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  • 旅日記TOP巨木・お寺・ダム(明ヶ指のカツラ・長泉院・浦山ダム)

    巨木・お寺・ダム ~巨木巡りの後も続く興奮~ (2014/08)

    趣味の巨木巡りで訪れた巨木達の中で、再来したいと思う巨木が幾本かあります。 それは、お気に入りの巨木や、天候や準備不足により満足に写真が撮れなかった巨木です。 そんな巨木の一本に再来してきました。埼玉県秩父市の荒川の上流にある、明ヶ指のカツラという巨木です。 秩父市には登山に観光によく訪れる私のお気に入りの街です。 秩父市に巨木を見て帰ってくるのでは勿体ないので、自転車で巨木の近辺にある名所のお寺とダムも巡ってみました。 天候は生憎の雨天でしたが、巨木を見た後も雨が温く感じる程に興奮が続きました。 (写真:巨木・お寺・ダム)

    巨木・明ヶ指のカツラへ

     今回の旅は車で現地(埼玉県秩父市荒川)まで車で移動し、そこから車に積んできた自転車で巨木・お寺・ダムの3つを順番に巡りました。 荒川の水源地帯となる山に囲まれた段丘地帯の上、民家や畑や寺社の点在する風景の中をゆっくりと進んでゆきます。 車は巨木の後に訪れるお寺、秩父札所二十九番の長泉院の駐車場を利用させていただきました。 移動したルートは以下の地図を参照ください。総移動距離は約12.6km(往路含む)です。 徒歩では面倒ですね。車か自転車での移動が望ましいです。

     明ヶ指のカツラ(「みょうがさす」と読む、以降・大カツラ)は、荒川の支流、安谷川の上流にある渓谷に立っていて、そこまで行くには、 未舗装の細い林道を通らなければなりません。林道は地図上の「道分岐②」の地点から「秩父温泉郷やすらぎの里」まで続きます。 林道は普通車でも通行できますが、一台分がやっと通れる広さが殆どです。 また、落石の注意と、所々が安谷川への斜面に切れ落ちているで路肩からはみ出さないように注意が必要です。 車で通れそうなのが「秩父温泉郷やすらぎの里」までで、周辺に駐車場などはく路肩駐車です。 そこから、右に曲がって安谷川の川辺に下りれば、鉱泉の湧く「たまご水」があり、そこから川辺を上流に50mほど進めば、 素晴らしい大カツラとの対面です。

    【 自転車で移動したルートの地図 】

    移動したルートと要所の地図。往路も含めば全移動距離は約12.6kmほどか。 天気が悪くなければ、もっと他の場所にも寄りたかったものだ(ダム湖の一周とか)。
    長泉院駐車場 秩父札所二十九番の長泉院の駐車場。 お寺の関係者やお参りする以外の目的でここを使ってはいけないと思うのだが、 私は3時間(2014/08/12 - AM 7:00~9:30頃)近く駐車場を使わせていただいた。 天候が悪いためか、この日は駐車場を利用する方が少なかったが、マナー違反だったかな…。
    明ヶ指・分岐① 地図上の「道分岐①」の地点。長泉院の横の道からずっと真っ直ぐ進んだ先。左へ進む。案内板がある。 「昌福寺 200m 3分」 「たまご水 1.6km 23分」とな。ここから道が細くなる。雨はまだ弱い。
    明ヶ指・昌福寺前 昌福寺。この先、墓地に囲まれた道を通って進み、「道分岐②」へ出る。
    明ヶ指・分岐② 道分岐②.左側が昌福寺から降りてきた道。右奥から林道が始まる。クマ出没注意の看板が不安にさせてくれる。 登山装備のひとつ、熊鈴を持ってきた方がよかったかな?と、ふと思う。
    明ヶ指・薬師堂前 薄暗い林道を進んでゆくと、民家が数件ある開けた場所に出て、やがて薬師堂のある場所に出る。 この先、道の両脇に日野渓谷キャンプ場(廃業?)があり、やがて秩父温泉郷安らぎの里へ出る。
    明ヶ指・別荘地前 鉄板な橋を渡れば秩父温泉やすらぎの里。車で通れるのはここまで。ここから右へ進むが、林道というか登山道に近い状態のため、 車で来てしまったら、付近の路肩に停めるしかないだろう。
    明ヶ指・安谷川前の林道 こんな踏み跡のある道を進んで安谷川の川辺まで降りてゆく。左の斜面から物音がしてビクッとしたら鹿が居た。
    明ヶ指・たまご水 川原に下りればすぐに「たまご水」がある。たまご水から川辺に沿って(薄いが踏み跡ある) 上流へ50mほど進めば大カツラが立っている。雨天で暗いが安谷川渓谷の深山幽谷の雰囲気がよい。
    明ヶ指・たまご水 たまご水。個人所有らしい。鉱泉を溜めておく水場だ。 鼻を近づけると温泉特有の硫黄の匂いがする。水場の底には湯の花?のようなものがある。 飲めるのだろうか?
    明ヶ指のカツラ やっと大カツラとのご対面! 安谷川渓谷の奥地、たまご水から50mほど先の川岸に大カツラは立っている。 雨天のため暗め。三脚を持ってくれば良かったと後悔した。 なお、他のアングルの写真は、 巨木のコンテンツ でご覧下さい。
    明ヶ指のカツラ 安谷川の水量が少なければ、川原に下りて大カツラを見上げることができる。川原からのアングルが一番の見栄えがすると思う。 雨天のため、カメラを上に向けるとレンズに雨で水滴が付くので少々厄介だった。 他のアングルの写真は、 巨木のコンテンツ でご覧下さい。

