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鹿島臨海工業地帯 (5)-(2020.11)
港公園での工場鑑賞
茨城県で最大の鉄の都市(まち)、鹿島臨海工業地帯での工場鑑賞。
今回は港公園、砂山都市緑地、鹿島製油所の東門前、海風の見える丘、以上の計4地点で撮影。
港公園をはじめに順番にご紹介していきます。
ちなみに、夜景を待つまでの間、息栖神社と鹿島神宮でゆっくりと参拝。
とても充実した茨城の観光を満喫できた気分です(鹿島神宮は巨木の宝庫でもある)。
【 地図 】
港公園展望塔の眺めは相変わらず絶景。 特に製鉄所の眺めが壮観、まるで海上に浮かぶ鉄の巨大要塞です。 日本製鉄(旧新日鉄住金)の製造拠点である東日本製鉄所鹿島地区。 敷地面積は約1000万平方メートルと、この工業地帯の中でも特に圧巻の工場施設群です。 奥にある高炉に注目してみると驚きが。 第2高炉が無くなっている!?。 後で調べたら2007年の時点で吹止となり稼働しておらず、 近年に解体が進んだようです。
(以降の写真は選択すると拡大表示&閲覧できます)
UFOが乗っているような展望塔.高さは52m.この工業地帯で最高の展望台だ.
展望室と屋上は横から見るとこのような構造になっている.船の舳先みたい.
屋上の展望台.以前は周囲の景観を表示させたパネルは無かった.
焼結工場の200m近くある巨大な集合煙突を中心とした構図
ガスホルダーの右手、第1高炉と第3高炉にズーム.手前が焼結工場.
鉄鉱石と石灰石の山の向こうにコークス工場.石炭を焼くから黒っぽくなるか.
原料岸壁で鉄鉱石を船から陸揚げ中
北航路の製品岸壁ではロール状にされた製品の鋼板が倉庫に大量
名前の入ったシンボル的貯槽.奥には三菱ケミカルの石油化学工場.
製油所の奥に石油精製工場の心臓部である常圧蒸留装置が見える
東門付近にあるコンデンセート蒸留装置(天然ガスを含む原油を蒸留)
これは常圧蒸留装置の主蒸留塔だろうか.周囲にも様々な分解精製の装置群.
港公園の夜景と展望塔の修復工事
実は港公園の夜景だけは12月4日に再訪して撮影しました。
さっそく展望塔に向かうと予想外のことが。
12月3日から展望塔は修復工事のため利用禁止となっていたのです。
当面、利用再開の目途はたっていないとか。
展望塔が使えないのなら、港公園の夜景の価値は半分以下なのでは…。
そんな失意の中で撮影した写真が以下です。
上手い写真は撮れませんでしたが、展望塔でなくとも港公園の夜景は十分に美しいと感じられました。
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16:50頃.日没から20分ほど経過.薄闇の製鉄所もよいものだ.
17:00頃.露光補正や色合いの調整で少し青みを強くしている.
17:00頃.高炉にズーム.遠くの設備は煙や廃熱などで輪郭がぶれる.
16:50頃.製鉄所の原料岸壁のガントリークレーンと輸送船に注目.
船名「AKAGISAN」.赤城山なら親しみを感じる名前だ.日本の船?
17:05頃.夜は船の姿も少しドラマチックに見えてくる?
17:10頃.蒸留塔のある方面.フレアスタックが輝いている.
17:15頃.ガントリークレーンの照明が明るく写り過ぎる.
港公園展望塔の営業終了時刻は17時です。 この時刻になる前に、撮影を済ませて下の管理棟まで戻ってくる必要があります。 また、17時より30分ほど日没が早い時期でないと、夜景となりません。 日没が早い冬期の、11月から翌年1月上旬が狙い目でしょう。 私は展望塔での夜景撮影に再挑戦する気持ちでいます…。
砂山都市緑地での工場鑑賞
港公園からではよく見えない、鹿島製油所の奥に広がる石油化学工場群。
これを一望できる展望地が砂山都市緑地です。
近年になって津波の避難所を兼ねる公園として神栖市が整備。
20メートルほどある丘の高台まで歩道が整備され、以前より素晴らしい展望地となっていました。
展望地から北に見えるのは、ほとんどが三菱ケミカルの茨城事業所の敷地と工業施設群。
石油精製で得られるナフサなどから、
プラスチック製品の原料となるポリエチレン、ポリプロピレン、ビスフェノールなどを
主に製造しているようです。
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海抜20mほどの高台に整備された展望地.以前より広い展望.
ほとんどが三菱ケミカルの敷地と工場設備である
鹿島北共同発電の発電所.230mの集合煙突が目立つ.
奥に鹿島石油の蒸留塔、更に奥に製鉄所の設備も重なって見える
夜景.鹿島北共同発電の手前が以前よりすっきりしている.これは….
