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    大中寺のスギ

    巨木の写真

    撮影日:2015.01.15 【01】「馬首の井戸」と大スギ、井戸は枯れている 大中寺のスギ-01
    【02】 大中寺のスギ-02
    【03】 大中寺のスギ-03
    【04】 大中寺のスギ-04
    【05】 大中寺のスギ-05
    【06】 大中寺のスギ-06
    【07】 大中寺のスギ-07
    【08】 大中寺のスギ-08
    【09】 大中寺のスギ-09

    巨木の基本情報

    巨木の名前 大中寺のスギ (仮)
    樹種 スギ (杉)
    幹周 5.01m [1]
    樹高 35.0m [1]
    推定樹齢 不明
    特徴 主幹は中腹から3本に分岐
    保護指定 県立自然公園の保護地
    所在地 栃木県栃木市大平町榎本
    所在施設 大中寺
    撮影日・状態 2015.01.04 : 樹勢は良い様子、伝承のある根本の井戸が不気味な雰囲気
    アクセス
    東北自動車道・栃木ICから約10km
    電車 両毛線・大平下駅から約2km、東武日光線・新大平下駅から約3km
    参考情報 ■外部ウェブサイト
     [1] 巨樹巨木林データベース:当巨木の登録あり (2000年度の調査記録)
     [2] 栃木市観光協会    :太平山や大中寺の紹介あり
    ■少遠景の記録
     [3] 雷電神社のシイ    :栃木市大平町、県内最大級のスダジイ
     [4] 太平山の初日の出   :登山記録、太平山で迎えたの2022年初日の出

    巨木と雑記.太平山の古刹

     太平山の南麓に開かれた禅宗の古刹。 創建は久寿年間 (1154) の頃とされ、 延徳年間 (1489) に快庵妙慶禅師により再興されたと伝わるそうです。 厳かな雰囲気の境内では、立派な本堂と庭園、スギやモミジなどの巨木も見どころ。 また、ここは太平山の主要な登山口のひとつでもあり、尾根上の「ぐみの木峠」までは約40分ほど。

     大中寺で目立つ巨木を4本紹介します。 筆頭は境内で最大の巨木、根元に井戸 (後述) のある大スギ。 幹は中腹から3本に分かれて伸びあがっていて、個性も感じさせる立姿です。
     2本目は本堂の左手前にある大モミジ。 幹周は4m近く、モミジとしてはかなりの巨木でしょう。 根元から複数の幹が捩じれてあって成長したような、個性あふれる立姿。 大枝の間に隙間があり、私が子供の頃は、この隙間に入って遊んだ記憶があります。
     3本目に根無しの藤。本堂の左後にある墓地の奥にあります。 根本が何処にあるのか分からないくらい、複雑に伸び広がっていたからついた名前のよう。 現在は巨木というほどの樹容はありません。 私が子供の頃は、もっと高い位置まで伸びあがっていたように思います。
     4本目は参道沿いのスギ並木。 最大のものは根本が融合した2株のもの。2つ併せて幹周は7mほどはありそうです。

    巨木と雑記.大中寺の七不思議

     大中寺には七不思議と呼ばれるものが伝わっています。 そのうち上述で紹介した巨木に関係する、七不思議のうち3つを紹介します。

    【 馬首の井戸 】
     天正18年 (1590) 豊臣秀吉による小田原征伐の最中のこと。 下野皆川城 (現栃木市) の城主、皆川広照は北条方に組し、家臣団と共に小田原城に籠城していた。 このとき手薄となった皆川城は、豊臣勢の連合軍に責められ落城の危機に瀕していた。 広照は家臣の佐竹小太郎に主命を下す。 皆川城に残る妻子を、太平山南麓に隠居している旧家臣、白石正義の元へ落とすこと。 小太郎は主命を果たすも帰路で敵兵と遭遇。 負傷するも、叔父が住職を務める大中寺へ逃げ着いた。 しかし大中寺の門戸は固く閉ざされた。 後難を恐れた住職は、小太郎の助命を拒んだのだ。 小太郎が覚悟を決めて自刃しようとしたとき、愛馬が必死に引き止めた。 袖を咥えて離さない愛馬を、小太郎は涙ながらに斬首。 首を井戸へ沈めた後、自刃し果てたという。 その後、この井戸からは馬のいななきが聞こえるようになったという。

    【 不開の雲隠 】(あかずのせっちん)
     馬首の井戸の近くにある厠。 上記「馬首の井戸」の続き。 佐竹小太郎は主命を果す際、同行させた妻を森の中に潜ませ、 自分が帰らぬ場合は大中寺を訪ねるよう言い含めていた。 やがて妻は大中寺を訪ねて夫の死を知るが、嘆く暇もなく敵方の兵が寺へ迫る。 住職は妻を厠へ隠し兵の探索をやり過ごした。 兵が去った後に厠の戸を開けると、小太郎の妻は自害し果てていた。 以後、この厠は戸を釘で打ち、開けられた事が無いという。

    【 根無しの藤 】
     「雨月物語」のひとつ「青頭巾」の舞台になった場所だろうか。 この地で暮らしていた僧があるとき鬼と化した。 共に暮らしていた少年の死を嘆くあまり、少年の遺骸を喰らう。 以後、墓を掘り起こして死体を喰らい、人を見ると襲うように狂ってしまった。 そこに快庵妙慶禅師が現れ鬼僧を諭した。 禅師は山中の石に鬼僧を座らせ、自身の青頭巾を被せ、言った。
     「 江月照らし 松風吹く 永夜清宵 何の所為ぞ 」
     一年後、再びこの地へ訪れた禅師は山中で、 あの句を唱える青頭巾の僧を見つけた。 禅師が喝を入れ僧の頭を打つと、その場に頭巾と白骨だけが残った。 この時、禅師は持っていた土を地面に挿し、それが芽吹いて育ったのが「根無し藤」と云われる。