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桐生の日本遺産巡り ~伝建地区~
伝建地区 ~織物の町の中心地・伝統的な建物が続く歴史ある町並み~
桐生天満宮を起点とした門前町、県道66号線の両脇に続く歴史ある町並み。
400年以上前の区割りの上に、明治・大正時代の商家や、織物工場が織り成すレトロな雰囲気のエリア。
それがは伝建地区(桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区)です。
伝建地区と周辺で、以下の代表的な建築を巡ってきました。以降、順番にご紹介していきます。
■桐生天満宮 :観応年間(1350)から現在地に鎮座する古社
■ベーカリーカフェ・レンガ :鋸屋根の織物工場を改装したパン屋
■一の湯 :創業100年の銭湯
■森合資会社事務所 :事務所と蔵が文化財に指定されている
■旧平田商店 :店舗と店蔵が文化財に指定されている
■大風呂敷(旧書上酒店) :建物内はカフェやイベントスペースに改装
■旧曽我織物工場 :鋸屋根の大谷石の外壁の織物工場
■花のにしはら(旧書上商店):現在は花屋.離れに作家・坂口安吾が暮らしていた
■玉上見薬局(仁誠堂) :江戸期から続くという老舗
■矢野園(矢野本店) :明治創業の商店.有鄰館とは隣接
■有鄰館(旧矢野蔵群) :11もの蔵で構成される施設
■同窓記念会館 :桐生高等染織学校として大正期に建てられた
【 伝建地区の地図 】
桐生天満宮 ~伝建地区の基点に鎮座する桐生市の総鎮守~
伝建地区で最初に訪れたのが桐生天満宮。 創建は景行天皇の時代(71~130)とされ、御祭神に天穂日命を祀る磯部明神と呼ばれていました。 現在の場所には、観応年間(1350頃)に桐生家により遷座され、桐生の総鎮守として、町の発展を見守ってきた歴史ある古社です。 社殿は県の重要文化財で、寛政五(1793)年に落成した幣殿と本殿は、精巧で華麗な彫刻が覆われいるので、一見の価値あり!! 境内では、毎月第1土曜日に、骨董市が開かれますので、その日に合わせて訪れてみるのが面白いでしょう。
(以降、写真が多くなるので、一覧で表示&ビュワーで拡大表示&閲覧するようにしています)
伝建地区の北に位置する天満宮.境内は細長い形
写っていないが左側に宮司の居館がある
参道脇の観光マップ.伝建地区以外も見所が多い
天満宮の門前町であるこの範囲が特に古建築が集中している
参道脇にある機神神社.手前にイチョウの大木が立つ
参道の途中にある石の太鼓橋
稲荷の脇に鉄灯篭がある.詳細は不明.かなり古そうだ
社殿の前に構える門.平成の大修理事業を記念して建てられた
どっしりとした立派な拝殿.享和二年(1802)に上棟されたもの
境内の西側に宝船神社.境内にある摂末社から七柱を合祀
本殿の西側に神楽殿.現在も神楽が奉納されるのだろう
精巧な彫刻で覆われた本殿.拝殿と繋がる幣殿と共に寛政元年(1789)に上棟された
本殿の西側面.精巧で美しい彫刻にしばしの時、見惚れた
本殿の西側面.かつては極彩色であった.補修は続けられている
本殿の背後.桐生で最古の建造物(天正1573~慶長1615)
本殿の背面.天満宮の社殿は岩盤の上に建っているという
埋め尽くされた豪奢な装飾.桐生の繁栄を物語っている
本殿の東側面.西側ももう一度見たくて2周した
本殿の東側.神明宮、 天照大神を祀る摂社か
伝建地区の町並み ~商家や蔵に織物工場が続く日本遺産の町並み~
伝建地区の鎮守の杜である桐生天満宮を参拝した後は、門前町として続く町並みを散策! 伝建地区には、明治期から大正期に立てられた、商家、蔵、工場が残っていて、 中には、今も操業する老舗や、カフェに、現代アートや伝統工芸の工房として改装されたものも。 自転車での散策がお勧めで、レンタサイクルは、桐生駅(桐生市民活動推進センターゆい)と、 有鄰館から無料で利用することができます。
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レンガ造りの工場を再利用したパン屋.国登録有形文化財
旧金谷レース工業の建物.鋸屋根の織物工場だった
内部もオシャレだ.お店の詳細については 店舗公式サイト を参照
人気のフレンチトーストは建物の形! (購入後に自宅にて撮影)
ベーカリーカフェ・レンガの前に「四辻の齋嘉」と観光案内所
事前予約で電動バスによる観光を楽しめる.詳細は 「桐生再生」を参照
創業100年、織物工場の工員のための風呂から始まったという
今度、鳴神山か赤城山への登山の帰りに寄ってみようかな!
