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  • 旅日記TOP工場鑑賞:鹿島臨海工業地帯 (4)-(2014.03)

    鹿島臨海工業地帯 (4)-(2014.03)

    工場鑑賞の旅、第5回目。場所は茨城県の鹿島灘に面する鹿島臨海工業地帯です。 前回の工場鑑賞 から約1年と半年ぶりに訪れた鹿島。 これで鹿島を訪れるのはもう4回目ですが、見所が多く何度でも訪れたい場所の1つです! 前回同様、今回も夜景の撮影が一番の目的で、 目当ては石油化学工場の施設です。 今回は深夜出発の早朝の撮影です。鹿島までの長い道中は眠気が波のように襲ってきましたが、 闇の中、重く鳴動しながら輝く工場の構造体に、眠気は吹き飛んだのでした。
    (写真「鹿島石油さんの製油所」)

    1.石油化学工場の夜景

     鹿島臨海工業地帯は茨城県の鹿島灘に面する巨大な工業地帯です。 鉄鋼業、石油化学、発電所などの企業施設群が密集しています。 鹿島灘からY字型に内陸に掘り込まれた鹿島港の北側の鹿嶋市側は、 新日鐵住金の製鉄所があります。 鹿島港の南側の神栖市側は、 東京電力の火力発電所、鹿島石油の製油所、旭硝子や三菱化学などの石油化学工場が密集しています。 輸送、原料、製品、電力を共有し合う巨大なコンビナートです。
     まず最初に、今回の工場鑑賞の一番の目的、石油化学工場の夜景が見える場所に行きます。 鹿島港の南、神栖市側にある砂山都市緑地(公園)の丘の上からは北側に広がる工場群が見渡せて、 特に鹿島北共同発電さんの大煙突とその周辺の三菱化学さんの施設群が見所です。 今回は、深夜に自宅を出発し、現地には午前4時頃に到着して撮影を始めました。 まだまだ3月の寒い時期です。防寒着を着こみ持参したホットコーヒーで一息。 なお、全ての撮影場所は以下の地図に示しておりますので写真と合わせてご覧ください。

    【地図:撮影場所の一覧】

    撮影場所と撮影の際に目印となるような施設を示した地図。撮影場所の中で整備された駐車場があるのは 港公園と砂山都市緑地のみ。訪問の際は工場の作業員や車両の妨げとなる駐車や撮影はNGだ。

    以下3つの写真は、砂山都市緑地から撮影した写真です。周囲は暗くて人気が無く、 雑木林のある公園の丘は少し怖い感じです。ハンドライト、またはヘッドライトなどの照明器具は必須です。 足元に注意して駐車場から丘まで進みます。

    砂山都市緑地の丘の上から北側の光景。中央が鹿島北共同発電さんの火力発電(石油)の大煙突。 足元がファンタジーだ。原油を沸点の違いでガソリンや軽油に分離する蒸留塔などの施設か。
    火力発電の大煙突の根元付近にあるファンタジー部分を拡大。 周囲は三菱化学さんの石油化学工場なのだ。公園のすぐ前は広い駐車場(企業用)となっている。
    午前4時30分頃、独り暗い公園の雑木林で、ガサゴソしているところです。 この景色が見たかったから再来したようなもの。

    2.製油所の夜景

    次に、鹿島石油さんの製油所施設の入口付近に移動します。 砂山都市緑地の丘の上から遠巻きに見たような施設を間近に見ることができます。 目の前に現れた巨大な製油施設に興奮してきますが、ここで注意すべきことがあります。 それは製油所施設の前の道路(県道117)は、石油や様々な製品原料(危険物)を満載した 大型トラックが通ります。このため駐停車禁止の区間です。 私は工場の施設や車両の妨げにならない場所に車を停めて、そこから製油所 施設入口まで歩いてきました。また、撮影は道路に並行する歩道から行い、 車道上や施設入口前での撮影は控えるべきと思われます。

    鹿島石油さんの製油所入口付近からの眺め。林立する蒸留塔が圧巻である。 ここで夜景を見るのは初めてなので興奮した。
    照明に照らされ輝く蒸留塔が神殿の柱のように見えてきた。 なお、この施設の東側、写真を撮っているときの背後は、東京電力の火力発電所の敷地である。
    鹿島石油さんの製油所の後で、鹿島港の南東岸にきた。対岸に新日鐵住金さんの製鉄所。 中央に第3高炉が見える。夜が明けてきた。ここで持参した朝食を摂っていたら眠くなってきた…。

