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首都圏外郭放水路 ~各立坑の流入設備と排水樋菅~(2020.07)
首都圏外郭放水路の入口と出口
世界最大級の地下放水路である首都圏外郭放水路。 圧巻の巨大空間である調圧水槽を満たす洪水。 その入口や出口がどうなっているか気になりませんか。 各立坑の河川に面した流入施設と、庄和排水機場の江戸川に面した排水樋管。 以下、その様子です。 なお、第2立坑(18号水路)および、第3立坑の中川の流入施設には立寄っていません。
【 地図 】
第5立坑の流入施設(大落古利根川)
外郭放水路の最西端に位置する大落古利根川に面した第5立坑。 住宅地に囲まれていて隣には公園。 地下の巨大放水路の入口があるとは、ちょっと想像つかない景観です。 さて、立坑の流入施設について。 入口は河川の堤防に設けられた越流堤。 これは堤防の一部を低くしたもので、洪水時には自然に越水するようにしたもの。 高さは周辺の最低地盤高と同等になっているそう。 洪水は越流堤から先、異物をすくい揚げる除塵機、制水ゲートなどと続き、立坑へと流下します。
第4立坑の流入施設(幸松川)
倉松川の支流であり下流で大落古利根川へと注ぐ幸松川に面した第4立坑。 幸松川は大きな川ではないため、越流堤と流入施設も小規模です。 ちなみに、第5~第2立坑間の地下トンネルは、ほぼ国道16号線の下に造成。 これは将来の土地開発の妨げにならないための措置だとか(国道の移設はほぼない)。
第3立坑の流入施設(倉松川)
第3立坑の倉松川に面した流入施設は、各立坑の中で特に大きなもの。 越流堤の幅は53mあり、流入量は100m3/s。 少し離れた東側には、中川に面した流入施設があり、2つの河川の洪水が立坑へと流下。 また、第3立坑には地下トンネルに残った洪水を、ポンプで倉松川に排水する機能もあります。
排水樋管(江戸川)
外郭放水路の出口である排水口、江戸川に面した排水樋管。 見学会か庄和排水機場の龍Q館に訪れる際に、併せて立寄ってみてください。 排水樋管は幅5.4mあるものが6門あり、全幅は約60mほど。 調圧水槽に溜まった洪水が排水機場のポンプにより、 この堤防下を通る水門を通して江戸川へ流れていきます。 外郭放水路が取込んだ洪水を受け止めてくれる江戸川。 排水樋管の上から眺める大河の流れは、いっそう感慨深く偉大に映るのでした。
おわりに
以上、外郭放水路の入口と出口、立坑の流入施設と排水樋管でした。 見学会で目にできる調圧水槽と第1立坑と比べてしまえば、じつに地味です。 それでも外郭放水路にとって、無くてはならない主要な施設群。 あの調圧水槽へと繋がっていると思えば、見方も変わってくるのでは。 土木好きの人でなくとも、どこか一つは見ておいては如何でしょうか。 なお、各流入施設は河川の堤防沿いにあるので、 足元が悪い雨天や増水時には近寄らないようにしましょう。 特に排水樋管への接近は危険。 増水時に一帯は水没しがちであり、滑って転落する危険も高い。 ご注意ください。
関連情報
■ 旅日記・首都圏外郭放水路:調圧水槽と第1立坑の見学について
■ 巨木・牛島の藤 :春日部市、藤花園にある国指定特別天然記念物の大フジ
■ 巨木・蓮花院の椋 :春日部市、お寺の蓮花院にある県内最大級のムクノキ
■ 江戸川河川事務所 :外郭放水路の詳細情報あり
■ 首都圏外郭放水路(見学):見学会の予約受付サイト
■ 春日部市ホームページ :庄和排水機場にある見学施設・龍Q館の情報あり
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