 | 09:59 | 13分 | 5分 | 橋の袂で小休止 | |
林道・クロベ | 10:17 | 13分 | 35分 | 藪の中で約30分間クロベの側に居る | |
小桧沢林道・分岐 | 11:05 | 15分 | - | ||
大地沢 | 11:20 | 35分 | - | ||
変則十字路 | 11:55 | 38分 | 5分 | 小休止.久々の山道に疲れてきた | |
第1湿原 | 12:38 | 8分 | 10分 | 湿原は奥地へ入れないの滞在時間は短い | |
世界谷地・登山口 | 12:56 | - | - | ||
行動時間合計 | 4時間54分 | 3時間56分 | 58分 |
変則十字路までほぼ平坦な登り。ブナやミズナラなど広葉樹の森林の中を続く、歩きやすく気持ちの良い山道である。 途中に世界谷地の第2湿原との分岐を2つ過ぎれば、変則十字路までの道のりは約半分。 変則十字路では、北に栗駒山を目指す大地森コースでなく、羽後岐街道の続きで西に湯浜温泉を目指すコースへ進む。
変則十字路から先は、より一層、木々が鬱蒼としてくる。 特にブナ林の密度が濃くなり、ブナの大木も多く見かける。 大地沢に至るまでに一跨ぎできるほどの小さな沢をいくつか越える。 大地沢まで約2kmほど。沢が近くなると下り坂が長くなる。 沢には渡渉点の目印としてかロープがある。 降雨後や水量が多いと靴の中まで濡れそう。
大地沢か小桧沢林道との分岐の手前までが、本ルートでの急坂が続く区間。 大地沢を渡渉して少し登ると、大地沢の左岸に流れ込む支流の沢も渡渉。 小さな滝のような岩の段差には補助ロープがある。 すぐに鉞山神と道標を過ぎ、しばらく急坂を登れば林道の分岐。林道への分岐は左(南)へ進む。
分岐から下ってすぐに橋となる。放置された軽トラックを過ぎると、林道は少し藪っぽくなる。 7~9月上旬は濃い藪道となりそうだ。 道はやがてクロベの大木が立つ開けた場所に出る(写真32・33)。このクロベの手前で、 林道の左側の藪へ続く踏み跡がある。その先にクロベの巨木が2本。奥の1本が千年クロベである。
登山の写真
(写真を選択すると大きな画像で閲覧できます)世界谷地の駐車場.登山口の手前に公衆トイレ.この日は一番乗りであった.
登山ポストがある.湿原への入口であり、栗駒山への登山口でもある.
クロベは大地森コースとの分岐から羽後岐街道の中間地点から林道へ.
入口から少し進むと第1湿原と登山道との分岐.湿原は後にして右へ進む.
南北に2つある第2湿原への分岐の南側.
残念ながら2017年は木道工事で11月30日まで立ち入り禁止だ.
2つある第2湿原への分岐の間には…(ミズナラ大木が目印)
昔、旅人や登山者を癒したという秣森お助け小屋の跡がある.痕跡は不明.
2つ目の第2湿原への分岐.栗駒山への登山と合わせ再来したい.
変則十字路が近づくと山道の右手に大きな石がある.
聖座石.詳細は不明だが、昔は旅の行者が登拝の途中で休んだ場か.
羽後岐街道と大地森コースの合流点.進路は西の湯浜コースへ.
温湯温泉に向うコースは岩手・宮城内陸地震による崩壊で通行止め.
大地森コースとの分岐近くに一里塚の跡がある.
湯浜コースへしばらく進むと小さな沢の渡渉.ミズナラの大木が立つ.
道を塞ぐブナの大木の倒木.下を潜るか、根本を乗り越えるか.
変則十字路から先、羽後岐街道は鬱蒼と茂る広大なブナ林の中.
そしてブナ林には見事な大木が点在している.
このブナは幹周4mほど.立姿が健全で美しかった.
下り坂が長くなると大地沢が近い.ロープのある付近(赤線)を渡渉した.
大地沢の上流の方向.清らかで心地よい場所だ.
大地沢からすぐ先、大地沢の支流の渡渉.段差の補助にロープがある.
支流の沢の渡渉から急坂を登ると道標がある地点.
その道標の反対側に立つスギ(ヒノキ?)の大木の根本には….
鉞山神と呼ばれる石仏が安置されている.小さいので見落としやすい.
羽後岐街道とクロベの群生地のある旧林道との分岐.
分岐から左(南)の方向へ進み下っていく.
森林の伐採ように作られた旧小桧沢林道の橋.休憩地に良いだろう.
橋の袂で清らかな小桧沢を眺めながら小休止とした.
この林道は岩手宮城内陸地震で寸断.橋の近くに放置された軽トラ.
林道は6月上旬でこの状態.7月8月はさらに藪となるだろうな.
千年クロベが近くなると開けた場所.目印は林道沿いの大クロベ.