2014年の写真.三菱ケミカルの第1エチレンプラントが解体されたようだ.
鹿島北共同発電の前にズーム.第1エチレンプラントがあった場所.
右奥に第2エチレンプラントの分解炉の部分が見える
砂山都市緑地での展望には違和感を覚えました。 鹿島北共同発電の発電所の手前が、以前よりもすっきりしている。 そこに在ったのは三菱ケミカル茨城事業所の第1エチレンプラント。 ナフサなどを熱分解と分離精製により、エチレンなどの石油化学製品をつくる設備。 2014年に撮影した上記の写真06と見比べてみてください。無くなる前のほうが見応えがあったので残念。 ちなみに上記写真08、第2エチレンプラントの分解炉の部分は展望地からよく見えます。
鹿島石油の東門前での工場鑑賞
鹿島臨海工業地帯の夜景で特に好きな場所かもしれません。
ENEOSグループの一大拠点、鹿島製油所の東門前から望める、常圧蒸留装置の巨大設備。
石油精製の工程で、最初に原油から様々な成分を取り分ける製油所の心臓部。
円柱状の蒸留塔に加熱して蒸気にした原油を装入、
沸点の違いを利用してLPガス、ナフサ、灯油、軽油、重油などに蒸留します。
夜空にきらめく蒸留塔群は、まるで神殿のように荘厳な佇まいです。
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東門から少し南の位置より.パイプラインの火気厳禁が気に入っている.
写真01とほぼ同じ撮影位置.暗くて火気厳禁を上手く写せなかった.
東門の正面.安全面とセキュリティ面から門には近づかない.
東門の正面から.県道の対岸の歩道上から撮影、敷地内に立入っていない.
鹿島製油所を東門前から見学する際、注意するべきことがあります。 可燃物を満載した大型トラックやタンクローリーが頻繁に出入りするところ。 路肩駐車する場合は、東門から北に100メートルは離れた場所にしましょう。 安全とセキュリティのため東門には接近せず、県道対岸の歩道上からの撮影としましょう。
気分爽快な海風の見える丘
海風の見える丘は海岸の展望台で、鹿島臨海工業地帯の南海浜地区にあります。
鹿島灘を背景にウィンド・パワー・グループの風力発電所を眺められる場所。
風力発電機はこの展望地から南に7基(かみす第1洋上風力発電所)、
北に8基(かみす第2洋上風力発電所)。
風力発電機はの大きさはタワー高が60メートル、ブレード長が40メートル。
巨大風車群が回る海風の展望地です。
(以降の写真は選択すると拡大表示&閲覧できます)
展望台からすぐ左手(北)にあるのは、かみす第2洋上風力発電所の1基
展望台から右手に(南)に、かみす第1洋上風力発電所の7基が海上に続く
護岸の上に飛び乗って撮影(かみす第1洋上風力発電所のうち6基)
護岸には壁画「1000人画廊」.鹿島港から日川浜まで続く.
海風の見える丘では、護岸の壁画にも注目してみてください。 1000人画廊と呼ばれるもので、神栖市民の方々が描いたもの。 鹿島港から日川浜まで続く約6kmもの区間に描かれています。 上記写真04は壁画のひとつ。 様々な壁画を眺めながら少し歩いてみるのも面白いものです。 それとこの場所で眺める日の出はけっこう良さそうです。
終わりに
以上、5回目の鹿島臨海工業地帯の工場鑑賞でした。 この地域に周辺観光も含めて朝から晩まで長居。 今まで最も熱心に工場鑑賞できたと思います。心残りは港公園展望塔からの夜景撮影。 再び試みるつもりです。 また、鹿島埠頭が運営する遊覧船「ユーリカ」に乗っての海上からの工場鑑賞もしてみたい。 須田浜海岸で12基の風力発電機が建ち並ぶ、波崎ウィンドファームの風量発電所も眺めてみたい。 鹿島港の中央航路の北側にある、新浜緑地公園は製鉄所の高炉の眺めが良さそう。 まだまだ見所たくさんな鹿島臨海工業地帯。再び訪れるのはいつになるか。
関連情報
■神栖市観光協会 :港公園や海風の見える丘の紹介もあり
■鹿島神宮(公式):茨城県内で一度は参拝しておきたい
■息栖神社(公式):霊泉の湧く鹿島神宮と縁の深い神栖市を代表する古社
■鹿島臨海工業地帯の工場鑑賞 (4):2014年3月時の記録
■鹿島神宮の御神木 :茨城県で最大級となる鹿島神宮の御神木
■鹿島神宮の巨木たち :鹿島神宮の社叢から複数の巨木を紹介
■波崎の大タブ :神栖市にある国内最大級のタブノキ
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