旅日記TOP / 上永野・蝋梅の里(2016) ~周辺散策・星野遺跡~
上永野・蝋梅の里 ~周辺散策・星野遺跡~ (2016/01)
(写真:星野遺跡・地層たんけん館)
1.上永野・蝋梅の里
今回の旅日記は2016年1月に、栃木県の鹿沼市「上永野・蝋梅の里」と栃木市「星野遺跡」を巡った記録です。
県内でも最大規模の蝋梅園と、珍しい地層が主役の博物館、どうかお付き合いください。
「上永野・蝋梅の里」は鹿沼市の東部、永野川の上流に位置する緑多き里山の集落にあります。
1.3ヘクタールの敷地に、約600株・5千本近い大量の蝋梅が植樹され、ここにある蝋梅の種類は4種。
殆どは「満月」「素心」で占めており、東側の一角に「原種(唐蝋梅)」と
ここ以外で見ることが難しい貴重な「基本種」が植えられています。
基本種は、原種に比べて花弁の中心の色・赤紫が薄いのが特徴。
蝋梅の数が多いだけでなく、穏やかな田畑と里山の緑と青空に包まれた好ましいロケーションに、貴重な基本種の蝋梅
栃木県内で早春の風景をお探しの方にお勧めの場所です。
【 上永野 蝋梅の里 】
■所在 : 栃木県鹿沼市上永野
■入園料 : ¥300
■花の見頃: 満月・素心(12月下旬~1月下旬)
基本種 (1月~2月上旬)
原種 (2月中)
【 「上永野・蝋梅の里」と周辺の地図 】
(以降、写真が多くなるので、一覧で表示&ビュワーで拡大表示&閲覧するようにしています)
入口前は広い駐車場.西側に売店がある.入場料¥300
4種のうち殆どは満月と素心が占める.基本種はとても珍しい品種
蝋梅園は南北に長い形.東側と西側の周回道を歩く
基本種と原種は、南東側に位置.開花時期は素心や満月より遅い
他では見ることが難しい基本種.原種より中心の赤紫が薄い
唐蝋梅とも呼ぶ.基本種より花弁中心の赤紫が濃い色
東側通路の南北の中間点.奥に小屋が建っている
中間地にある東西の周遊道を繋ぐ道から.里山
蝋梅園の最奥、小屋の前にある展望台
展望台からの眺め.今年は1月中旬までが見頃だったかな
左奥の小屋で珈琲と甘酒が所望できる.ここは暖かい
小屋の南西にある展望台.足元に注意、一人ずつが安全だろう
展望台から.信仰の山、三峰山が見える.いつか登りたい
今年は開花が少し早かったか.満月や素心のピークは過ぎた
このまま真っ直ぐ入口まで.名残惜しいのでゆっくりと歩く
入口近くにある蝋梅の大木.これほど太い幹の蝋梅は見たことない
入口手前、西側の通路から見た蝋梅園.ここの風景には癒される
入口の西側にある売店.地元の食品や工芸品が求められる
お勧めのお土産.1ml¥300.ここの蝋梅から抽出されたエキスだ
2.星野遺跡・憩の森
星野遺跡は、郷土の考古学を研究していた斉藤恒民氏による発見を発端に、
東北大学と栃木市教育委員会の合同の発掘調査(昭和40~昭和53)が行われた遺跡です。
縄文時代の住居跡や、石器時代の物とみられる遺物が出土しました。
今は「星野遺跡・憩の森」として整備されている場所は、
第1次発掘調査が行われた場所で、縄文時代前期から中期(5~4500年前)の住居跡が
見つかった場所で、再現された竪穴式住居や出土品の一部が展示されています。
再現された竪穴式住居って、ずいぶんと久しぶりに見ました。子供のとき以来か。
家全体が屋根とその骨組み、土に埋まった家、何だか新鮮な姿だ! 限られた労力と材料で、
風雨と寒さを防ぐには、湿気が心配ですが結構に優れた建物かもしれませんね。
近くにベンチにある休憩所のような建物に、出土品の一部である土器の破片や、
石器が展示されていますので、お見逃しないように。
(以降、写真が多くなるので、一覧で表示&ビュワーで拡大表示&閲覧するようにしています)
第1次発掘調査(昭和40)跡から再現された竪穴式住居
縄文中期・約4500年前の住居で、柱やカマドの跡、土器があった
屋根とベンチの建物.遺跡の資料と発掘品が展示されている
休憩所の中にある解説版.第1発掘調査の場所が公園となった
第4次調査のEトレンチの場所は地層たんけん館となっている
左の石錘とは釣糸や漁網に使われた重りのことである
石の斧刃や矢じり.小さい「たたき石」?すり潰す物に混ぜた?