大クロベの少し手前に注目、藪の中へ入る踏み跡がある.
この藪の中に入る.林道上に大きな獣の糞があったのでドキドキしちゃう.
千年クロベの手前に立つ大クロベ.詳細は 「巨木巡りの記録」 をご覧あれ.
遂に千年クロベとの出会い.詳細は 「巨木巡りの記録」 をご覧あれ.
千年クロベを巡ったあとは、第一湿原を散策して今回は終了とした.
第一湿原の入口.ニッコウキスゲは咲いているかな・・・?
湿原をしばらく進んだあと振り返って.ニッコウキスゲはまだ早かった.
ずっと樹林帯の中を歩いた後で、この湿原は凄く爽快である.
訪問時に特に目立つ花はレンゲツツジであった.
可愛らしい綿帽子のワタスゲも多く咲いていて楽しませてくれた.
2017年、木道の奥地は9月29日まで立ち入り禁止.残念.
今回の目的は千年クロベだが、広大な湿原を目の前にすると、惜しいな….
遠くに見えるのは、大地森(手前)と栗駒山だ.
いつの日か、栗駒山にも登りたいものだ.
登山の雑記
今回の登山は登頂が目的ではありません。山麓に立つ巨木が目当て。
でも、その巨木は特別な1本。日本一のクロベ(黒檜)の巨木。
宮城県の最北に位置する山、秋田、岩手との県境付近に聳える、奥羽山脈の主脈の一座、栗駒山。
その南麓には、ブナの濃い原生林に囲まれて、クロベの群生地が存在しています。
その中に立つ、巨大なクロベに会って来ました。栗駒山の千年クロベ。
世界谷地への駐車場へは一番乗りで到着。
しばらくして到着した数台の軽トラックの人達は、世界谷地の湿原にある木道を修理する人達でした。
2017年は、第1湿原の奥地(周回する部分)は9月28日まで通行止め、
第2湿原は11月30日まで全面通行止め。
私は千年クロベの後で、湿原を散策。今回の訪問のもう1つの楽しみ、それは最後までという訳。
千年クロベまでは、標高900m以下の樹林帯で、始終が見晴らしのない山道。
ブナ林の気持ちの良い道ですが、帰路は少し飽きてきます。
湿原では、通行止めの区間が多く残念ではありましたが、美しく爽快な湿原を楽しめました。
主な花は、レンゲツツジやワタスゲ。6月上旬は、名物のニッコウキスゲは、ほぼ咲いていないようでした。
今回は栗駒山へは登頂したないので、標高の低い山行。
しかし、初めて訪れる宮城県の山域なので、すべてが新鮮。
駐車場から既に響き渡る、エゾハルゼミの蝉時雨には驚きました。
そして予想以上に自然が濃い。変則十字路から先(羽後岐街道の湯浜コース行き)は、
よりブナ林の密度が濃くなり、幹周3m以上はある大木も点在していました。
なお、訪問を5月下旬から6月上旬に決めていたのは、千年のクロベと、そこに至る旧小桧沢林道の状態。
この時期を過ぎると、周囲の藪が濃くなるようです。
千年クロベは、小桧沢の近くに終点がある旧小桧沢林道の近く。
この林道は自然林の伐採用に拓かれたものでしたが、
岩手宮城内陸地震(2008年6月14日)の土砂崩れで寸断。現在は廃道で、林業従事者の軽トラックが残置されています。
訪問時は歩き易い状態でしたが、盛夏となれば、両脇の藪に足下も覆われるようです。
林道の途中では、瑞々しい丼一杯分の大きな糞を確認。熊でしょう。
熊鈴は常時鳴らしていましたが、茂み中から物音がすると、
念のために「お~い!」と呼びかけてみました(数回)。
幸い、カモシカの他に、獣とは遭遇しませんでした。
なお、この日は変則十字路へ戻るまで、人には会いませんでした。
少し孤独を感じましたが、栗駒の大自然を独り占め!
道中の休憩は、開けていて安心感があるので、小桧沢2号橋の袂が良いです。風が通り、沢の流れも心地よい。
林道をしばらく進むと、両脇に数本のクロベの大木が立つ開けた場所へ。
目印となるクロベの手前、林道の左手に、千年クロベに至る踏み跡があります。
訪問時、道標やテープなど、周囲に目立つような目印は見つけられませんでした(見落としたか?)。
藪の踏み跡に立入って、すぐに目の前に現れる大クロベ。
この巨木も千年クロベに劣らず見事な立姿。
そしてこの大クロベから少し藪を進んだ先に千年クロベ。
遂に日本一の幹周を誇るというクロベの巨木との出会い。
山中に立入って訪れるべき価値のある素晴らしい巨木。栗駒山の山中で、格別の時を過ごすことができました。
(巨木の詳細は
「宮城県の巨木・栗駒山の千年クロベ」
をご覧ください)
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