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    光秀寺のカヤノキ

    巨木の写真

    撮影日:2019.05.11 【01】東側は健全な部位の多い力強い姿に映る.北側近くに若木が並び立つ. 光秀寺のカヤノキ-01
    【02】東側 光秀寺のカヤノキ-02
    【03】南側 光秀寺のカヤノキ-03
    【04】南西側 光秀寺のカヤノキ-04
    【05】西側 光秀寺のカヤノキ-05
    【06】西側 光秀寺のカヤノキ-06
    【07】山門 光秀寺のカヤノキ-07
    【08】解説板 光秀寺のカヤノキ-08
    【09】本堂前 光秀寺のカヤノキ-09

    巨木の詳細

    巨木の名前 光秀寺のカヤノキ [1]
    樹種 カヤ(榧)
    幹周 5.4m [1], 5.7m [2]
    樹高 18m [2]
    推定樹齢 300年以上 [1][2]
    特徴 本堂の立つ西側に大きな損傷
    保護指定 さいたま市指定天然記念物
    所在地 埼玉県さいたま市岩槻区大字尾ケ崎
    所在施設 光秀寺
    撮影日・状態 2019.05.11 : 幹は空洞化し西側半分を大きく損傷、予想より東側の状態が良く樹冠が大きい
    アクセス
    東北道・岩槻ICから約6.5km(浦和ICからは約4.5km)
    電車 東武野田線・岩付駅から約6.2km
    JR武蔵野線・東川口から約11.5km
    バス 峰谷バス停・国際興業バスの岩11系統路線(岩槻駅~東川口駅の北口)
    参考情報 ■現地資料
     [1] 解説板・光秀寺のカヤノキ:幹周、樹齢、被災の歴史など掲示
    ■公式サイト
     [2] 巨樹巨木林データベース :平成12年度(2000)の調査記録
     [3] 光秀寺ホームページ   :お寺の由緒やイベント情報(座禅会)など
     [4] ウィキペディア・北条氏房:家臣が光秀寺の開基に関わっている戦国武将、氏政の四男、岩槻城主
     [5] 岩槻城址公園(地図)  :Googleマップの地図リンク(岩槻区太田)
     [6] 霊樹寺(地図)     :Googleマップの地図リンク(久喜市鷲宮)、境内に巨木はない様子
     [7] 鷲宮神社ホームページ  :久喜市の有名な古社、某アニメのロケ地(登場する神社のモデル)
    ■少遠景の記録
     [8] 巨木・与野の大カヤ   :関東最大級のカヤの巨木、住宅密集地のど真ん中に立つ

    巨木と雑記.光秀寺の由緒など

     埼玉県が誇る関東最大級のカヤは、さいたま市の中央区にある与野の大カヤ [8]。 その見事な大カヤに私も2015年に訪れていますが、 さいたま市域にはもう一本、注目していた大カヤがあります。 それが埼玉スタジアムのすぐ東側、岩槻区にある光秀寺(こうしゅうじ)のカヤ。 ビャクシンの古木に似た風格を持つ大カヤです。

     光秀寺の由緒 [3] について。 宗派は曹洞宗、山号は日峰山。 埼玉県久喜市鷲宮にある霊樹寺の末寺。 永禄7年(1564)に創建。霊樹寺5世の和尚による開山。 寺を開基(普請)したのは北条氏房の家臣、三上三郎左衛門。 なお、北条氏房 [4] は後北条氏四代当主・氏政の四男で、岩槻城主として岩槻領を統轄。 天正18年(1590)、豊臣秀吉による小田原征伐の際、岩槻城も落城。 現在は城の遺構は岩槻城址公園 [5] として残されています。

     光秀寺の本寺であるという久喜市の霊樹寺。 いかにも巨木がありそうな寺号ですが、境内に巨木はない様子。 そういえば、同じ鷲宮区(旧鷲宮町)にある鷲宮神社 [7] は関東でも有名な古社。 社叢も広大なようで、機会があれば境内で巨木を探してみたいものです。

    巨木と雑記.大カヤの感想

     光秀寺の本堂東側に立つ大カヤは、本堂の背後から西に回り込んで拝観します。 初見での印象は、巨大なビャクシンの盆栽。 大カヤの西側半分には、根本から主幹上部まで達する損傷があり、空洞の開口部でもある。 寺伝 [1][3] によれば、これは明治18年に本堂が全焼した火災による被災の痕跡。 損傷個所には、白骨のように風化した多くの樹皮と枯れ枝が残っているため、 これがシャリ(舎利)とジン(神)らしく見え、格調高い立姿として見えてくる。 大きな傷跡でもあまり痛々しく映りません。 それは予想よりも樹冠が大きく茂っており、東側半分が往時に近い姿を留めていたこともあるでしょう。 そして、大カヤから感じられる気質は、荒れた雰囲気ではなく穏やかなもの。 大きな災難を受け入れる闊達さと克服する力強さ。 荘厳な立姿の悟りの巨人、それが光秀寺の大カヤでした。