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  • 旅日記TOP福島県の猫神様めぐり(TOP)雲岡杵築神社石像

    福島県の猫神様めぐり「雲岡杵築神社石像」

    雲岡杵築神社石像 (西郷村)

     雲岡杵築神社の猫神様は参道入口に置かれています。 立地と意匠から狛犬のように、神社の守護神としての役割だと考えられます。 それにしても個性的な姿をしている。 獅子にも猫にも見えない、西洋のガーゴイルみたいな姿です。 怪物のような恐ろしい表情で訪れる者を威嚇している。 この姿、実は化猫を模しているのではないかと考えました。 その理由は後述。魔を以って魔を征する。

    雲岡杵築神社石像-見出_01 恐ろしい表情の雲岡杵築神社の猫神様。人面のような顔。 耳の位置がもっと前にあれば、少しは猫らしく見えてくるか。
    雲岡杵築神社石像-見出_02 鳥居前から。すごく視線を感じる。
    雲岡杵築神社石像-見出_03 正面からではなく視線の合わない横向きの姿にも凄みがある。
    雲岡杵築神社石像-見出_04 背後の輪郭はわりと猫らしいように見える。尻尾に注目。 二又になっているように見える。
    雲岡杵築神社石像-見出_05 台座に刻まれた銘文。日付は昭和10年 (1935) 10月吉日。 庭渡神社の猫神様と同年なのには何か関係あるか。 寄贈者の左側は「西原青年建」、右側の「小針」から下は判読できない。
    雲岡杵築神社石像-見出_06 雲岡杵築神社の社殿。創建は明治期の当地を開墾した中心人物の北川良慎。 近年の工業団地造成に伴い現在地に遷座したそうだ。

     雲岡杵築神社の狛犬が、化猫を模していると考える理由。 決定的なのは尻尾が二又に分かれていることです。 長年生きた猫が知恵と妖力をつけた、猫又の証。ダブル尻尾の民。 そして隣の栃木県の那須町には化猫伝説がある。 伝説によると、化猫は福島県の玉川村にある集落で暮らしていた。 しかし正体を看破され後に逃げ去り、那須町の温泉地に落ち着いた。 そこが現在の北温泉旅館とされます。 西郷村は那須への通り道、 化猫伝説は多くの人達に知られていたのでは。 養蚕業が盛んで猫を大切にする土地柄と化猫伝説が合わさり、 この狛犬が誕生したとは考えられないでしょうか。 本当のところは化猫の意図なく、個性的な姿をしているだけかもしれませんが…。
     (化猫伝説の詳細は馬場下石碑のページより)

    基本情報

    雲岡杵築神社石像

    ■石碑情報
      ・象容:全体的に狛犬に似せた意匠、大きな口と牙、丸い眼、横に付いた耳、猫らしくは見えない
      ・年代:昭和10年 (1935)
      ・銘文:寄贈者 (西原青年建)
    ■所在地 :福島県西白河郡西郷村米椙山
    ■施設  :雲岡杵築神社
    ■アクセス:東北道・白河ICから約3km

    関連情報

    西郷村ホームページ:広報誌のバックナンバー(No'447-2008.03) に雲岡杵築神社の情報あり
    庭渡神社石像   :西郷村、大きな丸顔が厳めしくも可愛らしい猫神様
    猫神社      :西郷村、個人が愛猫供養に建てた神社 (猫碑・猫像ではない)
    剣カツラ     :西郷村の西部、阿武隈川源流域の渓谷に根差す県内最大級のカツラ巨木
    馬場下石碑    :石川郡玉川村、化猫伝説にかかわりがある猫神様