事務所は大正3年、蔵は明治初期の建造.国登録有形文化財
事務所は会社のものとして現役、蔵は染色の工房として使われているとか
店舗と店蔵は、明治33年の建造.国登録有形文化財
防火対策を施した土壁のどっしりとした重厚な造り.蔦は除去しないのかな
大風呂敷は、旧書上酒店を改装したショップ&カフェ
横から.お店の詳細は店舗公式サイトを参照
大正11年建造の織物工場.国登録有形文化財
路地奥から.大谷石造り5連の鋸屋.現在は操業停止
旧書上商店.明治初期頃の建造.現在は花屋さんだ
横に作家・坂口安吾の往還の碑.坂口は晩年にこの離れで暮らした
仁誠堂・玉上薬局.店蔵は文化3年(1804)建築.江戸期から続く老舗!
店舗は大正5年、店蔵は明治31年の建造.現在は米・茶葉・喫茶のお店
店舗の詳細は公式サイトを参照.有鄰館と隣接
有鄰館 ~立ち並ぶ大きな蔵の群れは芸術の発信地~
伝建地区の中で、有鄰館は特に見所が多かったので、別枠としました。 有鄰館は、享保2年(1717)に創業した老舗・矢野本店の敷地内にある、 商品を保管していた11もの蔵(塩、酒、味噌、穀物など)で構成された施設。 蔵の内部は、陶芸品や絵画など芸術品の展示や販売、コンサートや各種イベントの催事場として多目的に活用されています。 蔵に囲まれた敷地の奥には、からくり人形館と、クスノキの巨木が立つ神社もあり、見所が多い場所。 矢野園には、喫茶店も併設されているので、蔵に囲まれての小休止にも乙なもの。
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有鄰館は11の蔵で構成.芸術品の展示やコンサートなどに使われている
矢野園の後ろ側辺り.奥が事務所.自転車が借りられる
矢野園の後ろ側.喫茶店がある.移動販売の軽自動車が戻っていた
県道に面したレンガ造りの蔵の中.当日は陶芸品の展示・販売であった
レンガの壁、組み木の天上、雰囲気ある.蔵とアートは相性良さそうだ
右の味噌蔵と左の酒蔵に挟まれた通路を進むと巨木と神社がある
樹齢300年といわれるクスノキの巨木.事前に知らなかったので余計に嬉しい
蔵に囲まれたクスノキ神社は、巨木の箱庭といった感じ.周囲は駐車場
最奥に、からくり人形館.人形芝居が見れる.第1・3土曜日に上演
有鄰館の南側の市道.塩蔵、酒蔵、穀蔵と続く.雰囲気が良い!
同窓記念会館 ~染織学校の本館だったゴシックな洋館~
同窓記念会館は、桐生天満宮の隣、群馬大学工学部のキャンパスの一角に建っています。
大正5年に設立された、桐生染織学校の本館の一部と講堂であった建物です。
外観は、学校というより、教会堂によく見られる木造ゴシック建築のようなもの。
講堂内も教会堂によく見られる、ハンマービーム工法と呼ばれる天井を高くするための構造をしています。
両壁の上端から内側に短い梁を突き出し、その先端に立てた束で天上を支え、この梁を下からアーチ型の材で支える工法。
講堂内は、教会のように厳粛でありながら、上品な華やかさのある雰囲気に包まれています。
見学の際のご注意。キャンパス内へ入る際は守衛所で記名し、
会館に入る際は、入口横の事務所で受付を済ませる必要があります。
また、館内での写真を撮影する際は、事務員の方に許可を得てからにしましょう。
なお、館内へ入れるのは平日のみとなっています。
(以降、写真が多くなるので、一覧で表示&ビュワーで拡大表示&閲覧するようにしています)
群馬大学工学部のキャンパスにレトロな洋館.ゴシックスタイルで教会のようだ
桐生高等染織学校として大正5年に建造.国登録有形文化財
2Fへの階段と講堂への入口.木の廊下が懐かしい
出入口側には、年表や資料が展示されている
2F通路から.この雰囲気、ミサが行われても全く違和感が無いと思う
初めて実際に目にする建築様式と雰囲気に感動した
柔らかくも厳粛な雰囲気.高説する教授、傾聴する学生達が目に浮かぶ
建物の外へ出たら、町の景色も、その頃に戻っていそうな気がした
関連情報
■群馬の日本遺産 :日本遺産「かかあ天下~ぐんまの絹物語」の公式サイト(県営)
■伝建地区 :リンク先は桐生市の公式運営サイト
■桐生天満宮 :伝建地区の起点に鎮座する桐生の鎮守の社
■ベーカリーカフェ・レンガ:旧金谷レース工場の建物を利用したパン屋・カフェ
■桐生再生 :古民家を利用した「四辻の斎嘉」と電動バスを用いた観光案内など営業
■大風呂敷 :明治初期に建造の旧書上酒店を改装したカフェやショップ
■花のにしはら :明治初期に建造の旧書上商店.現在は花屋さん
■矢野園 :明治期から続く商店.現在は米・茶葉・喫茶など扱う
■有鄰館 :桐生市の公式運営サイトから.蔵での各種イベントの内容はこちらから
■同窓記念会館 :リンク先は桐生市の公式運営サイト
■桐生市(公式) :桐生市が運営する公式サイト.文化財の情報が豊富である
■桐生Walker :桐生市の観光協会の公式サイト
■ぐんま絹遺産 :群馬県内の絹産業にかかわる文化財を網羅したサイト
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