    お寺 秩父三十四札所二十九番・長泉院

     長泉院は秩父三十四観音霊場ひとつで、二十九番の秩父札所です。 入口にある枝垂桜の大木が見事で、境内の庭木や枯山水が綺麗に管理されています。 三十四ある秩父札所のお寺は、どこも境内が整然と手入れが行き届き、それぞれ個性ある魅力がありますが、 この長泉院の庭園は、札所中で屈指の美しさでしょう。 立派な本堂の中には、御本尊の聖観世音菩薩像や、性空上人(秩父札所開創の十三権者の一人)が納めた円形の石札や、 葛飾北斎の作の桜の絵の額が安置されています。

     私が長泉院に訪れるのはこれで、2度目。1度目は秩父札所の巡礼中に訪れました。
    秩父札所巡り・TOP /  秩父札所巡り・長泉院
    あの時の巡礼中(2011年9月)は、時間に余裕がなくて、足早に去ってしまいましたが、 今回は、境内の庭木や、本堂をゆっくりと鑑賞することができました。 なお、2014年は12年に一度の秩父札所の御本尊の御開帳の年です。 観音様の眷属の馬にちなみ、午(ウマ)歳に、秘仏の扉を開くとされます。 札所の午歳総開帳は、今年の11月18日まで。できれば時間をつくり、もう一度、巡礼がしたいものです。

    長泉院1 入口。立派な枝垂桜が立つ。参道の右手前が社務所、右奥が本堂、正面奥が観音堂?で、 参道の左側が見事な庭園が広がっている。春の花咲く季節に訪れても素晴らしい眺めであろう。
    長泉院2 参道を進んで社務所の手前付近。3年前の巡礼では、この社務所で、朱印帳に記帳戴いたのだ。
    長泉院3 境内の参道の左側に広がる枯山水などの庭園。美しく手入れされている。
    長泉院4 立派な本堂。御開帳の歳、本堂の御本尊から、五色の紐が柱(回向柱)まで繋がっている。 この柱に触れることで、観音様との御縁を結ぶことができるという。 私は人々が積み重ねてきた思いには力が宿っていると信じている。 この日、熱心な巡礼者が参拝されていた。大切な心願があるのだろう。
    長泉院5 本堂の前にある、三途の川でお守りをして下さるというショウヅカのお婆さん(おびんずる様)の像が祀られている。 何だか愛嬌のあるお顔に、亡き母の面影を見た。故人に対する行き場の無くなった愛情や献身は、 他人に受け取ってもらうことで報われないかと最近思う。

    ダム 浦山ダム

     最後にダムに向いました。 浦山ダムは荒川水系の洪水調節と、首都圏の水需要増大に応えるために建設された、国内最大級の重力式コンクリートダムです。 堤高は156mの高さがあり、県道140号からこのダムの威容が見えますが、ダム下部まで近づいて見上げれば大迫力です。 ダム下部とダム上部の天端は、エレベータを利用して昇降することが可能です。 広大なダム湖は、秩父さくら湖と呼ばれ、春は湖畔に並ぶ桜の花が見事だそうです。

    浦山ダム1 ダム下部に近づく。この先に、ダム下部と上部の天端を昇降するエレベータの乗り場がある。 なお、エレベータとダム内の資料館は、午後9時30から利用できる。
    浦山ダム2 ダム堤体のアップ。ダムの下部、ダムの前面にここまで近づいたのは初めてだ。 大迫力の巨大な超構造体に興奮した。
    浦山ダム3 ダムの上部・天端まで来た。広い長い。左奥の白い四角がエレベータ上部の入口。 雨が強くなってきた。折り畳み傘を片手にもっての撮影。
    浦山ダム4 ダム前面を天端の隅から。ダム下部のエレベータの入口付近から、階段で天端まで登ってくることもできる。
    浦山ダム5 天端からダム湖、秩父さくら湖の眺め。この水量をダムが堰き止めているワケですよ。 この時って、貯水率はけっこう高めなのだろうか。
    浦山ダム6 天端の放流口の上からの眺め。秩父市街が微かに見える。壮観。晴れていれば見晴らしがよいことであろう。
    浦山ダム7 今回の相棒、出張くん5号。 ダムに着いた時から雨は強まり、長泉院の駐車場に戻る頃には全身ズブ濡れ。 雨の中、自転車で坂道を下っていると、笑いが込み上げてきて、何だか子供に返った様な気になった。

    終わりに

     以上、巨木・お寺・ダムでした。 総移動距離は、約12.6km、滞在時間は2時間30分ほどです。 浦山ダムの天端に着く頃は雨が強くなり、あまりゆっくりせずに車に戻りました。 雨が降らなければ、もっと周辺に寄ってみたかったものです(ダム湖一周や、秩父札所28番など)。 巨木で大自然に触れて元気をもらい、秩父札所で仏教文化や信仰に触れて心穏やかになり、 ダムで偉業の土木建築に触れて興奮する、そんな道程でした。