発掘品や関連資料が保管されている施設だが休館中(2016)
3.星野遺跡・地層たんけん館
再現された竪穴式住居などがある「星野遺跡・憩の森」から北には、
発掘で掘った穴をそのまま利用したような施設「星野遺跡・地層たんけん館」があります。
初見だったというのがありますが、インパクトと興奮は蝋梅の里よりもこっちに持っていかれました。
ここは星野遺跡の発掘調査で、昭和42~53年に掘られた、
番号Eの堀溝「Eトレンチ」があった場所で、深さ14mまで掘られました。
Eトレンチでの調査では、縄文時代や石器時代の多くの石器が出土した他、
各年代の地層に含まれる火山灰などから往事の自然環境を確認することができました。
地層たんけん館では、Eトレンチの跡を、10mの深さの長方形の堀溝として再現し、
巨大な生の地層の断面を見学できる様にした施設です。
10mも丁寧に掘り下げた、普段は見えない、秘密の断面、関東ローム層。
上層の白い部分は、平野部から眺めたり登ったり親しんだ赤城山の火山灰の層!
博物館? いや、これは、美術館でもあるか? 遥かな時が凝縮されたキレイな層壁!
しばし興奮しながら眺めました。
なお、地層たんけん館は、開館が午前9時で入館は無料、手前まで一般車両は通行ご遠慮。
車は「星野遺跡・憩の森」の近くか駐車場に停めて歩いてきましょう。
(以降、写真が多くなるので、一覧で表示&ビュワーで拡大表示&閲覧するようにしています)
星野遺跡から地層たんけん館への近道.徒歩数分だ
ここまで一般車両の通行はお断りなので徒歩で来ましょう
第3~5次発掘調査のEトレンチ溝を地層見学用に保管した場所
深さ約10m.関東平野の足元はこうなっているのだ!
解説版から抜粋.第5文化層は3万年以上前の地層
各地層の年代や堆積物について
端から端を撮影.地層で興奮! なお下には降りられない
壁の角.ここよりキレイな関東ローム層は見れないのでは?
斜面にあるので2階が地表の1階か.何か杭のオブジェ
1m付近に浅間山の火山灰、2mの姶良は鹿児島湾のカルデラ
近くの赤城山も榛名山もカルデラ湖のある火山だったよね
関東平野の土壌には赤城山の成分が多めです
館の地表部分.Eトレンチの上は屋根で覆われている
ガラスに日光が反射して内部は鮮明には覗けなかった
4.おわりに
訪れるのが今回で4度目となった「上永野・蝋梅」。
今年も再び心安らぐ風景に癒された事と、新しい見所である興味深い「星野遺跡」にも訪れることができました。
特に、初見であった星野遺跡の「地層たんけん館」には興奮しました。
地層の壁しかありませんか、それでも見応えがある。まるで、地層が主役の美術館のよう。
蝋梅の里を目的に訪れられ方には、地層たんけん館へも寄られることを強くお勧めします。
地層たんけん館の後は、近くにある「四季の森」を散策し、食事処「ゆず里亭」で昼食と一休み。
それから、まだ未公開ですが、近くにある栃木市内の巨木2本を巡って帰路へ着きました。
中々に満足の1日でありました!
そして、また再び蝋梅の里へ訪れるときは、地図中に示した修験道の山・三峰山へ登ってみようと思います。
■巨木・星宮天満宮の大スギ :下粕尾地区の神社の御神木.境内には他に大スギが3本ある
■巨木・叶台のカヤ :口粟野地区の高台に立つ.鹿沼市で最大のカヤ
■巨木・粟野のカヤ :口粟野地区の住宅地に立つ.素晴らしい風格
■旅日記・上永野蝋梅の里(2015):去年、2015年1月の蝋梅の里の様子
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