    3.朝の石油化学工場

    今回の工場鑑賞の第1の目的、石油化学工場の夜景の鑑賞は終わりました。 あとは港公園の展望台が利用可能となる午前8時30分になるまで、鹿島港の周囲を回ってみました。 はじめに、もう一度、砂山都市緑地に寄ってきます。朝の景色もいいんじゃやないかと。

    今日、再びこの場所に。時刻は午前6時頃。日が登り明るくなった。周囲は三菱化学さんの施設内。 明るくなったのに工場は眠ってしまったように見える。
    鹿島北共同発電さんの大煙突。ちなみに、ここから南に、旭硝子さんの施設と併設して鹿島南共同発電さんの施設がある。 南北あるのね。来る途中で見えた巨大な煙突がそれだった。次回はそちらも撮りに行きたい。

    4.鹿島港・北東岸①

    次に鹿島港の北東岸にやってきました。 ここは新日鐵住金さんの製鉄所の高炉がよく見える場所(地図・鹿島港北東岸①)と、鹿島港の対岸・南側にある 東京電力の火力発電所、鹿島電解の工業塩の山、鹿島石油の製油所がよく見える場所(地図・鹿島港北東岸②)があります。 ここは駐車場がなく、車は県道(255)に路肩駐車しました。 港の埠頭や、施設付近には、港の作業関係者(タグボート係留所あり)の邪魔になるので停めるべきではありません。

    地図上の鹿島港・北東岸①の地点(県道255上付近)から。奥に新日鐵住金さんの第1高炉が見える。
    第1高炉の拡大。片方の煙突から煙は出ていないが、どのような構造になっているのだろう? (予備か未使用か)
    第1高炉から少し左奥には第3高炉がみえる。左手前の円筒形の構造体はガスホルダー。2011年の震災で炎上し損失して から新しく建造されたものだ。
    第3高炉の拡大。製鉄所の心臓部。形もなんとなく心臓っぽい。 右のベルトコンベアから鉄鉱石や燃料が投下され、 下にある超高温の炉で還元し鉄を取り出す。 周りに排熱やガスを廃棄・循環させるパイプが取り巻く。
    地図上の鹿島港・北東岸②の地点に移動。対岸の正面に東京電力の火力発電所画見える。 時刻は午前7時を過ぎた。逆光気味&陽の位置が低いので暗めな感じの写真になってしまう。
    鹿島電解さんの施設の前に巨大な輸送船が停泊中。塩を積んでいる船だろうか!? 工業塩の山は頭が少し見える。
    鹿島石油さんの巨大な原油の貯蔵槽。 写真のものは1基につき容量が10万KLくらいだろうか。

    5.港公園

    最後に、工業港・鹿島港の中央航路の西端にある港公園にやってきました。 この公園の有料の展望台からみる景色は素晴らしいです。 正面の中央航路の先に鹿島灘と太平洋、左(港北)に巨大な製鉄所、右(港南)に製油所と石油化学工場群。 日本の工業を支えるために必要な役割の1つを、この地が担っている、そんな光景です。 私は緑の多い自然風景や、歴史ある古い街並みの風景が好きですが、 このような工場地帯の風景にも惹かれます。高層ビルの建つ都市部は嫌いなのですがね…。

    公園から見た新日鐵住金さんのガントリークレーン。船に何らかの鉄鋼製品を積み込んでいた。
    また別の新日鐵住金さんのガントリークレーン。ドーナツ状にまとめた鋼材を船に積み込んでいた。
    また別の新日鐵住金さんの中央航路のガントリークレーン。船から製品原料(鉄鉱石、石炭、コークスなど?)を 積み込んでいるようだ。
    また別の新日鐵住金さんのガントリークレーン。奥に高炉(第2、第3)が見える。
    やっと時刻が午前8時30分を過ぎ展望台へ! 展望台から見える新日鐵住金さんの製鉄所のほぼ全景。 画像を選択するとやや大きめ(幅1380)のものが ご覧になれます。
    展望台から製鉄所の一部。朝は陽が低く逆光で、あまり鮮明な写真がとれない。
    展望台から鹿島石油さんの製油所。巨大な煙突は、鹿島北・南共同発電さんの発電所のものだろう。

    終わりに

    今回の工場鑑賞は諸事情により深夜発で不眠の強行軍で正午には帰宅しました。 夜景は日没後に撮るのではなく、早朝に訪れて撮るというのもアリなのではないでしょうか。 日中の後半を自由に使えます。 次に鹿島臨海工業地帯を訪れる際は、新たな撮影場所を下調べして訪れたいものです。 鹿島港から離れてみるのもいいだろうな。